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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日② 目指せ【開拓者】

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175.俺の武勇伝②:レイヤースライムとの激戦

ソーイチ:残念!別の魔物でした!

ユサタク:いやいや、このミスリードは卑怯だろ!

ミコト:戦闘な苦手なソーイチがソロ討伐できた敵だったんで、ベビースライムと大差ない相手だと勘違いしちゃいましたよ!

セキライ:普通レアな魔物1日で複数体と出会うって想像出来ないっすよ


引っ掛けられたのが悔しかったのか不満の声が多く挙がる。


ソーイチ:まぁまぁ。こっからもう一捻りあるからクレームは全部聞いてからにして。

ベイクドモチョチョ:そうですよ!こういうのは素直に聞き入るべきなんですよ!

ソーイチ:モチョはマジで楽しんで聞いてくれてるんやね。

ソーイチ:そこまで熱心に聞いてくれるとか、感謝の気持ちでいっぱいやわ。

ベイクドモチョチョ:えへへ。


話し始めてからモチョのフォローが止まらない。俺は彼女の期待に応える為にも、話を再開させた。


ソーイチ:さて【インタビュー】の結果やけど、名前以外に、

ソーイチ:一定数以上の群れになった際に慎重な個体が進化するって情報と、常に生存に向けて行動するって生態が載ってたんよ。


ユサタク:群れの中から自然発生か……。もしかしたらベビースライム以外にリーダー種は存在するかもな。

ゼロ:それも興味深いですが生存特化の生態という事は、スライムの被膜を食べる事がベビースライムリーダーにとっての最善手って事ですよね。


ソーイチ:さすがゼロ、鋭いな。俺もソレに気づいたから、あえて残りのドロップを拾った上でリーダーの前に差し出したんや。

ミコト:ええ〜!?仲間達を討伐した本人に、仲間の遺品を目の前に持ってこられるとか怖すぎでしょ。

フワフワ:とんだサイコパス野郎ですね〜。

ソーイチ:人聞きの悪いこと言わんといてくれる!?


我ながら随分とイカれた行動だと心のどこかで思っていた事を、女子2人に言われると心が折れてしまいそうになる。それでも期待している視聴者(モチョ)の為にも歯を食いしばり話を続ける。


ソーイチ:でもベビースライムリーダー君はもりもりと残さず食べてくれたし……。

ソーイチ:で、差し出したやつを全部食べ切ったかと思いきや、リーダーが突如ピカって光って

ソーイチ:そんで現れたのが、みんなお待ち兼ねのレイヤースライムって訳や。


ベイクドモチョチョ:待ってました〜!パチパチ!

ユサタク:モチョは本当にいい客だな……。でもドロップ品を食うことで進化とは、色々と興味深いな。

フワフワ:今回のレイヤースライムって、ほぼソーイチさんの行動で生まれてますし〜

フワフワ:もし討伐出来てなかったら、冒険者ギルドから怒られちゃってたかもですね〜。

ソーイチ:た、確かに……。


言われてみれば、実験の為とはいえフォロー役の味方もいない中で特殊個体を生み出したのは、相当不味かったかもしれない。


ソーイチ:やっば、冷や汗かいてきた……。

アマネ:でもソロで倒せたんですよね?特殊個体とはいえスライムですし、ソルトボールで一発だったんじゃないですか?

ユサタク:そこまで簡単じゃないだろ、限界まで投げつけたんじゃないか?


ソーイチ:そ、それがレイヤースライムって、ソルトボール含めた物理的な攻撃、全然効かんのよ。

セキライ:はぁ!?それヤバすぎじゃないっすか!というか、よく勝てたっすね。

ゼロ:それが本当なら僕らみたいな純物理系はまず勝てないですよ。


レイヤースライムの特徴に魔法系ジョブを持っていない2人が悲鳴をあげる。


ベイクドモチョチョ:能力も気になりますが、見た目はどんなだったんですか?

ソーイチ:そうやな〜。大玉転がしの玉をちょっと大きくした形で、スライム特有のぼんやり透き通った体。

ソーイチ:で、コアを包むよう透明の膜が玉ねぎみたいに何重にも包んでる感じやな。


ミコト:なるほど。外部からコアを守る膜を作る為に、大量のスライムの被膜を食べる必要があったんですね。

ソーイチ:多分な。ちなみに魔法系の攻撃にめちゃ弱で、【魔力付与】スキル使って1MP分込めた小石ぶつけただけで、皮がパンって剥けてくんや。


アマネ:ギミック系とは珍しいですね。この手の魔物はハマれば楽勝ってイメージですし、上手い事型に嵌めたんですね。

ベイクドモチョチョ:膜が無くなるまで小石投げ続けるだけですもんね。あっ、残数が少なくなると素早くなるギミックとかありそう!

ソーイチ:いや、そう簡単な話やないんや……


第2形態の悪夢を思い出して、ため息が出そうになる。


ソーイチ:レイヤースライムには複数の形態あってな。

ソーイチ:第1形態がその場でどっしり居座った上で酸を水鉄砲みたいに放出。コイツは小石攻撃で楽勝やったんやけど、

ソーイチ:第2形態が草や土を装甲にして転がっての体当たり攻撃なんやが、回転と装甲のせいで石投げても弾かれてしまうんよ。


ユサタク:まさかの巨体を活かしての質量攻撃&鎧か。相手の弱点のはずの魔法職でも辛い展開じゃないか。

ゼロ:でも転がる系って岩とかにぶつけるのがセオリーですよね。ソーイチもそうしたのですか?

ソーイチ:あ、そうしたら良かったんか……。俺の時は思いつかんかったから、体でぶつかったわ。

ゼロ:体で!?よく無事でしたね!?


ソーイチ:いや、吹っ飛ばされたなw

ソーイチ:でも事前にDEFにバフ掛けてたおかげで6割ダメで済んだけど。

ベイクドモチョチョ:それでも大ダメージですよ!

セキライ:それでレイヤースライムは止まったんですか?


ソーイチ:ああ。止まったし、土の装甲もベリって剥がれてたな。

ソーイチ:で、後1回でも転がされたら負ける思って、ポーション飲みながら近づいて、そのままガバッとハグや

ミコト:ハ、ハグですか!?抱きついちゃったんですか!?


ソーイチ:おう。抱きつきながら全身にありったけにMPを付与し続けたんや。

ソーイチ:そしたら、ずっと触ってるからレイヤースライムの膜もパパパパパって剥がれ続けてな。

ソーイチ:あとは俺が死ぬのが先か、レイヤースライムが倒されるのが先かのチキンレースとなった結果、

ソーイチ:紙一重で俺の勝利となったんや。


ベイクドモチョチョ:スゴイ!スゴイですよ!

ユサタク:想像以上に激戦だったんだな!ソーイチ、見直したぞ!

セキライ:流石っす!

ソーイチ:おうおう、もっと褒めてええで


メンバーからの賞賛の声に段々気持ちよくなってくる。そんな中、


ベイクドモチョチョ:あっ、ソーイチさんのハグで倒されるとかレイヤースライムさん、ファンの皆から恨まれそうですねw

ユサタク:ファンクラブの宿命の敵になるかもな。

ソーイチ:ええ〜……。その発想はなかったわ……


予想外の方向からのツッコミに、ニヤリ笑いから引き攣る笑みに変わったのだった。



反応集回は今回でおしまい。次回から話は進みます!

次回は11月28日(金)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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