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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日② 目指せ【開拓者】

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177.特殊個体の報告とたらい回し

特殊個体(と通常の魔物)のインタビューカードを持ってノア・タイムスを訪れた俺は、まずは受け付けのコビーに声をかけた。


「コビー、依頼の報告と社長へのアポお願いしたいんやけど、ええか?」

「あ、ソーイチ。依頼報告は受け付けるけど、社長は仕事立て込んでるからなぁ。今日中には無理かもしれないよ」


「う〜ん。至急報告したいんやけどなぁ。とりあえず提出するカード見てもらったら、呼ぶ理由わかってくれると思うし確認して」

「インタビューの依頼だよね?もしかしてイレギュラーな結果が出たのかな」


そう呟きながら、インタビューカードの内容をチェックするコビー。最初はベビースライムやベビーラビットなどの一般的な魔物に拍子抜けした表情をしていたのだが、ベビースライムリーダーやレイヤースライムのカードを見た途端顔色が変わる。


「えっ、何コレ?この2体の魔物初めて見たんだけど……」

「やっぱり知らん魔物やったか。図鑑にも載ってなかった魔物やし、多分特殊個体やな」

「うん。ノア周辺に出現する魔物は全部記憶してるけど、コイツらは初めて見るよ……」


「しかもカードには載ってへんけど、レイヤースライムの出現条件や能力、ドロップのデータもまとめてるから役立つと思うで」

「そ、そこまで!?すぐに社長呼んでくるから待ってて」

「あ、待ってる間に作業室使うから、そっちに来てもらって」

「わかった」


そう言ってコビーは魔道具を操作し出す。俺は宣言通り作業室に向かうと、デュアルグローブを装備し要約新聞の増刷作業を始めた。


ースキル【スキャン】のレベルが6に上がりましたー


作業開始から15分ほど経過した頃だろうか?要約新聞を増刷を終え、【スキャン】のレベルが上がる。その直後、部屋のドアが勢いよく開きルーカスが駆け寄ってくる。


「ソーイチ君!またやらかしたみたいだね!」

「やらかしたって失礼な。偶然出会っただけやのに」

「ははは、すまない。それより報告は別の部屋で聞くから、ソーイチ君着いてきてよ」


そう言って早足で作業部屋から退室するルーカスの後を追う。そして別室に到着し席に座ったタイミングで、ルーカスはコビーに預けていたギルドカードを取り出し、


「まずは今回の依頼達成の報酬。内容が内容だしポイントに少しボーナスもつけてるよ」

カードの返却と依頼達成についての報酬を支払った。


「ボーナスというとやっぱり?」

「うん、想像通り特殊個体の件だね」

「やっぱりか」

「なにしろ、ほぼ未発見の2体の魔物の情報だもん。僕の権限内でつけれるだけポイントを付けさせてもらったよ」


俺は即座にギルドカードを確認すると、AGPとBGP両方に100ポイントずつ追加されていた。


「ボーナスの確認オッケー。で、ほぼ新発見ってどういう事?」

「今日提出してもらった2体のうち、ベビースライムリーダーは野生での出現確認は初めてになるね」

「それってフィールド以外では発見されてるって事?」

「うん。テイマーが育てた従魔の中で、リーダーに進化した個体がいるんだよ!」

「ああ、そっちルートがあったか」


テイマーはクラン内でも1人も居ないのでそのルートは頭から完全に抜けていた。


「これまで野生での発見報告もないし、進化特有の個体だと考えられてたんだ」

「あれ?でもインタビューカードには出現条件書いてたやろ?」


「それが従魔への【インタビュー】はテイマー本人しか使う事が出来なくてね。ただでさえレア進化のベビースライムリーダーを所持した上で【記者】のジョブもってなると、今まで誰もいなかったんだ」

「なるほどなぁ」


今まで敵対する魔物にしか使っていなかった俺は、【インタビュー】の新たな仕様に驚く。


「そしてレイヤースライム。これは完全に新発見!この世界に記録されている全ての魔物のデータベースを調べたけど、情報の一欠片すら出てこなかったよ!」

「おっ、マジか!」

「マジだよ!だからカード以外の情報も教えて欲しいな」

「まず出会いからやけど……」


こうして2体の魔物に出会った経緯や行動パターンなどを話していたのだが、途中からルーカスは腕を組み難しそうな顔になっていった。


「インタビューカードだけじゃなく、出現方法に戦闘データの仮説か……。うん、悔しいけど、この情報の取り扱いはウチの権限を超えてるね」

「まあ、新聞社が担う仕事じゃないか。じゃあ、この情報はどこに報告したらええの?」


「冒険者ギルドか司書ギルドの範囲のお仕事だし……無難に冒険者ギルドでいいんじゃないかな」

「確かに一番デカいギルドやもんな。じゃあ、すぐに冒険者ギルドに向かうわ」

「あ、ちょっと待って!ついでにコレも持ってってよ」


そう言うとルーカスは1枚の紙を取り出し、スラスラと文字を書き出す。そして最後に筒状の魔道具をハンコの様に押し付けてから、俺に手渡してきた。


「はい、僕からの紹介状。これを受付に渡せば、早目に対応してもらえると思うよ」

「おお!ありがとう!」

「その代わり、全部終わったらインタビューさせてね!」

「ああ。機密にならへん範囲ならなんでもしゃべるで」


こうして俺はルーカスからの紹介状を手に、冒険者ギルドへとたらい回しされるのだった。


次回は11月30日(日)午前6時に更新予定です。


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