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取りあえず木の断面をテーブルに見立てて、僕たちは集めたものを広げてる。なんか明らかに大きな幹の断面とその周囲に小さな切り株があるから、きっとここは休憩所みたいな感じを想定してあるんだとおもう。
なにせこのレスティアを含めたこの島のような場所は元はテア・レス・テレスのエリアだ。エリアはプレイヤーが一から造り上げるホームみたいなもの。たからこそいろんな事を想定して作り上げてるはずだ。
エリアは本当ならエリアバトルとかを想定して作ったり、誰にも公開せずに本当に自分だけの城にしてる人だっているだろう。だから他の誰かのため……とか、あんまり想定しないと思う。
いったいいつの段階から会長の奴は自身のエリアをLROとつなげる事を考えてたんだろうか? 色々とこの島は痒い所に手が届くような場所に町や村があったりする。ダンジョンもいくつかあるわけだけど、なんか難易度とかも違ったしてるからね。
ダンジョンはまだわかる。だってそういう風にエリアを作って、エリアバトルに挑むチームはよくいるからだ。でもわざわざ難易度の調整とかはしてないと思う。タイプが違うダンジョンを用意してる……とかならあり得そうだけどね。
取りあえず僕たちは用意されてたその自然のテーブルと椅子について次の段階に移る。テーブルには大小様々な石があって、そのほかに木の実とか、葉っぱとか、花なんかも摘んできてた。
(保育園生とかが遊んでるテーブルみたいだな……)
決してそろそろ成人しそうなやつが集めたなんてこれが残されてたら思わないと思う。きっと小さな子供が遊んでたんだろう……って推測するだろう。間違いない。そんなテーブルを見てると、ローブの女が「ふむふむ」と何やら吟味してる。
大体全部「オーケー」って言ってたじゃんお前。なんで今になって吟味するの?
「それでどうするんだ?」
僕の言葉に彼女はこう答える。
「そうね。そこらへんに月人は居ないかしら?」
「流石にレスティアの周辺にはいないだろう」
なにせ沢山のプレイヤーがいるんだし、見つけたら誰かが速攻狩ってると思われる。そもそもがあの侵攻の後から、野良の月人はめっきり減ったし? 今確実に月人に会える場所……といったら――
「リア・レーゼならいるんじゃない?」
「そうね。けど行くのは面倒だから、これ……」
そういって何かを取り出してこっちに放ってくる彼女。僕のこの目だからなんとか取れたけど、適当に投げすぎ。完全にあらぬ方向に飛んでたぞ。
「なんだこ……れ?」
なんか禍々しい……とはちょっと違うけど手に取った小石には何やら変な揺らぎ……が見えた。僕はそのアイテム名を覗く。
「石(月の残骸)?」
そんな風に表示されてた。




