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「欠陥品とは失礼な奴だな。これはただの実験台だからいいんだよ」
そんな風にいってくる鍛冶屋。いや、そもそもさっきの口ぶり的に何回か既に試してるよな? それなのにこんな鉄鉱石なんて見た目わかんないの混ぜるなよ。どう考えても組み合わせる物間違えただけだろう。
このやろう……とんでもないもの装備させやがって。僕は非力では決してないが……これを持つのは骨が折れる。持てたとしても、振れるか? と言われたら――落とす――と言った方が正しい事になりそうだ。
「ちょっと風を使うぞ」
僕はそんな風に断って集中した。この部屋の風を掴んで僕はようやくこの+ばっかりついた剣を持ち上げる。風で補助してもらった……といってもまだ全然おもい。これって……
「加えた物を減らすとかできないのか?」
僕はなんとなくいってみた。だってふと考えて見たんだ。テーピングテープを使ってくっつけたけど、その姿は見えなくなってる。まあそれはそうだと思う。だって使える武器になるのがいいんだろう。これがもしもリアルのようにそのテーピングテープでくっつけたものがそのままだったらどうなるだろうか?
つまりは鉄鉱石と小さいけど拳銃タイプの銃がそのまま剣にテープで無理やりくっけつてる状態である。そんなの振り回せるわけないよね。そんな振り回してたら、周囲から「なにあれ? プークスクス」――となるのは確定だろう。
だからこうやって何故か融合するのはゆるそう。ゲームだしさ。けど結局はテーブで巻いてるだけなんじゃないのか? ならば……もしかしたらぺりぺりとテーピングテープを剥がすことによって、加えた物を自由に加えたり減らしたもできる……可能性あるよね?
そう思ったんだ。
「それはできない。このアイテムによっての変化は不可逆だ」
つまりは元には戻せないと……じゃあテープじゃなく接着剤とかで良かったじゃん。そっちのほうがわかりやすかっただろう。けどここでそれを言っても……ね。とりあえず一回振って見ることにする。
けど思った。
「なにか的はないのか?」
だってここ鍛冶屋のプライベート場所だろうし、個人的な制作場所とは思う。でもさ……鍛冶職人として最高級な鍛冶屋に与えられてる……というかその種のトップの部屋なわけで……もちろんこことは違うもっとちゃんとした部屋は隣とかにあるんだけど、ここのものだってきっと高価なものばかりだと思うんだ。
システムの保護も元から壊れやすいものには適応されないからね。それこそツボとかそういうよくある飾ってあるものに対して保護は適応されない。建物自体……とかには簡単に穴が空いたりしないけど……
「ならこれを使え」
僕の意図を察したのか、鍛冶屋が棒人形をよういしてくれた。まあその付き人の人が持ってきてくれたけど。とりあえずそれに狙いを定めてこの重い剣を振るうことにする。




