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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2514 前に進むためのXの問い編 898

 摂理は気づいてた。いや、僕が気づいてほしいという空気を醸し出してたみたいだ。それに摂理も日鞠がもどって来てないのはしってる。そろそろ泣き言を言いそうなのは僕もそうだけど、実は摂理もそうなのだ。


「はっきりいうとね。私も日鞠ちゃんには一日も、いや一時間でも早く戻って来てほしいんだよ!」

「お、おう……」


 その勢いに僕のほうが引くほどである。一体なにが? そんなに摂理は日鞠とは関わろうとしてないというか? いつもゲームばかりしてる摂理を日鞠が気にしてるのはあるけど、むしろ摂理は日鞠が苦手な部類じゃなかったか? 


「だって、そろそろ限界なんだよ……」


 それはとても切羽詰まった声。いや、僕も色々と追い詰められてたけど、どうやら摂理もそうらしい。恥ずかしいことだ。僕は自分が一番不幸だ……なんて雰囲気を醸し出してたけど、摂理もそうだったのかもしれない。

 自分だけがこの世界で不幸なんて事……きっとない。むしろ僕よりも不幸にあってる人なんていくらでもいる。それなのに……僕は自分を恥じるしか無い。


「なんで私が今日LROしてると思う?」

「え? それは……休みだから」


 休みというか、夏休みだけど……でも結構摂理は学校にいってる。行ってるというか、お迎えがくるからな。鈴鹿が来て学校に連れて行く。鈴鹿は生徒会ではなかったはずだけど、僕と摂理が同棲してるなんて学校のやつに知られるわけにはいかないから、そこは摂理が鈴鹿に頼ってるみたいだ。

 ありがたい。ここ最近は鈴鹿もこなくなってきたというか? 生徒会でやることも一段落したのかと思ってた。夏休みだし、普通の日のように学校に行くのがまずはおかしいからね。

 けどそうじゃないらしい。


「ふふ、わかる? もうこなくていいって言われる気持ち。私、会長なのに……ね」


 なんか地雷だったみたいだ。いや、踏み抜いたのは摂理自身だけど……なんかこいつも大変らしい。LROの方だけじゃなく、リアルの方でも……


「いや、うん、なんかごめん」

「いいよ。別に私はそんなに生徒会に時間取られたくなかったし! 寧ろいかなくて良いのならそれが全然いいし!」


 ガツガツと僕が買ってきた弁当の唐揚げを箸で刺してる摂理。お行儀悪いぞ。


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