7-11
あ……あれあれあれれ~?????
その〝液体〟を前に、私は声すら上げられなかった。
ちょっ……!!? な、何ですか、〝アレ〟は!!? あれ??? 確か、私が最後に見た時はちゃんと、トウ本来の〝ピンク色〟だったのに、なぜあんな〝真っ赤〟な色に??? トウのコンポートって、時間を置くとあんなにも〝赤く〟変化するものなのでしょうか?????
いやいやいや! そんなバカな!! 思った私は、すぐに神王様たちに飲むのをやめ――
「「ごくごくごく…………」」
「……あ゛…………」
――時すでに遅し。〝謎の液体〟は、二人の体内に取り込まれてしまった……。
そして、
「……ん? 何だこれは? トマトジュース……じゃねぇな???」
「……ああ。つーか、何か、やけに甘みと渋みがあるような……何だこれ???」
「む? トマト……ではないのか? おい、エルよ? あれはいったい何のジュースなのじゃ?」
「…………」
だらだらだら……瞬間、だった。私の全身からは、冷たい汗が噴き出していた。
…………さぁ、どうしよう? まさか、分かりません……などとは言えるわけもないし、しかしだからといって正直に答えるわけにも…………
「……? 何じゃ? どうしたのじゃ?」
「……い、いえ、あの……そのぅ……」
「――トウのコンポートだよ?」
その時だった。いつまでも答えない私を不思議に思ったのか、代わりにリムルさんが答えた。
すると、当然……
「は? トウだと? 俺たちの世界でよく採れる、あのピンク色のか?」
「うん。そう。あのピンク色で、お尻みたいな果物」
「……で…で? そのピンク色のやつが、何でまたこんな〝真っ赤〟な色のジュースになるんだよ? そのコン……ナンタラっていうのは、最初からそういうもんなのか?」
「……え? ううん最初は全然違ったよ? 最初はトウの色と同じだったけど、そこに――」
――ガシャーン!!!
「……え?」
突然、だった。
コップの割れる音――私は瞬間音がした方向を振り向くと、そこには口から泡を吹く、魔王様の姿が……
――えっ!?




