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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日② 目指せ【開拓者】

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174.俺の武勇伝:①群れとの遭遇とベビースライムリーダー

「おかえりソーイチ、予想外のジョブに就けたか」

「はぁ〜。ワールドアナウンス流れてない時点でわかるやろ。性格悪いで」


「すまんすまん、でも次のヒントも無しなのか?」

「ナシナシ。な〜んも無しや」

「ドンマイ!新ジョブなんてポンポン出る方がおかしいですし気にしない方がいいですよ!というかジョブ談義は置いといて、早く武勇伝聞かせてくださいよ〜」


このままずっと続きそうだった話をモチョがバッサリと断ち切る。


「確かにこれ以上話しても無意味だな。だが……野次馬っぽいのが増えてるな」

「ここって町に一番近いですし、人も来ますよね。じゃあ会話はクランコールで話すとして、場所も目隠しのある第2農地に移動しましょうか」


「話漏れへんって言ってもジロジロの中はダルいしな。俺も移動に賛成や」

「よし、じゃあ皆。今すぐ第二に行くぞ」


周囲に漏れにくいよう小声で講演場所を決めた俺たちは第二農地に転移した。

「うお!いつの間にか目隠し集団が倍に増えとる」

朝ログインしたのが第一の方だったので、今初めて【心眼(序)】の被験者数が増えている事に気付く。


「材料さえあれば椅子もキャスターも作り放題だからな」

「6人体制に移行したおかげで今やってる人達が終わればメンバー全員ゲットになるっす」


「いよいよグラサン集団の誕生って訳やな」

「ですね。というか実験中の皆もお待ち兼ねなんです早く早く〜」

「サブスク見ないで待ってるから早くってコールが全員から来てるしな」

「マジで!?じゃあさっさと話すか」


サブスクの無い実験の退屈さは俺が一番知っている。彼らを待たせる訳にはいかないと、急いでクランコールを開くのだった。

ユサタク:一応奥地だし大丈夫だとは思うが、ここからはクランコール進行でいくぞ

ソーイチ:了解。

フワフワ:一体どんな冒険譚が聴けるのか、今から楽しみです〜

セキライ:ワクワクが止まらないっす。

ソーイチ:そう?じゃあ話してくか。

ベイクドモチョチョ:わぁ〜!パチパチ!


ソーイチ:まずレイヤースライムについて話す前段階の話いこか。

ソーイチ:泉から町へ続く道あるやん?そこを魔物蹴散らしながら歩いてたら、道から大きく外れる所に黒い影があってな、近づいてくとなんと50匹以上のベビースライムの群れがおったんや!

ユサタク:50!?

ゼロ:魔物の群れについては幾つか話は聞きますが50オーバーが初耳ですね。


メンバー達の反応であれがイレギュラーだという事を確信する。


ソーイチ:やっぱり異常事態やったんか……。

ソーイチ:まあ群れを発見した俺はノンアクティブなのを利用して戦う前に敵対条件について色々と実験したんよ。

フワフワ:そこですぐにバトルに入らないところはソーイチさんらしいですね〜。

ユサタク:だな。それで勿論データは残してるんだよな

ソーイチ:当然!ただ話の本筋と逸れるし、そのメモは後でみんなに共有するわ。

ユサタク:ああ、楽しみにしてるよ。


ここで実験の話を区切り、逸れかけた話を元に戻す。


ソーイチ:え〜と、どこまで話したかな。

ベイクドモチョチョ:実験したよって所までですよ。

ソーイチ:あ、そうそう。

ソーイチ:実験を終わって、準備も万全。さぁ50匹の群れ相手にバトル!ってなった訳よ。

ソーイチ:そこで登場するのがクラン倉庫に何故か大量にあったソルトボール!これを投げては逃げて、逃げては投げるを繰り返したわけや。


ユサタク:確かにベビースライムの移動速度を考えたら、ほとんどダメージを受けずに狩り尽くせそうだな。

アマネ:海の近くの転移ポイント発見されて以来塩の値崩れ起きてますし、念の為買い増しておきますか?

ゼロ:3日の9時から満腹度は実装されますし損はしなさそうですね。

ベイクドモチョチョ:だから皆さん脱線しすぎ!そういうのは話の後でにしましょう!


塩やソルトボールはモチョのジョブの領域の話なのだが、彼女は武勇伝の方に興味津々らしく強めにストップをかけた。


ソーイチ:止めてくれてありがとう。話続けるで。

ソーイチ:そんでベビースライム相手に無双してたんやが、残り1桁になった頃かな。余裕出た事で気付いたんや。「あれ?ドロップ少なくね?」

ユサタク:ソルトボールで倒した場合、確定ドロップあったよな?

ゼロ:スライムの被膜ですね。主に錬金術師が使うそうです。


ソーイチ:その被膜が少なすぎて変やな〜って思ったら、原因は意外なやつやった。

ベイクドモチョチョ:ドキドキ。一体なんなんですか?


ソーイチ:なんと群れ全体が俺に襲いかかる中、1匹だけドロップをひたすら食いまくる個体がおったんや!

ユサタク:魔物がドロップを食べる!?本当か!?

ソーイチ:マジや。で、じっくり観察する為にそいつ以外のベビースライム倒したんやが、それでも食べるのを止めへん。

セキライ:仲間が全滅しても食べ続けるって食い意地張りすぎっすね!


ソーイチ:せやな。で、もしかしたら別のスライムか?って思って心眼オフにしたんやけど、色味も大きく変わってなかった。

ソーイチ:で、種族名を確認する最後の手段として【インタビュー】放ったら……

ユサタク:あっ、なるほど。そこでか……

ミコト:それならソーイチさんのソロで納得ですね。

ベイクドモチョチョ:もう!話を先読みするのはマナー違反ですよ!


(くくっ。いや〜誘導通りの反応、サイコーやな!)

狙い通りとはいえ、レイヤースライムの正体を誤解しているメンバー達の反応に内心笑いが止まらない。


ソーイチ:なんと!!【ベビースライムリーダー】って図鑑にも載ってない魔物やったんや!

ユサタク:えっ、コイツがレイヤースライムじゃなかったのか!

フワフワ:というかレイヤースライム以外の特殊個体見つけたとか聞いてませんよ〜

ベイクドモチョチョ:ええええええ!?

ソーイチ:はっはっは。引っかかったな!


俺のミスリードの引っかかった者達の驚く声に、俺は1人高笑いするのであった。



次回は11月27日(木)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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