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あー、なんか疲れた。

ここでもう一度今は無き「まきぐも」の艦橋をご紹介しよう。


 広さ的には約八畳前後のスペースで、両端の窓際前部少し高い位置に椅子が用意されている。


 これは指令と艦長が座る椅子だ。艦長は二佐なのでシートカバーは青と赤のツートンカラー、指令は一佐なので赤一色だ。因みに尉官は青一色である。


 色で階級を分けるなんて本好きが居る何処かのお貴族様みたいですね。


 話を戻して椅子の後ろはウイングに出るハッチで、その横には机が用意されている。


 右側の机は副直士官が海図を広げる場所で、左側は当直海曹が日誌などを書く場所だ。艦内マイクも用意されている。


 後方の真ん中はCICに繋がる下りの短い階段で、その横に旗甲板に繋がる短い登りの階段がある。


 そしていよいよ艦橋の真ん中に並ぶ機械だ。


 右端から水上レーダー、これは映画とかで見るレーダーその物だ。大きめの洗面器ぐらいの丸い画面が在り中心から白い棒が出ていてグルグルと回っている。


 目標があると白い棒が引っかかった所でポッ、と白く光る。そこに両脇にある摘まみをクルクル回すと白い点が移動して目標と重ねることにより距離が表示される仕組みになっている。


 ただ範囲を広げると著しく精度が下がり、低い雨雲などがあると画面が真っ白になる。


 その左横が艦橋伝令の位置だ、全然使わないがそこには天井から幾つもの伝声管がぶら下がっている。


 机はあるが椅子は無い、机はバックライトが仕込んで在り夜は淡く光る。これは目標の角度や距離を書き込むためだ。


 その横に操舵手が立つ、操舵は以前説明したと思うが書いてないのが一つだけある。


 普通は舵輪を回して操作するのだが、その舵輪が故障するときがある。


 その時操舵手は押しボタン式操舵をする。そのボタンは操舵機の両端に付いていて直径が五センチほどの大きなボタンだ。


 これを押して操舵するのだが、これが結構堅いボタンでかなり力が必要だ。ガション! ガション! てな感じで。一回押すごとに舵が少しずつ動く。


 本格的に故障すると「応急操舵、配置に付け」と言う号令がかかるのだが、これは後ほど。


 さてそのとなり、一番左端にあるのが速力版だ。これはだいたい腰ぐらいの高さで、両端にダイヤルが付いている。


 横四十センチ縦二十センチ奥行き二十センチ程度の小さな箱形で、上の面には三っの円い窓が在り左右対称だ。


 左右の円い窓にはそれぞれ、前進と後進が示されてあり前進は微速からイッパイまで後進も微速からイッパイまであるが、後進は1戦速から無かった。


 前進に表示されているのは、微速、半速、、原速、強速、1戦速、二戦速、3戦速、4戦速イッパイだ。


 後進は強速からいきなりイッパイになっていたような気がする。


 丸い円の中には針が二つある、一つは艦橋から操作する物で当直士官がー。


「両舷前進微速、赤黒無し」と礼すると私はそれを復唱してダイヤルを回す。するとこれは機関室に繋がっているので機関室で操作するともう一本の針が動いて前進微速の位置で重なる。


 赤黒と言うのは細かい調節で半速のちょい強め、とか弱め等を調節する。


 入港するときタグボートを使わず自力でその場回頭をするときは。


「右前進半そーく、左後進微そーく」等を使う。


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