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おまけ#6-1



 おまけ #6,シーダは〝おっぱい〟が……好き……???




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 ――神殿内の大浴場。

 私はいつものように、ルームメイトでもファナさんたちといっしょにお風呂に入りにきていると……突然、リムルさんが叫び声を上げた。

「痛い!!? 〝おしり〟焼ける!!!」

 〝おしり〟??? 見ると……ああ、なるほど、と私はすぐにそのことに気がついた。

 そこにあったリムルさんのかわいいおしりには、くっきり、と……霊王さまの〝手〟の跡が……そう。かな~りキツイ、霊王さまの〝お仕置き〟の跡が残っていたのだ。

 恐らく〝百回の刑〟だろう……などと、何気に〝三十回〟までは受けたことがある私は、何も言えずに苦笑いしていたけれど……その〝恐怖〟と〝痛み〟をまだ経験したことのないシーダさんはそれを指差し、あはは! と大声で笑った。

「リムちゃんのおしり真っ赤っか! お猿さんみたい!」

「う……うるさい! まだ独りでお風呂も入れない〝赤ちゃん〟のくせに! シーダになんかこの〝痛み〟はわかんないよ!」

 うんうん、と思わず私は頷いてしまう……あれは体験したことのない者には決して分からない〝痛み〟であるのだ。しかも、やられている最中と、椅子に座る時。さらにはお風呂に入る時と寝る時……という、〝地獄のような痛み〟が一日中延々と……。

 ……だけど、やはりシーダさんはそんなことはどうでもいいらしい。逆に、〝赤ちゃん〟と呼ばれたことに怒っていた。

「入れるもん! ただ、お姉ちゃんが絶対に入らせてくれないだけだもん!」

 当たり前でしょ! とファナさんが大声で話した。

「シーダ、お風呂に入ると絶対走り回るじゃない! それで転んでケガでもしたら大変でしょ! ――ほら! そんなことより風邪ひいちゃうからお風呂に入りなさい? お姉ちゃんがお湯かけてあげるから!」

「……はーい」

 しぶしぶ、といった具合に返事をしたシーダさんは、それからファナさんに身体にお湯をかけてもらってから湯に入ってきた。それから、いつもどおり先に入っていた私の膝の上に乗る。

 その様子を見て、ファナさんが申しわけなさそうに湯に入ってきて話した。

「……エルさん、いつもシーダがごめんなさい。……邪魔でしょ?」

「いえいえ、そんなことはないですよ? それに……ここのお風呂は少しだけ深くなっていますからね。こうしないと、座った時にシーダさんの顔が水面に出なくて溺れちゃいますし」

「そう言ってもらえると……ほら! シーダもお礼言う!」

「うん! ありがとエルさん!」

「ふふ、どういたしまして」――そう答えたのとほぼ同時だった。ようやく湯に入ることができたらしい。痛みに耐えつつもリムルさんが合流した。

「くぅぅぅ……あ、あの……そんなことよりみんな? 改めて今回のことは、その……ごめんなさい! ちゃんと相談するべきでした! 今度は気をつけます!!」

「ふふ、反省してくれたのならそれでいいんですよ?」

「もうばっちり霊王さまに叱ってもらったしね!」

「……う、うん……もう〝二度としない〟って思えるくらい、ばっちりね……〝百回〟も叩かなくても、十分にそう思えたのに……」

 あ、やっぱり〝百回〟だったんだ。かわいそうに……。

 そ、そんなことよりさ! とリムルさんは、思い出しそうになった〝一生の思い出〟から逃れるように、話題をシーダさんのことへと切り替えた。

「シーダって、今十歳なんだよね? もうそろそろ男湯の方に行かせるようにした方がいいんじゃないの?」

「え? 何で? ボクみんなといっしょの方が楽しいよ?」

 いや、そういうことじゃなくて……リムルさんが困り果ててるところに、ファナさんが助けに入った。

「うん、まぁ……私もそろそろ、とは思ってるんだけどね? でもほら、まだ〝そういうの〟には全然興味ないみたいだし……もう少しくらい、いいかな? って……?」

「〝そういうの〟って、何? お姉ちゃん?」

 ……説明し辛いことばかり聞いてくる弟だな~……と思ったらしい。二人は何とも言えない顔をしていた。

 しかし、「じゃあ!」と思い切って、リムルさんが聞いた。

「ねぇ? シーダは女の人の〝おっぱい〟好き?」

「ちょっ!? リムちゃん!!」

 いいからいいから! そういたずらっぽく笑ってリムルさんは続けた。

「正直に答えていいんだよ? べつにそんなのどうでもいいと思ってるのならそれでも――」


「うん! ボク〝おっぱい大好き〟だよ!」


 ピシィッッ!! ――刹那、だった。

 また、空気が……〝死んだ〟。

 え……??? ぎぎぎ、と動き辛くなった首を傾げながら、リムルさんは聞いた。

「だ……〝大好き〟……??? シーダ……〝おっぱい〟……〝大好き〟なの……???」

「うん? そうだけど……それがどうかした?」

 ……。

 ……。

 ……。

「……ど、どんなところが?」

 今度は、ファナさんが恐る恐る聞いた。

 すると、シーダさんはなぜか私の方を振り向き、私の〝おっぱい〟に顔をすり寄せ……

 ……え?





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