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38:防衛準備


「使い魔の報告によると魔物達はアスタルツに集まっているけどその分ウェルク王国内の魔物の数は減っていってるわ」


「…ウェルク王国にいた魔物達がアスタルツに流れていってるという事ですか?」


「そうよ、その結果として今ウェルク王国はアスタルツがある南以外は安全になってると言えるわ」


フラウは地図の王都に複数の駒を置く、非戦闘員や民を示す駒を王都からフォルトナールやエルメディア側へと移動させた。


「今回の戦争に参加しない及び出来ない人達は彼等を受け入れられる街に避難させる、魔物が減った今なら護衛は冒険者達だけでなんとかなる筈よ」


「避難…つまり王都を要塞化させるという事か」


「王都の防壁や設備、規模を考えれば防衛の拠点として此処以上の場所はないわ」


「…グリモア、食糧や装備の備蓄はどうなっている?」


「不作や飢饉に備えて配給する為のものがあります、王都に在住する貴族に貯蔵させていたものと合わせて王都を戦争関係者のみにすると言うのなら五日…現実的に見るなら三日は持つかと」


「籠城は可能って訳か…」


バルセドが顎に手を沿えながら思案する、しばらくして口を開いた。


「食い物の心配はないとして民を避難させるのが厳しいな、国境沿いの街まで徒歩でも二日掛かる…なにより王都の民は二万そこらいるんだろ?そいつら全員逃がすつもりか?」


「全員である必要はないわ、その移動ができる人達だけで良いの」


フラウはそう言いながら地図を示すと魔物達を示す赤い駒をアスタルツから王都へと進めた。


「要は少しでも進行を防ぐ為の防衛線を維持できれば良いの、王都の食い扶持を少なくすればそれだけ維持できる時間は伸びるし、地形的に王都さえ越えられなければ魔物達が大挙して他を襲う事は出来なくなる」


「その間に頭を潰す、って訳か」


「問題は奇襲する人選と移動手段だけど…レイルの“顕獣疾駆(けんじゅうしっく)”は空を飛べるわよね、それでパンデラムに向かう事は出来る?」


フラウはレイルへと目線を向けるとレイルは頷きながら答える。


「半日もあれば着く事はできると思います、ただ安全に乗せて運ぶのは自分を含めて四人が限度です」


「それ以上になる場合は?」


「運ぶだけで大半の魔力を使って回復の為に休まなければならないでしょうし、空で敵と接触した時に誤って落ちる可能性が高まります」


「…とするとレイルを含めた四人でバニスを倒せる者を向かわせなければならない訳か…」


その後も侃々諤々(かんかんがくがく)と議論が続く、防衛におけるそれぞれの役割、人員の配置と編成、レイルを始めとしたバニスを討伐に誰を向かわせるかが話された。


最終的にバニスを討伐にはレイル、セラ、シャル、ローグの四人が向かう事となり、作戦が決まったと同時にそれぞれが一秒でも惜しいと言わんばかりに来る戦へと準備を開始した…。

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新作書き始めました、良ければご覧ください。 侯爵次男は家出する~才能がないので全部捨てて冒険者になります~ https://book1.adouzi.eu.org/n3774ih/
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