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なんかたどり着く前に気まずくなってしまった。別にこっちだって見たくても見た訳でもないのに、見せた奴よりも見た方が悪いとは納得いかない。確かにラッキースケベではあった。
見たいか? 見たくないか? で言えは、メカブの奴とて、女子の下着なんだからやや見たいよりになるのは仕方ない。別に積極的に見たい訳じゃないけど、見えちゃったなら、ちょっと幸せになれる……そんな塩梅である。
まあけどなんか空気悪くなってるから、これなら見なかった方が良かったけど。ちょっとの幸せとじゃ、リスクがね……釣り合ってない。
「フシャーフシャー!」
なんか後ろでそんな威嚇の声をメカブの奴は上げてる。いつもはだらしなく寝そべってそれこそ、見えるか見えないかを攻めてるのに、本当に見えると怒るのはないよね。
「あの程度でひっくり返るのは油断しすぎです。メカブにも比は有ります」
うんうん、その通りだ。ラオウさんが言ってくれたことで、ちょっと沈静化するメカブ。でもそれだけじゃ終わらなかった。
「ですがスオウ。あなたのその目なら、見ないようにすることもできた筈てす。見ようとしましたね?」
なんかメカブの奴が僕の視線から隠れるようにしてラオウさんの背後に回った。いきなり僕が性的な目でメカブをみてる……とか思ったんだろうか? いやいや、ラオウさんの言い方がよくないよ。
ラオウさんは僕のこの目の事をよくしってる。だからこそ、あの瞬間でも僕のこの目なら事前にそれを回避することが出来た……と確信をもって言ってる。確かにそれはある。そこは間違いないだろう。だってあの瞬間……
「あっ、これはパンツ見えるな」
――と一瞬で思考できたのは間違いない。なにせメカブが転びかけてるところからスローモーションだったし? だから確かに僕は自分の意思でメカブのパンツを見たのかもしれない。
でも決してやらしい気持ちがあったわけじゃない。それをいおう。誠心誠意を込めて。
「認めます。確かにメカブのパンツを見ました。でもそれは別に何か思惑があったとかじゃないですよ? ただ「これはみえるな」って思ったからメカブだしどんなのはいてるんだろうっていう……つまりですね。これは知的好奇心だったんですよ!」
僕は力説してみた。これは仕方ない。だって知的好奇心には勝てないもんね。それがなくなったら、人類はきっとここまで発展することはなかった。そんな偉大な欲を否定して良いのだろうか? いやダメだ!!




