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貴様なかなかやるな。だがこれを受けられるかな ? 必殺、救助訓練 !!

「3」「2」「1」「ドッカーン」


「わーい」「なぜなにじえいたい」


「それじゃあ溺者救助訓練で上甲板に出てきた乗員を解説するぞっ」


「待って」


「おや、お姉さんのいつもの待って、が掛かりましたよ」


「なにそれ、私そんなに待ってって言ってないでしょ」


「自覚が無いようです。それはそうと何で待ったを掛けるんだよ」


「だってようやく甲板上にある輪っか付きの出っ張り解説をするのかって思ったのに」


「あーそれね、全員紹介したら解説するよ」


「また先送り ? まあいいわ、最後にでも解説してくれるなら」


「よし、了解を得たところで紹介していこう。四ツ目錨で人形を引っ掛けて手繰り寄せてからどうするか」


「そりゃあこの間言ったデリックで籠か何かを下ろして引き上げるんでしょ」


「チッチッチ、溺れている人が自力で籠に入れたらいいんだけど、意識が無かったら無理だよね」


「だったら一人籠に乗せて海面まで下ろすしかないわね」


「そうそれ、人型の籠に人を乗せて海面まで下ろすんだ。なので引き上げる時には二人分の体重を甲板まで引き上げなくてはならない」


「二人分 ? モーターかなんかで引き上げるのかな」


「いいや下ろすのも上げるのも人力で動かすんだ」


「ええっ ! くの字に曲がってるだけの小さな短いデリックで、二人分の体重を人力で引き上げるのっ」


「そう、だから滑車が五個必要になるんだ。その滑車をどこに付けるのかと言うと」


「あっ、ようやくの出番ね。甲板に突き出ている輪っかに繋ぐのね」


「そう、その通り。どんなふうに繋ぐのかはまた次回」


「えーっ、せっかくぅ」


「それじゃあみんなー」


「「バイビーー」」


 ガタンと終わりのフリップが落ちてくる。

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