6-22
……。
……。
……。
…………う、そ……
――シーダが……〝死んだ〟……?
「うそだああっっ!!!!!」
ファナは叫んだ。
「うそだ! うそだ! うそだっ!! ――エルさん!! 霊王さま!! お願いします!! 魔法を!! もっと魔法をっ!!!!!」
「――残念じゃが」
霊王さまは、その声を遮るように話した。
「傷の手当ては……もうすでに〝完了〟しておるのじゃ……ただ、心臓も動かん。呼吸も回復せん……ということはつまり、もうすでに、〝魂〟が失われたということになるのじゃ」
「たま……しぃ……???」
こくん、と静かに、霊王さまは頷いた。
「……そうじゃ。〝魂〟が失われてしまえば、いかに妾たち〝王〟と言えど、もはやどうすることもできん……この世の〝摂理〟というものなのじゃ。……悲しいことじゃが、この、幼きシーダの〝魂〟が〝世界〟に還ることを、皆で祈ること……それが妾たち〝人〟にできる、最後の施しじゃ……」
「そん……な……!!」
シーダ! 目を覚まして、シーダ!!
――ファナの悲痛の叫び声が、あたしの衰弱した身体を貫いた。
ぐらぁ、と倒れそうになる寸前、あたしはそれを神王に支えられ、床に膝をついた。
……あたしのせいだ。あたしが、あんなやつの言葉を信じたばっかりに、シーダが……!!
「う……うっ……っく……うぇ…………」
ごめんね……しーだ……あたし、あたしが……!!
――ぐうううぅぅぅぅ……
――シーダの〝死〟を嘆き、あたしが涙した……刹那のことだった。
唐突に、何の前触れもなく鳴り響いたのは……〝お腹が鳴る音〟???
――まさかっっ!!?
全員の視線が瞬間、弟に集まった――その時だった。
〝奇跡〟は、起きた。
「……おね……ちゃん……ぼ…く……おなか、すい、た……」
「「「「「「「――!!?」」」」」」」
――シーダが……〝目を覚ました〟!!?




