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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日② 目指せ【開拓者】

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184.【伐採】スキルの値引き&高額の理由

「いやいや、思わずリアクション取ってもうたけど、いくらなんでもマイナス1万5,000引きは安くなりすぎやろ!?」

「あはは……。これには事情があって……」


俺のツッコミに乾いた笑いで応える担当さんは、小さな声で事情を話し始める。


「【伐採】スキルをメインにセットした状態で、樹木にアーツを放つと、通常より多めに木材が手に入るんですよ」

「そこは農業系のスキルと同じ感じなんやな。で、肝心の値引きの理由はなんなん?」


「いくつか理由はあるのですが、一番の理由は【アースの町解放】の依頼の中で、木材の納品数が鉱石系と並んで大きく不足してるせいなんですよ……」

「なるほど、納品数を増やすためのテコ入れってわけか。あれ?じゃあ鉱石を掘るスキルとかも?」


「値引きしてるんでしょうね……」

「ふむふむ。需要によってスキル料金も変わるんやなぁ」


(あれ?これって、今後別の町を解放するときに納品する物資を渡り人全体で調整したら、スキルの割引を誘導できるんとちゃうか?)


激安の理由はわかったのだが、それと同時に悪用方法が頭に浮かんでしまう。もっとも実際に行えば好感度が下がる事はほぼ確定と思われるので、俺はあえて別の質問を投げかける。


「ところで、今のツッコミとは矛盾するかも知れんけど、そもそも2万ゴールドとかアホみたいに高いのなんで?俺が受けて来たスキル講習って安くて1,000で高くても5,000やったで」

「あはは、ソーイチさんって本当に目敏いですよね。普通、売り物の値段なんて気にならないですよ」


「いや、流石にこの価格差は気になる人多いはずや。まぁ俺みたいに厚かましく質問漬けする奴は少ないかも知れんけど」

「なるほど。観察力より行動力が優れてるんですね」


「そうかもなぁ。で、結局なんでなん?もしかして機密情報?」

「まっさかぁ〜。ただ聞く人が今まで居なかったのと、渡り人の皆さんには当分無関係なお話なだけですよ」


「それって逆に未来では関係あるって事やん。気になるしお願い!教えられるとこまででええから」

「まぁ普通に図書館で調べたら出てきますしね。良いですよ」


話振り的に元々隠すつもりはなかったのだろう。彼女はアッサリとした顔付きで話し始める。


「まず結論から言うと【伐採】スキルは、許可証の側面もあるからお高いんですよね」

「許可証?それがないと出来へん事とかあるん?」

「ええ。【伐採】や【採掘】、後【釣り】もだったかな?自然の恵みを頂く系統のスキルには、一定のレベルじゃないと立ち入りを制限している場所があるんですよ」


「マジか……。それメチャクチャ重要な情報やん!これ早く周知せんと、資格ないのに入る奴が増えまくるで?」

「そうかもしれないですけど、この大陸にそんな場所ないですもん。関係してくるのはアースの町につながるゲートの先ですし、向かう前に全てのギルドで徹底的に通知しますよぉ」


「それなら安心か?って、それはあかんって。渡り人3万人もおるんやで?絶対聞き逃す奴出るし、逆に聞いてなかったって言い訳する奴も出てくるわ」

「言われてみれば確かに……。これは早めに上に報告しないとダメかもですね……」


初めは楽観視していた様子だったのだが、俺の話を聞くうちに思案顔に変わっていく。


(まあ個人的な考えやけど、違反者は無差別に捕まえてもええと思うけど、住民的には難しいか……。って、良いアイデア思いついたかも!)


【伐採】スキルを購入予定の俺はどこか他人事に考えていたのだが、ピカッと名案が頭に浮かぶ。


「渡り人から違反者を出したくないんやったら、やっぱテストするしかないんとちゃうか?」

「テストですか?」


「ああ。どうせ【伐採】スキルとか以外にも、知らされてへんルールあるんやろ?それならルールを通知した後にテスト受けさせて、合格したやつだけアースの町へのゲートを渡らせるってのはどうや?」

「ふむふむ。3万人分のテストの準備は大変そうですが、解放までまだまだ時間もありますしアリかもですね」


「そうやろ?ついでに解答用紙の裏に誓約書書かせて、ルールを守る強制力をプラスするってのもええかもな」

「なるほど!正解したテストと誓約書、二つセットにすれば馬鹿みたいな言い訳をいう人も減りそうですね!」


「他にもゲートを通る権利を合格者限定ってする事で、向こうの町へ送る人数を調整出来るってメリットも生まれそうやな」

「うわぁ、そこまで考えて……。うん!とても魅力的な案ですね。先程の懸念点とセットで報告してみます!」


「ああ、それは良いと思うよ」

「はぁ〜。ソーイチさん、今回はお知恵を授けてくれてありがとうございます!」

「いやいや、回り回って渡り人の治安にも影響するしそれくらい気にせんといて」

「ソーイチさん……」


謙遜する俺の言葉に目を輝かせる担当さん。しかし俺の本心は、


(ふっふっふ。3万人分のテスト用紙の準備とか住民だけではまず無理。そうなったら【メモ】や【スキャン】持ちの俺にお声かかる率は高いよな。という事は先行してテスト内容知れるか?いやカンニング防止の為に先行受験も夢ちゃうよな!)


このように欲望に濁った不純まみれなのであった。


次回は12月7日(日)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
言った本人がテスト落ちたりしたらおもしろいなw
治安の良し悪しはMMOにとっては死活問題。 只でさえ賞金絡むから本来はもっと治安の悪化が懸念されるしこれから更に激化する可能性も有る、 そこにこんなプレイヤーの自治やモラルを刺激するようなネタを放置す…
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