表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】ネット通販から始まる、現代の魔術師  作者: 呑兵衛和尚
第一部・妖魔邂逅編、もしくは、魔術師になったよ、俺。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/601

第百九話・禍福倚伏、驕る平家は久しからず(盗まれた魔導具と神様キター)

『ネット通販で始める、現代の魔術師』の更新は、毎週日曜日と火曜日、金曜日を目安に頑張っています。

 魔法による身分証明証。

 その名も魂の情報ステータスカード


 それは夢のような技術である。

 この前、第六課のある北海道庁で魔術の講義を行っていたとき、ふとそんな魔法があったら便利だよねって思ったんだよ。


 それで、以前、カナン魔導商会から取り寄せた魔術大全を調べていたんだけど、そこにあったわ、個人のステータスやスキルを表示できる、魂から生み出す身分証明証。


 魂の情報ステータスカード


「これだ‼︎ 神威を伴った魔力により発動することで、使える魔術式……はぁ?」


 そりゃあ無理だよ。

 でも、神威をを伴う魔力を作り出す術式ってのがあってだね、自分に加護を与えてくれている守護神にお伺いを立てて、そこで祈りを唱えることで魔力は神威変換されるって書いてある。


 つまり、俺でも魔力に神威を乗せられる?


「これだ、これで……俺の守護神って誰?」


 ここで問題です。

 祐太郎の守護神は、武神ブライガー。

 瀬川先輩には貴婦人ムーンライト。

 新山さんには、魔導神アーカムの加護がある。


 そんじゃ俺には?

 俺にチートスキルをくれたのは魔導神アーカムだ間違いはないと思う。

 でも、それなら、俺のステータスにも◯◯神の加護っていう表示があっても良いと思うんだけど、まさか隠しステータス?


『まあ、そんな感じですね』


 突然、頭の中に聞こえる声。

 これはあれだ、俺が死んだときに出会った神様の声だ。


(ひょっとして、魔導神アーカムですか?)

『そうです。あなたと言葉を交えるのはおひさしぶりですね』

(魔導神アーカム、新山さんの呪詛を剥がすことはできますか?)


 ダメ元で聞いてみるけど、それはあっさりと否定されたわ。


『それは無理ですね。一つの神による下界への干渉に対しては、私たち統合管理神は別干渉を行うことを禁止されていますから』

(ですよね〜。そんな気はしたのですよ。流石は俺の守護神ですね?)

『……私は、あなたの守護神ではありませんが?』


 な、なんだって?

 それじゃあ、俺の守護神って誰なのさ?


『誰と申されましても……貴方に授けた加護の製作神とでも申しておきますか』


 心の声が聴かれている?


『ええ。神ですから』


 成る程。

 流石は神様ですなぁ。

 しかし、俺の守護神って誰なんだろう?


『ちょっとお待ちを。今、告げて良いか確認をとって来ま……あ、良いのですか』


 ダイレクト神託でも受けたのかな?

 まあ、俺の守護神を教えて貰えるのなら最高です。


『乙葉浩介、貴方の守護神は破壊神マチュアです』


……


 え? 今、破壊神って言った?

 なにそれ、俺って破壊の力を持って……魔法かぁ。


『はい。破壊神様は、私よりも上位の魔導を扱う錬金術の始祖たる神ですから』


 でも、破壊神だよね? 悪だよね?

 混沌だよね? それって最終ボスなんじゃないの?

 破壊神の残滓って、その神様なの?


『破壊神の残滓は、別世界の破壊神ですね。こっちの破壊神は、心優しい慈愛あふれるお姉さんだって言えと言われましたので』


 言えって言われている時点で信用ならんわ。

 それじゃあ、俺は破壊神の神威を纏った魔力を扱えるのですか?


『少々お待ちを……はぁ、なんで使っていないのかなぁと、頭を捻っていますね』


 使い方知らんわ、どうすりゃ良いんだよ。


『神を信じてくださいとの事です。何分、こちらの破壊神は人気がないので、あまり信奉されていませんから。そもそも、存在自体殆どの人が知らないですからねぇ』


 マイナー破壊神ですね、分かります。

 それでは、破壊神マチュア様、どうか俺にも神威を授けてくださいませ。

 両手を合わせてお祈りしたけど、なにも変化ないわなぁ。


『困ったときの神頼み、大変結構。其方の今後の活躍に期待する、との事です。それでは……』



 気のせいか、頭の中がスッと軽くなった。

 これで俺も、神威を纏えるのか?


「物は試し、神威解放っ……グギョァァァァァァ」


──ビジィィィィィィィッ

 全身に衝撃波が走ったわ、激痛だわ、魔力回路が焼き切れた感じがしたわ。

 それでいて、体内の魔力は変化ないわ……あ、すこし素直なサラサラ魔力になったような気がする。


「物は試し……力の矢フォースアローっ」


──シュンッ

 今までのような、普通の矢の形状ではない。

 なんだか神々しく、魔術文字が刻み込まれた矢が形成されたんだけど、いきなり魔力が枯渇したわ。

 

「あ……自宅でよかったわ……あふん」


──バタン



 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯



 目が覚めたら、夜でした。

 明日の準備どころか宿題も終わってないわ、やばすぎるわ。

 挙句に残存MPが25しか無いわ、体はダル重いわ大変ですなぁ、ダルさんだよ、ダルさん。

 他人事じゃ無いわ‼︎


「ええっと、ステータス鑑定……」


『ピッ、神威魔力の行使により、極度な魔力枯渇症状あり。自然回復以外での回復は、魔障中毒を併発する恐れがあるため、お勧めしません』


「マジか。魔力回復ポーションとかもヤバいのか。これはまずったわ、神威ってここまでコントロールできないものなのか?」


『ピッ……神威制御がない場合、自在にコントロールするのは不可能であり、且つ、制御のために余剰魔力を消耗する』


 はいはい。

 いくらなんでも、いきなり使った俺が悪かったわ。

 しかし、これが制御できれば、この後の大雪山での対妖魔戦でもかなり有利にはなるんだよなぁ。


「魔力の回復力を高める方法は.…」


 あ、鑑定さん反応なし。

 多分だけど、俺の中に存在しないデータなのだろう、つまり回復力については普通なんですねわかります。

 

 ついでに、久しぶりのステータスオールチェック。


……


◾️乙葉浩介

名前:乙葉浩介

年齢:16歳

性別:男性 

種族:人間?(転生処理済み、バグ) 

職業:高校生/賢者


レベル:89

体力 :161

知力 :162

魔力 :1900

闘気 :1900

神威 :100

HP :968

MP :24800


・スペシャルアビリティ

 破壊神の神威(未制御)

 ネットショップ・カナン魔導商会+++

 空間収納チェスト++

 自動翻訳  (初期セット)

 鑑定眼+++(初期セット)


・固有スキル

 一般生活全般 レベル16

 魔導体術   レベル4

 神威制御   レベル1

 魔力循環   レベル14

 魔力解放   レベル13

 魔力操作   レベル15

 魔力変異   レベル11

 錬金術    レベル17(現時点でのレベルMAX)


 第一聖典   レベル10

 第二聖典   レベル8

 第三聖典   レベル5

 第四聖典   レベル7


……


 うん。神威制御あったわ。

 ステータスにも神威あったわ。

 でも、未制御って書いてあるわ。

 とりま、レベルが上がった理由はいまだに不明だけど、羅刹の胴体やらなんやらかんやら倒していたからそれで上がったと言うことにしておく。


「それにしても、神威かぁ……急がないときならないときに限って、余計なことが増えていくわ。先輩に神威について確認してもらいますか」


 という事で、ここで睡魔が再び来訪したのでギブアップ。

 がんばれ、明日の俺。



 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯



 朝イチで寝坊して、魔法の箒で学校に向かって宿題忘れたので、恐らくは放課後に補習ですがなにか。


「乙葉ぁ、魔法を使うための杖って作れるのか?」


 朝から織田。

 だけど、なんだか今日は静かである。いつもなら、『乙葉ぁ、魔法の杖を俺にくれ』ってくるはずなんだけど。


「作れるが、欲しいのか?」

「前に乙葉が話していただろ、あの怪しい商人の作ったブレスレットよりも、俺の作ったものの方が凄いって」


 あ〜、そんなこと話していたっけなぁ。

 

「それでか。まあ、作れることは作れるが、今は魔力が弱いから無理なんだわ」

「魔力が弱い? やっぱり魔法使いって月齢とかそう言うので力の加減が変化するのか」


 あ、勘違いしてくれた。

 取り敢えずはそれで良いです、説明するのが面倒くさいし説明したくないので。


「そんなところだ。それで、作って欲しいのはわかるが、なんでいきなり?」

「いや、俺も将来を真面目に考えようと思ってだな。本気で魔法使いになろうかと思って、それでよ、特戦自衛隊か内閣府にある退魔組織に入ろうかと思ってさ」


 あ、織田が改心した。

 

「それでよ、魔法の杖とか持っていて、バンバン魔法使えたら内定取れるかなぁと」

「まあ、第六課は警察組織とおんなじだから、せめてそっちの大学ぐらいは出ておけ。特戦自衛隊は自衛隊と一緒だけど、かなり難易度が高いだろうから頑張れ」

「サンキュー‼︎」


 笑顔でお礼を告げて、離れていく織田。

 待て、お前、本当に本物か?

 気になったので鑑定して見ると、やっぱり妖魔が憑依していたわ。


『ピッ……下級妖魔・マインドイーター。憑依対象の感情をコントロールする。織田に憑依しているマインドイーターは、『質朴』を制御している』


 あ〜。

 それで素直な織田なんだね、分かります。

 それはそれで気持ち悪いような気もするが、下級妖魔だし害はなさそうなので放課後まで放置してみますか。


 しかし、前の席の新山さんが居ないと、なんだか寂しいよね。


……


 そして放課後。


「乙葉ぁぁぁぁぁ、俺にも魔法の杖とか作ってくれ‼︎」

「良かった、いつもの織田だわ」


 思わず嬉しくて、織田の肩をパンパンって叩いちゃったわ。


「え、あ、お、おう、俺はいつもの織田だ。だから、俺にも魔法の杖を作ってくれ」

「こ、と、わ、る。妖魔なんぞに憑依されて、感情のコントロールされている織田相手に、オレが作るはずがな……」

「オトヤンちょいと待て、なんで校舎に妖魔が出入りしているんだ?」


 ん? どうした祐太郎。妖魔ぐらい何処にでもちょいと待て、俺の作った結界はどうした?


「織田、そんじゃ俺は部活だから」

「アディオス・アスタレィゴ‼︎」


 そのまま走り出した俺と祐太郎は、俺たちが埋めた結界装置がちゃんとあるのか、確認しに向かった。

 そして部室で合流した俺と祐太郎は、まさかの事態に驚くしかなかったわ。


「結界装置が、すべて掘り出されていたわ。跡形もない……なんでや?」

「俺の方もだ、どうも昨日の夜から今日の朝にかけて、何者かによって掘り出されたらしい。用務員さんに確認してきたわ」

「流石は用務員さんだ、二刀流の剣使いは伊達じゃないか。楼観剣だけでも欲しいんだが」

「まだ、ボケるだけの余力はあるのか」


 いや、ボケてもみないと落ち着かないんだが。

 しかし、いったい何者が、なんで俺の配置した結界装置を盗んでいったんだ?


「乙葉君の作った結界で、一山当てようとしたした人がいるとか、高度な政治的取引があったとか?」

「それだ先輩。ちょいと忍冬師範に電話して見ますわ」


 その場でスマホを取り出すと、すぐさま忍冬師範に説明したんだけどさ、どうやら第六課でもこの件については全く情報がないらしくてねぇ。

 すぐさま要先生がこっちにきて、色々と調べてくれるらしい。


「はぁぁぁぁ。なんでこんなことになったかなぁ」

「オトヤンの作った魔導具の性能は、現在の科学力じゃ再現不可能なんだろうなぁ。そりゃあ欲しがるのも無理はないわ」

「その盗んだ奴がわからん。第六課の井川さんあたりは知っていたらしいけど、今更、俺たちに敵対する意味はないし、そもそも忍冬師範がそんなことするはずがない」


 困ったわ。

 結界がないので、普通に校舎内に妖魔の反応があちこちにあるわ。

 

「乙葉君、またあれを作り出すことは可能なの?」

「現状での可能性なら、不可能ですね。素材がない、チャージが効かない、俺の魔力が枯渇しているの三本でお送りします」

「ジャーンケン」

「「 グー(チョキ) 」」


 あ、祐太郎にジャンケンでも負けたか。


「はぁ、過去が見えたら良いんですけど。先輩の深淵の書庫アーカイブって、過去の情景とかは見えますか?」

「監視カメラのデータベースにアクセスするとかが可能なら。幸いですが、うちの学校は警備会社と契約してカメラが設置されていますから、そこから調べて見ますか?」


 すぐさま深淵の書庫アーカイブを展開して、保管されている映像を確認してもらう。

 回線が細いので時間が掛かってしまったが、それでも昨夜の校舎外の映像はあったようだ。


 深夜の、雪降る校舎周辺。

 二人の、謎の人物

 指示を出している人間が一人と、スコップで雪を掘り、結界発生装置を回収している人物が一人。

 服装はというと、冬の風景に紛れても見えないような冬季迷彩仕様。


「……特戦自衛隊?」

「その可能性はあるけど、当てずっぽうではなくピンポイントで、結界発生装置を掘り出しているのは凄いなぁ。魔力感知でもないと、あれは見つからないはずなんだよ?」


 これは困った。

 相手が特戦自衛隊と言うことは、千歳駐屯地に逃げられている可能性がある。

 学校が北広島市なので、千歳市は目と鼻の先。


「どうしようかなぁ。取り返したいよなぁ」

「オトヤン、乗り込むとしても、何処に保管されているか場所がわかるか?」

「俺の作った魔導具だよ? 魔力波長をサーチしたら一発さ、ここからは遠すぎて無理だけど」


 そんな対策を話していたら、要先生が部室に入ってきた。そして綺麗な謝罪スタイルで、腰を60度曲げての謝罪。


「ごめんなさい、学校の結界発生装置を盗んだのは、おそらく特戦自衛隊の可能性があるのよ」

「「 な、なんだって? 」」


 でも、特戦自衛隊がどうやって、俺の作った魔導具を探し出すことができたんだろうと思ったんだけどさ。


「実は、去年の夏前に、井川巡査部長が呪符を使って学校の周辺の退魔法具を全て調べていたのよ。その時の資料が残っていてね、何処に反応があったかどうか全て記してあったの」

「でも、それですと管理しているのは第六課ですわよね? どうして特戦自衛隊がそれを所有しているのですか?」

「今、北海道の千歳駐屯地には、元第六課の御影彰(みかげあきら三曹がいるのよ」


 あっちゃぁ。

 やられたか。

 そもそもだけど、あの人ってあんまり良い印象はないんだよなぁ。

 それが、ここにきて、こう言う手を使ってくるというのなら、俺も手加減は無用だよ。



「どうするオトヤン」

「決まっているさ。特戦自衛隊相手に、隠密裏に俺の魔導具を取り返すだけだよ」

「魔力が足りないのに? どうやって?」

「カナン魔導商会の商品を、そして俺の錬金術の集大成を忘れたのかちょっと待って、今のなし」


 怒りに身を任せて、ここに要先生いるの忘れてたわ。

 チラッと要先生の方を見ると、ちょうど瀬川先輩と話ししていて俺の言葉には気づいていないからセーフ。


「オートーヤーン。しっかりしろよ」

「うむ。という事で、今夜実行します。名付けて『俺の魔導具返せ、魔術の力は科学を超えてみせる作戦』を発動します」

「長すぎるわ‼︎」

「それじゃあ……ちょろまかし作戦、発動します」


 そんなこんなで、そこから先は要先生も巻き込んでの作戦会議。

 果たして無事に魔導具は取り返せるのか?


 

誤字脱字は都度修正しますので。

その他気になった部分も逐次直していきますが、ストーリー自体は変わりませんので。


・今回のわかりづらいネタ

 太陽の子エス○バン

 ○方Project / 上海ア○ス幻樂団

 サザ○さん / 長谷○町子 著

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] とにかくおもしろいです。 [一言] 結構前から、聞き覚えのある場所が部隊なんだな?、なんて、思ってたら、主人公の乙葉くんたち『北広島西高校』に行ってたんだ。残念! 後輩じゃなかったんだ。で…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ