176.成果発表とインタビュー結果の報告
レイヤースライムVS俺のファンという想定外の妄想で終わった俺の武勇伝語り。その後はインタビュー結果を回し読み(心眼取得中の者を除く)させたりしながら、レイヤースライムの分析に入る。
ユサタク:能力云々はソーイチの語りとインタビュー結果で粗方わかった。
ユサタク:次に聞きたいのがレイヤースライムの経験値なんだが、どれくらいゲットしたんだ?
ソーイチ:う〜ん。アーツの経験値とかで正確ではないけど、最低でも5000ちょいは入ってたと思う。
ゼロ:5000ですか……。ギミックを理解すればソロでも討伐可能とはいえ、それは少ないですね。
ベイクドモチョチョ:それ6人パーティーだったらパーティーボーナス込みで1人頭1000しか入らないんですよ
ソーイチ:ええ!?これで少ないって反応になるんか!?
5000もあれば、見習い卒業までに必要な経験値の半分以上を賄えるのに、ゼロ達にとっては少なく感じるようだ。
セキライ:今の最前線だったら、ちょっと大きめな群れで近い数字出そうっすね。
ソーイチ:うぇ!?最前線ってそんなに経験値稼げるんや
ミコト:その代わりパーティー必須の上に、魔法やアーツもバンバン使ってきますけどね。
ソーイチ:ああ〜。それは無理。バフ系除いて戦闘系のアーツ全くないしコテンパンにされそう。
相性が最高だったレイヤースライムですら紙一重の勝負だった俺にとって、そこら辺にいる魔物がそのレベルというだけで絶望しかない。
ユサタク:ははは、生産系のジョブ編成だとレベルがまだまだ足りないよな。
ソーイチ:そりゃそうか。まあレベルたんまり上げて、その上で6人パーティーで挑むわ。
ユサタク:ああ、それがいいだろう。
ユサタク:って、また話が脱線したな。レイヤースライムの経験値が微妙なのはわかったけど、ドロップは?その分いいアイテムだったりするのか?
アマネ:出現の為にスライムの被膜50枚以上かかりますし、半端なアイテムじゃキツイですね。
経験値についての雑談は切り上げ、ユサタクが次に議題に挙げたのがドロップアイテムについて。露店担当のアマネも興味津々なようだ。
ソーイチ:ドロップか。俺はこの世界の相場とかわからんし、価値はそっちで判断して。
アマネ:わかりました。このクランの金融担当としてしっかりチェックします。
俺の発言に物静かなアマネの意気込みが、凄い勢いで燃え出した。
ソーイチ:ドロップは、スライムゼリー20個、ビッグスライムの被膜5枚に中魔石が2つや。
ユサタク:他の2つは兎も角、中魔石2つは良いな。
アマネ:ええ。普通の特殊個体の場合1個しか手に入らない素材が2個ドロップは破格かもしれません。
ベイクドモチョチョ:それは多分ベビースライムリーダーとレイヤースライムの特殊個体2体分って評価がされてるんじゃないですか?
フワフワ:ありえそうですね〜
ソーイチ:俺にはわからん世界やけど、レアアイテム多めの当たりって事でええの?
アマネ:ええ、当たりも当たり。大当たりですよ!
ソーイチ:そうか。それなら被膜全部喰わせたかいがあったって思えるな。
アマネからのお墨付きをもらえて、被膜全てを与えた後悔がスッキリなくなるのを感じた。
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フワフワ:話全部聞いてふと思ったんですけど、いいですか〜
ソーイチ:うん?気になる点はドンドン聞いて。
その後も色々な話題で盛り上がっていたのだが、相槌に専念していたフワフワが気になる事があると突如発言した。クラン内でも頭の回るポジションである彼女の意見が気になり、俺は話すように促す。
フワフワ:ありがとうございます〜。確認なのですが、ソーイチさんって現状プレイヤー内で唯一の【記者】系ジョブの持ち主ですよね?
ソーイチ:どやろ?【オモイカネ】あたりはソロソロっぽいけど。
ユサタク:いや、今日の開門前の段階ではもう少し掛かりそうと言ってたぞ。
ソーイチ:じゃあ多分俺だけやな。
フワフワ:やはり、そうでしたか〜。
フワフワ:それなら今回のレイヤースライムやベビースライムリーダーなどの特殊個体、それに対して【インタビュー】したのって、プレイヤーで初めてじゃないですか?
セキライ:言われてみれば初っすよね。というかレイヤースライムとか出現ギミックの複雑さから考えたら住民も未経験かもっすよ!
ソーイチ:俺がこの世界で最初の発見者になるとか、そんな偉業ありえるかもしれんのか……。
プレイヤーで初は何度も経験しているが、住民含め初かもしれないと聞き少し興奮する。
フワフワ:あると思いますよ〜。
フワフワ:それで思ったのが、大討伐も迫った中、イレギュラー個体の情報は早めに提出した方がいいんじゃないかな〜って思ったんです〜。
ソーイチ:確かに大討伐本番で出たら、死ぬ程ウザい魔物やもんな。
セキライ:膜のギミックを考えたら、純物理だけじゃなくて、魔法職もMP削られそうっすもんね。
ソーイチ:こりゃ今からノア・タイムスにインタビュー結果の依頼報告に行った方がええな。
アマネ:それならついでに要約新聞の追加もお願いしちゃっても良いですか?
ソーイチ:もちろん!【記者】は【司書】のレベルに追いついて困ってたとこやし、喜んで引き受けさせて貰うわ。
アマネ:ありがとうございます!
ソーイチ:そうと決まれば善は急げ。ジョブチェンジしたら、すぐにノア・タイムスに向かうわ。
善は急げと、俺はメインジョブを【司書】に、サブジョブを【見習い文武両道】に変更した後、急いでノア・タイムスへ転移したのだった。
次回は11月29日(土)午前6時に更新予定です。
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