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「これって有効な組み合わせを見つけられたらすごくいいと思うけど……下手なのを組み合わせるとめっちゃ扱い辛くなるよな?」
「そうだな……それは把握してる」
「ならこれの問題点もわかってるよな?」
このテーピングテープの問題点……いやずっとテーピングテープとかいってるが、これがやってることは新たな育成システムを提示してる事と同義だ。そしてそれはきっとをこれを作った奴が想定してたよりも、きっと深くて広い。
ただ強化をしたいだけにこれを作ったのだったなら、もっと単純で、そしてある程度の組み合わせ? は絞っておくべきだった思う。
「慎重にならざる問題を抱えてるのはわかってる。けどほら、このゲームには死蔵してる武器とか多いだろ? だからそれで試してもらえば、ある程度までは行けるだろう。それにそれらの武器の有効活用にもなる」
鍛冶屋は鍛冶屋だからこそ、問題視してたものがあるようだ。それは武器の死蔵問題。いや、たいていのプレイヤーがそれは気にしてないと思う。それにさすがに多くなりすぎたら売ったりしてる人はたくさんいるだろうしね。
まあでも、このゲームで大切なのはスキルである。そしてゲームシステム的にはそのスキルはこの身に宿せる。その武器や防具、アクセサリーを装備して熟練度をためていき、マックスになるとその写しが肉体に刻まれるシステムだ。
そうなると、最初はその武器や防具、アクセサリーを装備してないと使えなかったスキルがその武器や防具を使わなくても使えるようになる。それを繰り返していって、プレイヤーは膨大なスキルをその身に宿す。
だってスキルの多さが強さの証? みたいな感じだからね。もちろん膨大なスキルだけを持っててもだめだ。そのスキルをどう組み合わせて強く使っていくか? それがプレイヤーの腕の見せ所……といえる。
そしてスキルを得た武器や防具はどうなるか? 選択肢としては売るかインベントリから倉庫の方に放り込んでおくか、捨てるか? だろう。後は譲る……とかもあるかもしれない。だってその武器や防具に宿ってるスキルがなくなったわけじゃないからね。
まだ持ってない誰かには使えるだろう。でも譲るとかはきっと多くはない。売る……といっても、みんなが持ってる必需品ともいえるようなスキルを宿す武器や防具、アクセサリーとかは多く流通するとはおもうが、それを必要としてるのは結局は初心者だよね?
そうなるとその初心者にとっては高い金額ではあるかもしれない。ある程度やってたら問題ない金額でも……初心者では厳しいとかあるだろうし。
まあつまりはそんな死蔵された武器をみんなが持ってるってわけだ。でもそれはこのLROだけじゃないだろう。ある程度色んなゲームをやってたら、どんどんと武器とか防具ってたまっていく事はきっと体験してるはずだ。まあでも普通のゲーム。それこそモニターを見てやるゲームではそれを気にすることはないだろう。
だってそういうものだから。けど、鍛冶屋はそれを気にしてみたいだ。だからこそ、これで無数のプレイヤーに死蔵された武器たちが再び日の目を見れるかもしれないって、そう思ってるようだ。




