表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミックスジョブオンライン〜ラノベ作家はネタ集めの為賞金付きVRMMOに不遇職で挑む  作者: モトマル
4月2日② 目指せ【開拓者】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

190/216

172.激闘!レイヤースライム

「さてボス戦やな。まずはコレでも喰らえ!!」

明らかに今まで出会ったスライム達とは格が違う個体に対し、挨拶がわりにソルトボールを投げつける。


ポヨン

「うわっ跳ね返った!こいつソルトボール効かんのか!?」

だが、相手に命中するもあっさり弾かれてしまう。


「……こいつスライムやし打撃耐性はあるよな。……コレは詰んだのじゃね?」


魔法攻撃のない俺はたった一手で相手への有効打がないと悟る。それでも諦めずに殴る蹴る、小石をぶつけるなど色々と試してみたのだが、それでもダメージは入っていないようだ。


「万策尽きたああああ!これマジでどないしたらエエんや!本体の動きはめっちゃ遅いから、逃げれはするけど……」


ビュッ ビュッ

「やっ!ふっ!、この酸の水鉄砲相手に背中見せたくないなぁ」

本体は動かないが、時折強い酸を飛ばし、俺が離脱するのを阻止しているのだ。


「こうなったらダメ元で【インタビュー】撃って弱点探るしかないか。」

俺は勝ち筋を探る為に酸攻撃を掻い潜り、【インタビュー】を放つ。


ビュッ!ビュッ!

「うおっ、危な!?こっちの事情にお構い無しやな!?」


その行動が嫌だったのか、酸攻撃のペースが少し速くなる。俺はそれらを必死に避けながら俺はインタビューの紙を拾い、内容を流し見する。


=====================================

レイヤースライム

取り込んだ被膜が幾重もの層になって体表を覆っており、それらが衝撃を吸収する役割を持っている。

物理的な攻撃に対しては強い耐性がある一方、魔力の込められた攻撃に対してはとても弱く、コアに魔力が届く前に被膜を切り離し対処する習性がある。

=====================================


「レイヤースライム。それが俺を殺すかもしれへん魔物の名前か……。ってボケてる場合じゃない。魔力の攻撃って【見習い付与魔術師】に攻撃魔術なんてないっちゅうねん!」


相手の名前と特徴から、相手は物理系ジョブの天敵のような魔物である事、そしてバフ状態で殴っても魔力の攻撃にはならないという事がわかる。


「なにか良い手はないか……。って、そうやアレがあるやん!」


俺は袋から小石を取り出すと、それに向かいあるスキルを放つ。


「【魔力付与】。おし!ちゃんと魔力纏ってんな!」


そう電池の充電でお馴染みの【魔力付与】である。このスキル、実は無属性の魔力を武器に纏わせる事も出来るのだ。


「講習で説明受けてたのに完全に忘れてた!でも、これなら!」


1MP分の魔力を注ぎ込んだ小石をレイヤースライムに投げつける。するとパンッ!という音が鳴り、表面の被膜が1枚弾け飛んだ。


「おっしゃ!大成功!コイツって魔術か魔力込めた武器で殴りまくって、1枚ずつ被膜を剥ぎ取って丸裸にするってギミックか。俺の天敵かと思ってたら相性ピッタリの相手やんけ!」


使う魔力を1MPから調整できる【魔力付与】を身に付けた俺にとって、他の魔法系ジョブに比べて省エネでギミックを攻略できる。


「そうと決まればチクチクチクチク、1ポイントだけ込めた石投げる。これは勝ちましたわ!」


動きも鈍く攻撃も酸を吐き出すだけ。そんな相手は間合いをしっかり保ち、安全圏から石を投げるだけで敵の装甲は剥がれてくる。俺は袋に入った小石を節分の豆まきのように投げ続ける。

攻略法を発見してから何個、石を投げてきた事だろうか?幾重にも重なっていた層が剥がれ、体も二回りくらい小さくなってきた。


「ちょっと飽きてきたなぁ。このまま終幕なんかね……ってなんや!?」


ワンパターン化した戦闘に飽きを感じ始めた頃、レイヤースライムはいきなり大きく弾むかと思いきや、大岩のようにゴロゴロとこちらに向かって来た。


「危なっ!これって第二形態ってやつ!?って小石弾かれるんやけど!?」


突如攻撃パターンが遠距離から近距離に大幅に変化した事で、回避するのが難しい。その上、転がる中で草や土を体表に付着し鎧の様に纏う事で、小石での攻撃も通用しなくなった。


「うわっ、せっかく攻略法見つけたと思ったのに振り出しかい!って、あ、無理!」

より避け辛くなった攻撃に混乱しながらも、なんとか打開策を考える。だが、そのせいで回避は疎かになり、気が付くと突進攻撃が目の前に迫る。

俺は咄嗟に腕につけた小盾を前に出し、少しでもダメージを抑えようと踏ん張る。


ドシーン!!


「ヴゲェ!?凄い衝撃!はよ立たな追撃が……って、うん?」

突撃に吹き飛ばされた俺は、痛む体を無視しレイヤースライムからの追撃に備える。が、今の激突でレイヤースライムの回転が止まり、土草の鎧も剥がれていた。


「い、今や!今しかない!!」

俺はポーションを流し込みながらダッシュで近づき、魔力を決めた拳を相手に叩き込む。小石と違いレイヤースライムに押し付ける形になった事で被膜が立て続けに弾け飛ぶ。


「そうか!少しの魔力でええなら押し付け続けたらよかったんか!そうとなればもうゴロゴロ攻撃はさせへん!お互い我慢比べや!」


俺は魔力付与を両腕に纏わせ、もうどこにも行かせないと全力でレイヤースライムを抱きしめる。次々に弾け飛ぶ被膜と俺から離れようと酸攻撃や触手攻撃まで駆使し暴れ回るレイヤースライム。


「痛だだだ!!でも、そんなん知るかあああ!!!」


体は焦げ付き全身アザだらけになっていく。それでも必死に耐え続ける。やがてレイヤースライムの悲鳴が一段と高くなるのを聞き、ここが正念場だと最後の力を込めてギュッと抱きしめる。


ビギュアアアア!?!ギヤアアアア!!!!


「ゴホッゲホッ。ふぅ、ポーション1本分。俺だけアイテム有りやったとはいえ、この勝負は紙一重で俺の勝ちや」


結果、パンっ!!という音を最後に、俺はこの戦闘に勝利したのだった。

初めての大戦闘終了!!次は掲示板回です。

次回は11月24日(月)午前6時に更新予定です。


ブックマークや評価・誤字報告していただきありがとうございます!!

今後とも本作をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ