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神様にお任せ!!  作者: 砂之寒天


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シュナの冬支度

12月の初めに出そうと思ったんですけど、気づいたらクリスマスギリギリになっていました。

 冬麗、だんだん寒さが厳しくなってくる今日この頃。師走になって今年もあと1ヶ月を切りましたが、シュナ達はいかがお過ごしでしょうね。


 却説、シュナがルツェルンと天界に住み出したのは今年の話である。つまりまだ、クリスマスを体験していない。

 ということは、クリスマスツリーがないのである。


 シュナは、ピンクも紫も水色も好きである。色んな色のクリスマスツリーが欲しい。


 シュナは思った。


(最近神力使ってないな…)


 といいながらつい先日、病院に行って不治の病を治したりしている。シュナ教の活動は継続中である。


 あとこの時期はインフルエンザも流行ってくる。教会で病気になりにくくなる健康祈願のお守りを売ったりした。シュナが神力でおまじないをかけたのだ。


 ということで、天界シュナ宅のクリスマスツリーは、魔法で色が変化していくツリーにする事にした。


 クリスマスツリーは天界のお店に買いに行った。それから、ベツレヘムの星と、白い雪に見立てた綿。


「シュナ、サンリアのキャラのぬいぐるみ持ってきたよ」


 アルマロスが私の沢山買ったぬいぐるみを持ってきてくれる。ぬいぐるみを抱えたアルマロスは少し可愛かった。

 サンリアキャラクターズはカラフルである。まーめろはピンク、むぽむぽぷりんは黄色、しなしなロールは水色、クロメは紫。カラフルなキャラクター達のぬいぐるみをクリスマスツリーに飾り付けて、ぬいぐるみツリーを作ろうと思うのだ。


 因みにシュナはまーめろとシナシナロールが好きだ。まーめろはメアリーに似てるし、シナシナロールはシュナと色味が似てて可愛いのだ。

 アポロンは金髪だからむぽむぽぷりんかな。想像すると、カッコイイアポロンと丸いフォルムのむぽむぽぷりんのギャップが可愛い。


(あーいいな…今度大きめのぬいぐるみ送ろう。)


 シュナは内心そう決めた。


「飾り付けよう!」

「うん」


 まずは綿をくるくると付けていく。そして、アルマロスと一緒にぬいぐるみをツリーに引っ掛けていった。

 最後にベツレヘムの星を天辺につけて、飾り付けは終わり。

 そして、ツリーと綿と星の色が時間経過で変わるように神力をかける。


シャララーン


 カラフルな星屑が舞って、クリスマスツリーを包む。すると、星屑が消えた後、ピンク、紫、水色、緑…など全体の色がゆっくりと変わっていく。完璧だ。


「かわいいね」

「ね!かわいい!」


 思わず拍手をすると、アルマロスもつられて上品に拍手をしてくれる。


「あー!クリスマスツリー出したんだ!」


 別の部屋から来た別のシュナがクリスマスツリーを見て声を上げる。ちなみに私とは違う服を着ている。


「うん!家中飾り付けたいなと思ってるんだけど、手伝ってくれる?」

「もちろーん!他の私も呼ぼう!」


 ちなみに飾り付けも魔法で色が変わるようにした。どの色も可愛くて選べないのだ。


 モールを神力で壁にくっつけ、オーナメントもバランスよく壁にくっつける。


 所で1つドジをした。皆がみんな色を変える魔法をかけたせいで、壁によって色が別々になってしまったのだ。要は、同じ部屋を2人で飾り付けたりしたところが統一感がなくなってしまった。部屋が2色に彩られる。


「シュナ、部屋がすごいカラフルになってる」


 アルマロスに言われて気づき、なんとも言えぬ思いになった。子供部屋みたいになってしまった。


「神力かけ直さなきゃ」


 まぁ神力をかけ直して一件落着である。大した問題もなくクリスマスの飾り付けは終わった。


「お疲れ様ー私!アルマロス!」

「お疲れ様」

「「「お疲れ様ー!!」」」


 あとリビングに炬燵を出した。薄ピンクでリボンが沢山ついている。天板は大理石風だ。3つ並べて、分身10人とアルマロスが入れるようにした。


 テレビを見て駄べりながら、とあるシュナは月見だいふくのアイスを食べ、とあるシュナは蜜柑を食べた。あるシュナはスマホを弄っていたし、あるシュナはツリーの前でTokTikを撮っていた。アルマロスはこくりこくりと船を漕いで寝るので今度風邪をひくだろう。


「ねぇ、月見だいふく一つ頂戴!」

「あげないの分かってるでしょ!シュナちゃん!」

「月見だいふくひとつはでかいよ〜2つしかないもん」

「冷凍庫にまだ沢山あるよ!ブラックフライデーに買い貯めたから」

「アルマロス、こんなところで寝たら風邪ひくよ」

「ん、んん…」


 シュナが10人もいると賑やかなものだ。基本協調性があるので仲が良く、喧嘩が起きても小学生みたいな下らないものばかりである。


「神じゃなかった時はこの時期は大掃除とかしたなー」


 シュナの家は掃除をしなくても綺麗なまま保たれるように神力がかけてある。ので大掃除とかしなくても大丈夫だ。


「あ、知ってる?天界でDioraのポップアップストアやってるって」

「「「あ!知ってる!!」」」

「天使達も誘ってさ、行こうよ!」

「いいよ行こ〜!!」


 そんな話もしながら、ダラダラと過ごしたのであった。


〜〜〜


 ルツェルン、シュナ宅。天界と同じくクリスマスツリーを出す。


 シュナの家は、玄関ホールがめっちゃ広い。2階の高さまで吹き抜けなのだ。

 そこに、2階までの高さがあるツリーを飾る。お店で買った後、神力で転移させた。


 こちらのクリスマスツリーはノーマルタイプである。天界はシュナの趣味全開だが、こちらは悪魔達がいるのでノーマルタイプにした。


「よーし!飾り付けるぞ〜!」

「「「おー!!」」」


 なんせ大きいツリーなので、下の方はメアリーとシュナとオリエンスが、真ん中はパイモンとアリトン、上の方はアスモデウスとアメイモンが飾り付けることにした。

 悪魔達は羽根を出して、パタパタ飛びながら飾り付けを行った。


 シュナはあるものを見て、オーナメントを飾り付けた手を伸ばしたまま、上を向いて固まってしまった。その後、両手を口元にもっていって、顔を赤くして、はわわという顔をした。


(待って!!パイモンパンツ見えてる!!やばい!!!)


 態とだろうか、態とではないだろうか。気付いているのだろうか、パイモンは。その真意はシュレディンガーの猫のように分からない。

 シュナはかわいい女の子もえっちなお姉さんもすきなので、その事実に大変喜んだ。自分も女の子だからセーフだと思っている。


「シュナお嬢様?どうしたのです?」

「あ、ううん!なんでもないよ」


 メアリーに首を傾げられたので、なんでもないという風に誤魔化す。


(でも下が女の子勢でよかったな、男子悪魔勢だったら大変だし可哀想だった)


 いいもの見たなーと思いながらシュナは静かに飾り付けに戻った。


「あっ」


 アリトンが手を滑らせて、オーナメントがオリエンスの頭にぶつかる。


「いてっ、なんだよ!」

「すみません、オリエンス」

「あぁ、アリトンかよ。いいぜ」


 それを見たアスモデウスとアメイモンは顔を合わせ、オリエンスの上の方に飛んで行った。そして何でもない風に、オーナメントを落とした。オリエンスの左右にカッカッとオーナメントが落ちる。


「あっ危な!!なんだお前ら!」

「あぁ、すみませんオリエンス?」

「悪いな」


 アスモデウスとアメイモンが悪い顔をして謝る。


「絶対態とじゃねぇか!」

「ちょっと!(わたくし)にも当たるじゃありませんの!」

「あ、すみませんパイモン、貴方には悪いと思いました」

「同じく」

「おい、俺は!?」


 オリエンスが不満そうに、自分を指さす。

 そのまま、両手に持っていたオーナメントを2人に向かって投げ出した。


「うわっ」

「おっ」


 2人は容易く躱し、カン、カン、と2つのオーナメントが遠くで床に落ちる。バチバチと3人の間で火花が散る。


「ちょっとーオーナメント傷ついちゃうよ!」

「ちょっと男子〜なのです」


 シュナとメアリーに咎められて、3人はしゅんと反省した。


「すいません」

「すみません…」

「悪い」


 男子はすぐふざけ出すのだから、仕方ない。しかしそこが面白いところでもあるのだが。ノリが男子高校生なのだ。


 シュナは少し空を飛びながら全体を見る。


「あ、右の真ん中らへん隙間空いてる」

「ほんとですわ」


 パイモンが言いながら飾り付け直してくれる。


 なんやかんやあったが、無事飾り付けを終えた。


「完成〜!!!」

「「「わー!!」」」


 皆で拍手する。盛大なクリスマスツリーになった。


「あとは、リビングの飾り付けね!」

「あとちょっとですわ〜」

「頑張ろうな!」

「頑張りましょう」


 リビングの飾り付けもさっさと終えた。皆早くおやつが食べたかったのだ。ちなみにアスモデウスとメアリーが途中で抜けておやつを作った。


「今日はクレープです」

「クレープ可愛く飾り付け出来たのです〜!」


 アスモデウスは元々センスがいいし、メアリーもメイドカフェ店員なのでセンスがいい。

 都会のカフェみたいなクレープが7つ完成した。ちなみにお皿に乗っているタイプである。


 アスモデウスは机の上のクレープをオシャレに画角に収めて撮り、本日のおやつとして印刷した後ご飯用のアルバムに貼った。


「クリスマス当日が楽しみですね」

「ね!わくわくだね」


 楽しみな気持ちでおやつをむちゃむちゃ食べて、楽しく過ごしたのであった。

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