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【書籍化】ネット通販から始まる、現代の魔術師  作者: 呑兵衛和尚
第四部・魔人王降臨編

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第二百五十一話・危機一髪は、焦眉の急?(札駅迷宮攻防戦・始まり)

『ネット通販で始める、現代の魔術師』の更新は、毎週日曜日と火曜日、金曜日を目安に頑張っています。

──札幌駅地下ショッピングセンター

 札幌駅地下商店街の基盤が完成してから、現在まで実に50年以上。

 地上の駅舎は、木造造りだった時代から代を重ねて四代目。

 巨大なビル群を中心とした、札幌有数の商業施設に変貌している。

 さらに札幌駅と大通り公園をつなぐ『地下歩行空間』、大通り公園の地下に伸びる『ポールタウン』、そして大通りとススキノを繋ぐ『オーロラタウン』と、札幌市の中心部には巨大な地下商業施設が存在していた。


──札幌駅地上部南口・東コンコース入り口付近

 高さ十階建ての駅。

 通称『JRタワー』と呼ばれているこの商業施設は、妖魔特区の魔素によって巨大な迷宮に変化している。

 ここに『活性転移門』が逃げ込んだというので、俺たちはやってきたんだけどさ。

 


──BROOOOOOOM!

 激しい銃撃音。

 ガラス張りの部分は硬質化していて、そんじょそこらの攻撃ではびくともしない。

 そのために南口にある東コンコース入り口から突入しようとしたのだけれど。

 突然、入り口が開いて緑色の人型妖魔が躍り出てくる。

 その手には怪しげな赤い粘液の塗られたナイフ、外観的に説明するなら、こいつはゴブリン!!


「新山さんと先輩は深淵の書庫アーカイブの中へ!

俺は後衛からサポート!!!!」


──ブゥン

 足元に広がる魔法陣。

 そして左手に魔導書を取り出すと、詠唱簡略で支援魔法を発動!!


「八式・力の鎧フォースアーマー!!」


──シュゥゥゥゥ

 俺たち三人、忍冬師範、そして特戦自衛隊の四名の体に、透き通った鎧を付与する。

 一式なのだが、俺の魔力の強度から計算してもあのナイフ程度は軽く防ぐことができる。


「助かります!!」

「よし、一気に押し込む!!」


 特戦自衛隊の正式装備『HAWA7.62 96式自動小銃』が唸り声を上げるかのように弾をばら撒く。

 俺たちの目の前では、次々と肉塊へと姿を変え、蒸散していくゴブリンの姿が見えていた。

 

 襲撃から時間にして15分、目の前にはゴブリンたちの体から転がった変異魔人核が転がっている。


「浩介、これは魔人核なのか?」

「ちょいと失礼……天啓眼てんけいがん……と」


『ピッ……劣化魔石。正式名称は変異魔人核。時間の経過により、自然界に存在する魔石が魔人核に変異したもの。また、魔獣などが体内に宿しているものもこれらと同一であるが、それらは高純度魔石として区別される。魔族の魔人核とは異なり、魔獣などが体内に保有することが多い』


 あ〜。

 これが魔石かぁ。

 

「こいつは劣化魔石ですね。放置しておくと、周囲の魔素を取り込んで魔獣などが再生するそうで」

「乙葉くん、その魔石に魔力を流すことで、魔獣とかを再生しなくなるそうよ」


 深淵の書庫アーカイブの中から、瀬川先輩が補足を加えてくれる。

 そこまでは見てなかった。

 いや、多分詳細を確認しようとしたら、表示されるんだろう。


「魔力……こういうことか?」


 忍冬師範が劣化魔石を手に取り、闘気を流し込む。

 すると、黒く変色していた魔石がゆっくりと輝き、濁りの取れた赤く透き通った魔石に変化した。


「あ、それ、正解。闘気でもできるのか……どれ」


 俺も一つ掴み取って、魔力を流し込むと。


──ゴガッ

 透明化してから砕け散ったんだが。

 解せぬ。


「乙葉くん、魔力の注ぎすぎじゃないかな? こういう感じだと思う」


 新山さんと先輩も魔石を手に、魔力を注ぐ。

 すると、先輩のは綺麗な透明に、新山さんのは銀色に輝いた。


「無属性で透明に、神聖魔力で銀色か。師範は闘気だから赤で、そちらの特戦自衛隊のかたは変化なし……と」


 チラリと魔石を回収している特戦自衛隊の隊員を見ると、皆同じように魔力を注ごうと必死。

 でも魔力がないのか低いのか、変化の兆候は見られない。


「我々ではダメでしたか」

「う〜ん。まあ、今後に期待ということで」


 なんだかんだと爆散したゴブリンの持ち物、毒の塗られたナイフとかも無事に回収。

 引き続き内部調査へと突入することになったわ。


………

……


──札幌駅突入から二時間

 すでに夕方六時。

 JRタワーの内部は恐ろしいほどに変貌している。

 広いコンコースも奇妙な石のようなものによって細かく区切られ、まさに迷宮化と呼ぶにふさわしいくらいの怪しさを秘めている。


 その中をライトで照らしつつ、俺たちは真っ直ぐに進んでる。

 でも、歩いていた時間と方角を計算してみたら、すでに妖魔特区から出ているぐらいの時間は歩いているんだけどさ。


「……こんなに広いはずが無い。一体、どうなっているんだ?」

「浩介、原因が分かるか?」


 明らかにおかしい状況なのは理解で来ているので。

 早速、天啓眼てんけいがんで確認しようとしたんだけどさ。


『ピッ……認識阻害』

「……ダメだ。認識阻害が発動しているようで。俺じゃわからないです」

「空間拡張。それと固定化……その作用が、ここに影響しています」


 深淵の書庫アーカイブを展開した瀬川先輩が、すぐに俺たちに説明してくれているんだけどさ。


──シュゥゥゥゥ

 深淵の書庫アーカイブの文字配列が金色に輝いている。

 つまり、魔人王モードでの深淵の書庫アーカイブを使わないとわからなかったってことだよな?

 すぐに近くに待機している新山さんを見ると、俺に向かって右手でオッケーマークを示してくれた。


診断ディアグノーシスによる変化なし、ただ、魔力の高速欠乏による魔力酔いを起こしそうです」

「ポーション、あるよね?」

「はい。ですのでご安心ください」


 早速ルーンブレスレットから魔力回復ポーションを取り出して飲むと、新山さんは再度、オッケーマーク。

 魔人王モードでの影響について、新山さんにチェックを任せておいて正解だったよ。

 先輩の性格なら、絶対に無理すると思ったからさ。


「つまり、ここは札駅迷宮であり札幌駅ではないと」

「そうっす。そしてアラート、敵襲です」


──ゴウン、ゴウン

 奥から響く金属音。

 そしてゆっくりと姿を表したのは、黒色の全身鎧を着た騎士が三体。

 

天啓眼てんけいがん!! ってまだダメかよ、ここまで影響してくるって洒落にならないぞ」

「おそらくはダンジョンコアが発生しています。最悪の場合、活性転移門がそれを取り込む可能性もあります!!」


 まだ先輩の深淵の書庫アーカイブは金色。

 その説明も魔皇のデータベースからとなると、本当に洒落にならなくなる前にどうにかしないと。


「時間が惜しいから、一発でかいのいきます!!」


──シュンッ

 フィフス・エレメントとセフィロトの杖を装着。

 目の前には魔導書が浮かんでいる。


「四十八式・光銃……からの可変!!」


 右手に浮かび上がるはずの光銃が、ゆっくりと俺の目の前で形を変えて浮かび上がる。

 その形状は『30mmガトリング砲アヴェンジャー』。

 サイズこそコンパクトになったものの、浮かび上がる通路の幅限界まで埋め尽くしている。


 そして特戦自衛隊の隊員たちは急いでアヴェンジャーを乗り越えて後ろに移動。

 だが、俺がこれを構えた瞬間に黒騎士たちの動きが変化したのは見逃していないよ。

 盾を前に構え始め、そこに魔力が流れたのは理解できているから。


「喰らえ!!!! 神をも殺す破滅の一撃!!」


 俺の叫びと同時に、アヴェンジャーが火を吹く。

 毎分3900発の光弾を打ち出す兵器の威力を見よ!!

 ただし、威力ゼロの光の球だけどね。


──ブゥン

 アヴェンジャーの砲撃開始と同時に、黒騎士の盾が光り輝き、三体の前に壁を作り出す。

 そして光弾が命中すると同時に、全弾が俺に向かって弾き飛ばされた!!


「フベシッ!!」

 

 そのまま後ろに吹き飛ぶ俺だけど。

 光弾は威力ゼロなので、ダメージなんてないよ。

 絶対に、あの盾が怪しいと思ったんだよね。

 以前にも、百道烈士に向かって魔法攻撃をしたときに反射されただろう? あの時の違和感を盾に感じ取ったんだわ。


 そして俺が吹き飛んだのに勝機を見たのか、黒騎士たちが剣を構えて突入してくるんだけどさ。


「甘い。そこは、新山さんの領域テリトリーだ」

「癒しの女神よ。かのものの魂を癒し、身元へと迎えたまえ……聖域サンクチュアリ!」


──シャキィィィン

 黒騎士の足元に聖域が広がる。

 刹那、剣と盾を落としてその場に崩れるように倒れると、ゆっくりと霧状の光に散っていく。


「……はふん」


 そして魔力酔い。

 ですよね、そうなるって思ったよ。

 急いで魔力回復ポーションを取り出したけど、もう自分で飲んでいるし。

 準備が良いというかなんというか。


「新山くん、今のはまさか?」

「はい。いかなる魔族も浄化する神の御技……聖域といいます。まだ発動確率は三割弱ですし、これでは活性転移門は浄化できません」

「三割……か。よく成功したな。まあ、ここ一番の切り札にはなるが、安定感には欠けるというところか」


 忍冬師範が納得している。

 おっと、魔石は……ってそれも消滅、剣も盾も何もかも。

 一体どういう理屈で物質も浄化したのか聞きたいところだけどさ。

 

「はぁ。あまり無理しないでくれよ」

「ごめんなさい。乙葉くんが吹き飛んだ時に、咄嗟に発動しちゃった」


 そう笑う新山さんの手には、『水晶盾』のスクロールが握られている。

 これを発動して攻撃を受け止め、そこに忍冬師範たちの反撃が始まるって寸法だったけど、全くの予想外だったわ。


「それで、このごっつい魔導武器はどうするのかしら?」

「あ、半ば脅しなのですぐに消えますよ」


──シュンッ

 形状固定程度では、大して魔力は使わない。

 それを稼働した時点で、魔力が秒単位で削れていくけどね。


「さて、ここからどうするかってところだけどさ」


──ガゴン

 今後のことを考え始めた時。

 目の前に地下へと続く階段が現れる。

 これって、元はエスカレーターだったのかなぁ。

 まあ、入ってこいってことだろうから、罠ぐらいは覚悟で行くしか無いよね。

 

いつもお読み頂き、ありがとうございます。

誤字脱字は都度修正しますので。 その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。

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