ノーラからの侵攻
今回短いのです
ガーランド率いるドゥーチェ側が苦戦をしている頃、西側から少し遅れてノーラ首長国による侵攻が始まっていた。
◇
私ことオスロ・ダブリンが率いるのは魔法騎士団1500騎だ。なに?数が少ないのではないかって?バカを言ってはいけない、私からすればこれでも多すぎるほどである!我々はそこらの兵士とは格が違う、戦闘専門職の騎士なのだ。騎士1人で一般的な兵士5人に匹敵する実力を持ち合わせている。故にここにいるのは7500もの軍団に等しいだろう。
強く、賢く、誇り高い。ノーラの人々が騎士に抱く感情はこんなところだ。そんな騎士を数多く抱えることができるノーラ首長国こそ、このベルストで1番の国といってもいいのではないだろうかと私は常々思っている。……金払いも良いしな。故にいつまでもルベストに中央を我が物顔で占領されていたくはないのだ。
「オスロ騎士長、すでに時刻は昼を回ったはずですがこんなにゆっくりとした侵攻でよろしかったのですか?」
感慨にふけっていると年若い部下の1人が水を差すようにそんなことを訪ねてくる。私はそれにため息をもって返した。
「我々の1番の武器はなんだ、ええ?この知恵だ!少しは頭を使え。賢い我らはドゥーチェの攻撃で弱ったアムストルに攻撃を加えることで、被害を負わず戦果を得る。つまりは美味しいところだけいただけば良いのだ」
「なるほど、あえて遅く出たのですね!感服いたしました!」
私の言葉に納得をしたというようにその若者は自らの持ち場に戻っていった。言った言葉に嘘はない、がその際にドゥーチェの軍を攻撃することになってもそれは誤差の範囲に入るだろう。あわよくばそちらも潰しておきたいところではあるが首長様も帝王も注目している戦だ、あまり派手なことはできない。
その時何かが飛んでくる。飛んできたものも、方向もよく見ることができなかったがこちらに直撃する事もなく地面へと吸い込まれていく。それはハナからこちらなど狙っていないと言っているようなものだった。
「舐めてくれるものだな、攻撃する事で罠を気取らせてどうする?」
土魔法で見えない何かが落ちたであろう部分を上書きする。こうしてしまえばなにが仕掛けてあろうと意味をなさなくなるだろう。
その後は特に何かが飛んでくるという事もなく、悠々と歩いてでもあっさりと壁の近くまでたどり着くことができた。
「ふん、こんなもの先日までなかったが……急ごしらえで作ったところでこんな壁など、我らの魔法の前では存在しないも同然よ」
そういいながら壁の一部に魔法弾の一斉掃射を叩き込む。だが
「なに……?存外丈夫なのだな。まさか今の攻撃でも耐えられるとは」
壁はかろうじてといった有様であったが、未だその場所に佇んでいた。
「まあ、そのうち壊れるだろう。続ければよろしい」
「それは困るな……私の友人が頑張ってはってくれたというのに、壊されたら悲しむじゃないか」
「誰だ!」
「私か?私は……ドラゴンスレイヤーだ!」
そこには黒髪長身の青年が腕を組んで待ち構えていたのであった。




