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ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日② 目指せ【開拓者】

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192/216

173.凱旋とジョブチェンジ

ー記者のレベルが8に上がりました。派生元(司書)のレベルと並んだ為、以降は派生元のレベルが上昇するまで経験値はカットされますー


ースキル【魔力付与】のレベルが3に上がりましたー


《ソーイチ様が特殊個体【レイヤースライム】を討伐いたしました》


「うげぇ!?記者の経験値カットされてるうううう!こっちのジョブは大丈夫やと思ってたのに!」


レベルやスキルの上昇やワールドアナウンス等、おめでたいアナウンスが立て続けに流れたのだが、貧乏性な俺は喜ぶより先に経験値が溢れてしまった事を嘆いてしまう。


「ってあかんあかん。せっかく大激戦の上での勝利っていう楽しい場にネガティブは御法度や!『想像以上に経験値を稼げたって良かった!』って方向に意識変えんと」

だが快挙を成したのは間違いない。俺は頬をパンッと強く叩き、意識をポジティブ方向に無理矢理切り替える。


「いや〜。それにしても物理攻撃ほぼ無効といい、回転攻撃といい、レイヤースライムはヤバいボスやったな。経験値も5,000オーバーとか意味不明やし。そんだけ貰えば経験値も溢れるし、ワールドアナウンスも流れる訳やわ」


ドロップアイテムを仕舞い込んだ後、ステータスを確認するとベビースライム40匹分くらいの経験値を獲得していた。


「俺のソロ討伐が意外すぎたんかコールの通知が止まらん……。質問攻め受けるかもしれへんけど、ポーション無くなったし一旦ホーム戻るか」


戻った後のメンバーからの質問攻めを想像しげんなりしながらも、物資も尽きたのでホームへと帰還した。

「おかえりソーイチ、お前本当にすごいな!」

「ソロで特殊個体撃破とか激ヤバっす」

「ねぇねぇ、レイヤースライムってどんな魔物だったんですか?教えてくださいよ〜」

ホームに戻った俺を待っていたのは、予想通りクランの仲間達からの質問攻めであった。


「ちょ、ちょっとストップ!今戦ったばっかりやしちょっとだけ落ち着かせて。というかレベルアップ絡んだからST消費したいし」

「あ、ごめんなさい。ソロ討伐とか疲れてるに決まってますよね……。いきなり詰め寄ってごめんなさい」


「俺もソーイチがバトル面でも頭角を現したか!?っと、つい理性が飛んでしまったよ。すまなかった」

「いや、逆の立場やったら俺も同じ質問攻めしたと思うし気にせんといて」


仲間達の謝罪を聞き流しながら、俺はSTを消費する為に畑仕事に勤しむ。


「ところで、今回の冒険で【見習い付与魔術師】が上限に達したんやけど、説明の前に転職行ってええか?」

「そりゃ新ジョブの可能性があるからそっち優先でいいというか、畑仕事より先に手をつけろと言うべきか……」


「あっ、確かにそうやん!今すぐ教会行ってくるわ」

「ああ。ソーイチが帰って来るまでに、こっちも冷静になれるよう努力するよ」

「あはは、とりあえずグイグイとした圧を感じへんくらいには落ち着いてくれ」


ユサタクの指摘に納得した俺は畑仕事を切り上げ教会に向かう事にした。

ーサブジョブを付与魔術師に変更いたしましたー

ーサブジョブを見習い木こりに変更いたしましたー

ーサブジョブを見習い文武両道に変更いたしましたー


今回解放されたジョブに1度ずつ転職し終えた俺は、ゆっくりと目を開く。というか【心眼(序)】を発動してたとしても、教会での転職の時だけは目を閉じる事が出来るようだ。


「お疲れ様です。新しい道は開けましたか?」

「ええ、お陰様で……」


今回転職したジョブは、上位にランクアップした【付与魔術師】、【開拓者】のジョブ解放の為選択した【見習い木こり】。そして戦闘・生産系の両方の見習い卒業で解放された【見習い文武両道】の3つである。

1度に3つのジョブ解放。本来なら喜ばしい筈なのだ、少しだけため息をついてしまう


(新ジョブなしかぁ。しかもメインが農家でも戦闘でもないから【見習い屯田兵】は解放されへんかったし……)


転職条件からわかっていたのだが、半分以上のプレイヤーが転職できるジョブに就けなかった事実に、改めて【司書】系の不遇さを思い知る。


「あの、ソーイチさん大丈夫ですか?新しいジョブを手に入れた割には顔色が優れませんが」

「ああ。嬉しい気持ちも勿論あるんやけど、プレイヤー内で未発見のジョブは解放されへんかったなぁって」


「ふふふ。渡り人の皆様頑張ってますし、そう簡単に新しい職なんて見つからないものです。というか幾つか発見してるソーイチさんはスゴいのですよ」

「確かにそうやな。ここに来て10日ほどやし、ある程度ジョブの開拓も進んでるか」


「この世界の住民からすれば、その速度もありえないですけどね」

「ははは、確かにそうかもな」


クリスの言う通り、今回は俺が贅沢すぎたようだ。俺は得られなかった未知よりも、今手にある新たな力を大事にしようと意識を切り替える。


「うん。クリスのおかげで悩みも吹き飛んだわ。さすがシスター様や」

「茶化さないでください。私が言わなくてもソーイチさんなら、すぐに立ち直れましたよ」

「そんなもんかな。まあ今回ゲットした3つのジョブを高めていくわ」

「ええ。頑張ってください」


新ジョブ獲得とまではいかなかったが、新たな力を手に入れた事で更に強くなった。その事実を噛み締めながら俺は胸を張ってホームへと転移したのだった。

次回は11月26日(水)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
記者上限に達したので司書に変えないといけないのでは?
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