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【書籍化】ネット通販から始まる、現代の魔術師  作者: 呑兵衛和尚
第三部・異界侵攻編、面倒ごとがやってきた‼︎

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第百五十二話・剛毅果断と雌雄を決す(切り札で勝負? 勝った?)

『ネット通販で始める、現代の魔術師』の更新は、毎週日曜日と火曜日、金曜日を目安に頑張っています。

 水晶柱ターミナルを包み込む壁。


 そこから飛び出したドラゴンの背中には、軽装騎士が登乗していた。

 彼らは狂信者である。

 彼らの信じる太陽神のために、この地を新たなる聖地とするために、やってきた。


『ここがリバースか。我らの新天地だ、邪魔者を排除しろ』

『『応‼︎』』


 上空高く舞い上がると、ドラゴンは一気に急降下。

 そして体を引き起こして上昇する前に、地上目掛けて炎のブレスを放出した‼︎


──ゴゥゥゥゥゥゥッ‼︎

 炎から逃げきれなかった自衛隊員が火だるまになり、地面を転がる。

 すぐさまガス消化器で炎が消されるが、すでに戦闘できる状態ではなくなっている。

 そして、その光景を見た自衛官たちの中には、恐怖心に打ち勝つことができずに遁走を始めるものも多い。


「……逃げるな、前に進め、奴らにこの地を蹂躙されてはならない‼︎」


 特戦自衛隊の部隊長が叫ぶ。

 自分たちがやらなくてはならないこと、それを理解している者たちは、前方から突撃してくる騎士たちと正面からぶつかった。


──ガジィィィッ

 だが、実力的には騎士たちが上。

 王城を守る騎士たちと、冒険者訓練学校を出たばかりのひよっこぐらいの差がある。

 シールド同士がぶつかり、弾かれ、隙が出たところにロングソードが叩き込まれる。

 だが、騎士たちがくると分かっていて、何も用意しないはずがない。


 特戦自衛隊の装備は、『防弾チョッキ三型甲改』。

 対刃性能を高めたタイプであり、騎士たちの剣戟によっても切断されることはない。

 一撃で斬り殺したと油断していた騎士たちは.まさかの事態に驚愕した。

 その隙をついて、ナイフコンバットに切り替えると、特戦自衛隊は鎧の隙間など目掛けてナイフを突き立て、相手の急所を巧みに狙っていった。


………

……


「前衛、特戦自衛隊は騎士たちとは互角の勝負です。ですが、サイクロプスとドラゴンの対策については、陽動しかできていません」

「瀬川くん、対策は‼︎」


 通信員からの報告を聞いて、忍冬が瀬川に問いかける。


深淵の書庫アーカイブ……敵戦闘能力の把握、そして対応策を教えてください……」

『……ドラゴンについては放置し、サイクロプスに乙葉浩介と築地祐太郎を投入……』

「え、そ、それってどういう事?」


 深淵の書庫アーカイブは、ドラゴンは相手にするなと判断した。


「ドラゴン隊は軌道変更、市街地に向かって飛行を開始。随時、地面や建物に向かって、ブレスを放出しています」

「ドラゴン対策は、なにか案があるのか‼︎」

「い、いえ、深淵の書庫アーカイブは、ドラゴンを無視しろと出ています」

「なんだと、そんなバカなことがあるか‼︎ 他に対策があるのか?」


 まさかの深淵の書庫アーカイブの判断に、その場の第六課職員も忍冬も動揺する。

 だが、瀬川は違う。


深淵の書庫アーカイブ。ドラゴン対策は、ここにいない『誰か』に任せて構わないのね?」

『……彼女たちに任せれば、問題はありません』

「了解。乙葉くん、築地くん、二人でサイクロプスを蹴散らしてください、ドラゴンは放置して構いません」

「ダメだ。浩介、祐太郎、市街地に向かったドラゴンを二人で止められるか?」


 すぐさま二人に指示を飛ばす瀬川。

 流石に忍冬はドラゴン対策を無視した指示には反論する。


『……えーっと、先輩、深淵の書庫アーカイブが俺たちにサイクロプスをやれって出したのですか?』

「そうよ。だから信じて」

『築地、了解。暴れてきます』

『乙葉も了解さ〜。忍冬師範、深淵の書庫アーカイブを信じたほうがいいですよ』


 すぐさまサイクロプスに向かう二人。

 その様子を、そしてドラゴンの方角の映像を、瀬川は深淵の書庫アーカイブの中で、じっと確認していた。


「本当に、信じて構わないのか?」

「ええ。私たちには、切り札が幾らでもあります。信じてくれる人たちが」


 ニッコリと微笑むと、瀬川は深淵の書庫アーカイブをチラリと見る。

 そこには、ドラゴンに向かって正面から走っていく大型トレーラーの映像が映っていた。



 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯



 国会議事堂から少し離れた首相官邸。

 そこには、特設された戦略司令部がある。

 防衛省長官と鷹川総理大臣、そして燐訪代表が、そこから機動隊および特戦自衛隊に指示を飛ばしている。


「陸上自衛隊、航空自衛隊の準備はできています。首相、すぐに出動要請をしてください。この場ですぐに、出動命令を下せます」


 北山防衛大臣は焦っている。

 モニター越しに見えているのは、明らかに敗北色の濃い特戦自衛隊。

 すでに機動隊は後方に移動して、特戦自衛隊の防衛ラインを超えた騎士たちの対応のために待機している状態である。

 

「駄目よ。鷹川総理、現在の状況は推されていますけれど、まもなく彼らが動きます。そうすれば、状況は変化します」

「燐訪くん、越権行為はやめたまえ。国防の権限は、防衛省と総理にあるんだぞ?」

「ですから、私は総理に意見を申し上げただけです」


 ニッコリと笑う燐訪。

 すでに鷹川総理も、妖魔によって精神支配されている。

 ただ、それが何者かなのかは燐訪も知らない。

 小澤から『鷹川総理は傀儡になっている』という話しか聞いておらず、どこの、どんな勢力の妖魔によって支配されているかは聞いていなかった。


「北山くん。燐訪くんに任せれば大丈夫だ。心配することはない、私を信じなさいトラスト・ミー

「は、はぁ……」


 ニィッと笑う鷹川。

 そう告げられると、北山大臣も下がるしかない。

 だが、国防を考えると、今は万が一の事態にも対応しなくてはならない。


「失礼、ちょっとトイレに」


 そう呟いて席を離れると、北山防衛大臣はトイレで部下に指示を出した。


「即応機動連隊とヘリコプター部隊の出撃準備。最悪の場合、各部隊の判断で出撃するように」


 それだけを告げたら、北山は部屋に戻る。

 本来なら、すぐにでも防衛省に戻りたいのだが、此処を離れると最悪な事態に発展する可能性を感じていたから。


………

……


「という事で、本気で行くしかないってさ」

「サイクロプスの数は、全部で4。殺すしかないかなぁ? 殺したくないなぁ。ユータロ、どう思う?」

「生かして捉えたとして、実験とかで切り刻まれるのがオチだな。それなら、生かしたまま捕まえて水晶柱ターミナルの向こうに放り投げたほうがマシだわ」

「同感。ユータロ、撃ち漏らしの処理を頼む。俺は、これを使う」


 空間収納チェストからネックレスを取り出すと、祐太郎は俺が何をするのか理解してくれた。

 どうしても怪我は負うだろうけれど、これが一番安全な気がする。

 という事で作戦会議のようなものを終えると、急ぎサイクロプス隊の進行方向に移動。

 俺は魔導紳士装備に切り替える。


『ほう、なかなかの魔力だな。貴様らは、この聖地の住人か?』

「まあな。しかし、お前たちは奴らに使役されているのか?」

『ハッハッハッ。そんなはずはないだろうが。ターミナルの外の世界には、俺たちが毎日食らっても飽き足りないぐらいの女がいるって聞いたからな』

『ああ。食い物には困らないってよ……』

『そういう事だ、悪いがお前たちの生肝も食らわれせて貰うぞ』

「だってさ、ユータロ」

「なるほどなぁ、手加減無用、行くぞ、ブライガー」


──ガギィィィィーン

 素早く祐太郎がブライガー装備を装着する。

 そして俺も空間収納チェストから『発動杖』を取り出すと、それを正面に構えて魔法を発動する。

 よかった、あらかじめカナン魔導商会で購入しておいて。

 これだけで消費魔力が1/10になるんだから、もっと早く気がつけばよかったよ。


──キィィィィィン

 発動した魔法は氷の槍アイスジャベリン

 俺の目の前に16の魔法陣が展開すると、サイクロプス一体あたり四本の氷の槍アイスジャベリンが飛んでいく‼︎


『なんだと‼︎ 貴様は魔導士か‼︎』

『させるかぁ‼︎』


 二体のサイクロプスは氷の槍アイスジャベリンを躱したのだが、残りの二体は四肢に氷の槍アイスジャベリンを受けて凍結。

 手足が使い物にならなくなり、その場に倒れていった。


「げっ、魔法回避能力だと?」

「オトヤン、あれって自動命中だよな?」

「そ、それを躱すスキルホルダーかよ……祐太郎、一つ任せた‼︎」

「いや、二つともだな。機甲拳パンツァード、五の型可変、地対地・対艦誘導拳っ」


 祐太郎が高速で踏み込みサイクロプスの間合いに入ると、まず一体目に五の型を左右で打ち込む‼︎


──ゴン‼︎

 闘気を左右の籠手に集める。

 そしてサイクロプスの足に向かって叩きつけた時、籠手の各部がスリット状に開いた。


──ドッゴォォォォォォン

 そして拳から打ち出される闘気。

 その威力に腕が吹き飛ばないように、スリットからも闘気が噴出する。

 闘気が籠手の中で凝縮し、砲弾のように形成された闘気を打ち出すのが『五型』、別名はオーラバンカー‼︎

 これを左右にワンツーで撃ち込む。


──ドグオッ

 これで両足が吹き飛び、一体が激しく転倒する。

 そのタイミングで、祐太郎は素早くサイドステップを踏むと、右に抜けるサイクロプスの脇腹めがけて膝をぶち当てた‼︎


浸透勁(しんとうけい)っ‼︎ 膝からモード‼︎」


──ブゥゥゥゥウン‼︎

 これの衝撃波で肋骨が数本砕け、内臓に激しい衝撃が走ってサイクロプスは倒れていく。


「オトヤン、頼む!」

「応さ‼︎ 」


──ジャラッ

 空間収納チェストから四本のネックレスを取り出すと、それをサイクロプスたちに向かって突き出すように構える。


「我、汝に命ずる……現世より離れ、隠世へと至れ、此処は其処……封印っ!」

『『『『なにぃぃぃぃぃぃ‼︎』』』』

「おおお、オトヤンの封印術式を知っているのか。グッラック‼︎」


 叫ぶサイクロプス。

 だがもう遅い。

 三体のサイクロプスはネックレスに吸収されたので、封印呪符を貼り付けておしまい。

 そして残りの一体はレジストしたらしい。

 最後の一体、祐太郎に両足を破壊されたサイクロプスは、両手で体を起こしながら、ゆっくりと立ち上がり始める。


──シュゥゥゥゥ

 ゆっくりとだが、サイクロプスの膝下が再生を始めていた。


「ちっ。やっぱり再生しやがったか」

『ハッハッハッ。この程度の攻撃など、ものの数分で再生できるわ‼︎』

「オトヤン、サイクロプスの弱点って、炎だよな?」

「そうだよ、いいんだよ、こいつだよ‼︎」


 祐太郎の後方で、俺は魔法陣を展開する。

 

「略式発動、炎の壁四方八方‼︎」


 術式を展開し、両手を組んで前方に突き出す。

 そして大きく広げると、手の間に炎が巻き上がった‼︎


──ゴゥゥゥゥゥゥ 

 そしてサイクロプスに向かって炎が飛んでいくと、周囲を巨大な炎の壁が囲んでいく。

 さらに床と天井部分まで炎で覆い尽くすと、サイクロプスが、内部で必死に抵抗する姿が見える。


『なんだ、なぜ貴様らが、俺たちの弱点を知っているというのだ‼︎』

「い、いや、色々とすまん。俺たち界隈では、有名なので」

「さあ、降参しろ、オトヤンの炎は浄化の炎、貴様の魂をも燃やし尽くすぞ‼︎」


 大見得を切る祐太郎だが、それは普通の魔法の炎だからね。魔法という時点で普通じゃないけどね。


『グウォォォォォォ、殺せ、殺せぇぇ』

「クッ殺じゃないけど、再生不能だな。オトヤン、頼むわ」


──パチン

 指を鳴らして炎の壁を消すと、トドメは速やかに封印。

 ここまでダメージが酷いと、封印に対する抵抗力はほとんど失われているらしく、最後の一体もあっさりと封印完了。


──シャルルルルルッ

 合計四体のサイクロプスを封印したので、まずはこのエリアの侵略軍は制圧完了。

 ターミナル付近の騎士と特戦自衛隊の戦況は少しずつ拡大し、現在は騎馬兵がターミナルから飛び出してき始めたのだが。


──ガギィィィィーン‼︎

 突然、虹色に光っていた円柱形のターミナルが、銀色の筒に変化する。

 ターミナルから出ようとしていた騎馬兵は、哀れ馬ごと胴体を切断されて絶命。

 それ以外にも、ターミナルから出てきたり怪我をして引き返している最中のものたちも、体のあちこちを切断されてその場に倒れていった。


….……

……

 

 札幌、妖魔特区。

 巨大水晶柱ターミナルが起動している。

 真っ青に輝き、天に向かって魔力を放出している。

 その真下では、白桃姫が水晶柱ターミナルに両手を添えて、国会議事堂前のターミナルを遠隔操作しているところであった。


「ふん。フェルデナントの大司教も、相変わらず詰めが甘いのう。ターミナルを破壊できなくとも、操作して優先権を奪ってしまえばいいのじゃよ。まあ、お主らに好き勝手暴れられると、乙葉たちが怒ってしまうからのう……」


──キィィィィィン

 ゆっくりと魔力を介入させつつ、ターミナルを変換させていく。

 鏡刻界ミラーワーズ裏地球リヴァースを繋ぐパスを強制切断し、今度は妖魔特区内ターミナルと国会議事堂を繋ぐパスに書き換える。


「そろそろ行くぞ、準備はよいな‼︎」


 白桃姫が叫ぶ。

 その後方では、妖魔特区に閉じ込められていた暴食のグウラ『百道烈士』配下の妖魔が、腕に第六課の腕章をはめて待機していた。


──グウォォォォォォ‼︎

 彼らは絶叫する。

 百道烈士が滅び、白桃姫に着いた時から、いつかは全力で戦う相手がくる日を待っていた。

 主人を失ったものの、グウラに対する忠誠心など無い。

 今の支配者は、怠惰のピク・ラティエである。


「良いか、貴様らなら分かるじゃろ、敵は鏡刻界ミラーワーズの侵略者じゃ。暴食の者たちよ、彼らを打ち倒せたならば、我が乙葉たちから魔力玉を貰ってやろうぞ」


──ブゥン

 ターミナルが接続した。

 その瞬間、妖魔たちは我先にとターミナルを超えていく。

 その先に待つ、敵を、打ち倒すために。


 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯



 特戦自衛隊と騎士の戦い。

 決して、特戦自衛隊が弱いわけではない。

 装備に関しては、特戦自衛隊は彼らよりも上であるが、実戦経験の乏しい彼らでは、騎士たちを完全に押し留めることは不可能であった。

 体力は明らかに相手が上手、装備は特戦自衛隊。

 いくらエリートの集団であったとしても、特戦自衛隊のレベルは5にも満たないのである。

 当然、その差が勝敗を分けた。

 ゆっくりとだが、特戦自衛隊は押され始め、コンバットアーツと呼ばれる戦闘スキルを駆使してくる騎士になど、勝てる見込みはなくなりつつあった。

 

 そしてこの戦闘の光景を、燐訪らは離れた場所で見ているしかなかった。


「あ、あの二人を、乙葉浩介たちを騎士の元に向かわせなさい、とっとと命令して」

「無理です。連絡員を送るにも、今は危険です」

「陸上自衛隊より入電、即応機動連隊の現着まであと5分です。指示あれば突入すると」

「……北山大臣、勝手な指示を出されては困りますわ‼︎ 今更、陸上自衛隊の手を借りろっていうの、待機よ、待機。どうせ空自も待機しているのでしょう? 私たちが組織した特戦自衛隊で全てを終わらせるのよ、そうすれば、他の自衛隊なんて必要ないわ‼︎」


 そう叫ぶ燐訪。

 だが、その次の報告には、燐訪も目を丸くするしかなかった。


「緊急入電。水晶柱が停止、のち再起動。新手がターミナルから出現し、騎士たちを攻撃し始めました‼︎」

「なによ、それは誰なの、どこの所属なのよ‼︎」

「……第六課の腕章をつけた妖魔です。特戦自衛隊ではなく、騎士たちを圧倒しています」

「……なんで妖魔が、私たちに手を貸しているのよ…理解できないわよ」


 無線機を落として、燐訪は呆然とする。

 ここまで作戦が失敗するなど、予測の範疇を超えている。

 

「ドラゴン三体は、皇居に向かって進軍。ですが、皇居を囲む結界に阻まれて方向変換し、日比谷公園から浜松町へと向かっています‼︎」

「避難誘導はどうなっているのよ‼︎」

「浜松町はまだです。現在も避難誘導が行われています‼︎」

「す、すぐに機動隊を、いえ、特戦自衛隊を回して!」

「無理です、防衛省に援軍要請を行ってください‼︎」


 通信員の叫びに、燐訪は北山を見る。


「……陸上自衛隊……に、援軍要請を……お願いします……」


 苦虫を噛み潰したような顔で、燐訪が呟く。

 そして北山防衛大臣は満面の笑みを浮かべながら燐訪の落とした無線機を受け取ると、各方面に待機していた部隊に作戦開始を伝えた。


………

……


『そりゃぁぁぁ‼︎』


──ドゴォォォォォッ

 日比谷公園を越えた三匹のドラゴンは、未だ避難の終わっていない有楽町方面に向かっていく。


『おい、人間がいるぞ』

『ああ、原住民だな。処分だ』

『やっちまえ‼︎』


 低空飛行により、爪で引き裂く。

 大きな口で加え、噛み砕く。

 そのために高度を下げたドラゴンだが、突然、目の前に大型トレーラーが飛び出してきた。


『おい見ろよ、あのへんな馬車を』

『大きいだけの見掛け倒しだ、やっちまえ‼︎』


──ゴゥゥゥゥゥゥ

 口からブレスを吐くドラゴンの群れ。

 だが、それはトレーラー手前まで飛んでいったが、トレーラーから放たれた魔力弾によって、消滅させられた。


『な、なんだ、何が起こった‼︎』

『あれだ、あの変な馬車の上だ、人が乗っている』

『あの女が、ブレスを無力化しただと?』

『そんなことができる人間がいるのか‼︎』


 さらにドラゴンは加速する。


「いるにゃ、此処ににゃ‼︎」


 トレーラーの運転席の上で、主兵装であるツァリプシュカを天に向かって掲げている唐澤リナ。


「……よし、エネルギー充填完了だ。沙那、活動限界は20分、それまでに全てを終わらせろ。リナ坊もいいな」


 そして、運転席の窓から叫ぶ有馬祈念。

 リナは有馬の言葉に頷くと、ゆっくりとトレーラー上で巨大なガントレットを突き出して構える。

 目の前に飛んでくるドラゴンの一体に狙いを定めたのである。


「ぶっ………… (=✧ω✧=)………とばぁ〜す!!!!」


──ドゴォォォォォッ!!!!

 ツァリプシュカの先端から、高出力のエネルギー弾が放出される。

 その一撃で、ドラゴンの一体が吹き飛び、首の付け根に乗っていた騎手が、地面に墜落して意識を失った。


『な、なんだって』

『左右に別れろ、あいつは危険だ』


 残った二体のドラゴンは、すぐさま左右に広がりトレーラーの横をすり抜けようとした。

 だが、その時。


──ガゴォォォォォォッ

 トレーラーの車体内部の左右から、巨大な腕が飛び出し、ドラゴンの首に向かって射出された。


──ミシミシミシイッ

 首の付け根を掴まれたドラゴンは、そのまま慣性に任せて進もうとするが、突然トレーラーの天井が吹き飛び、巨大な人型兵器が姿を表す。

 その両腕からは極太のワイヤーが伸びており、ドラゴンの首を掴んだマニュピレーターに接続している。

 ワイヤー付きロケットパンチのようなもので、ドラゴンを止めているのである。


『な、なんだこれは』

『あれだ、巨大なゴーレムだ!!!!』


 呼吸が止まり、ドラゴンたちは地面に墜落する。


──キュィィィィィィン

 すると、両腕内部の高出力モーターが高速回転し、ドラゴンをズルズルと引っ張り始めた。


『ゲホッゲホッ……これ以上、先には進めません。私の愛機『アイアンメイデン』と、りなちゃんがいる限りは、此処から先には、あなたたちは進むことなど不可能です』


 大型機動兵器『アイアンメイデン』

 完成したばかりのコクピットにはオイルの匂いが染み付いており、沙那はむせてしまう。

 それでも外部スピーカーから名乗り口上を上げると、機体の出力を上昇させた。


──キュィィィィィィン

 右腕のモーターを停止して、左腕のモーターを全速で回す。

 それと同時にアイアンメイデンはトレーラーの後方から飛び降りると、そのままワイヤーが引っ張られるままに一体のドラゴンに高速接近する。


──ズボァァァァッ

 膝に仕込んであったスパイクでドラゴンの首筋に膝蹴りを打ち込むと、一体のトドメを刺した。


『残るは一体ですわ』

「りなちゃん、いっきまーす」


 ヒョイとトレーラーから飛び降りると、リナは右腕をグルグルと回し始める。


『く、来るな、来るなぁぁぁぁぁ』

「だが、断る‼︎」


──ドゴッ、ドッゴォォォォォォン

 リナの目の前で急上昇しようとするドラゴンの頭に目掛けて、全力の高速パンチ。

 か〜ら〜の、エネルギーブラストを射出。

 これでドラゴンの頭部は吹き飛び、騎手三人は完全に戦意を喪失、素直にリナたちに囚われることとなった。


 対ドラゴン戦、圧勝‼︎

 

いつもお読み頂き、ありがとうございます。

誤字脱字は都度修正しますので。 その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。


この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。


・わかりづらいネタ

 デュエル○スターズ

 コ○ラ

 装甲騎兵ボトム○

 侍スピ○ッツ

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 中盤の  百道烈士が滅び、白桃姫に着いた時から、いつかは全力で戦う相手がくる日を待っていた。 どちらかの勢力に付くって意味なら、これです。
[一言] 戦車出てこないよ~~いきなり接近戦に突入なんて展開としておかしいです。 修正しろとは言わないけど。
[気になる点] 最初ドラゴンは『おい見ろよ、あのへんな馬車を』って言っていたのに 『あれだ、あのトレーラーの上だ、人が乗っている』 となぜかトレーラーという言葉を使っている事 「あれだ、あの馬車の上…
感想一覧
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