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――突然、だった。
激痛により失いかけていた意識……本来ならばそのまま床へと落ち、ただ気絶するだけだったはずのところ、なんと、それを現実世界へと引き留まらせたのは、皮肉にも、ボクの身体に与えられた〝さらなるダメージ〟であった。
――どういうことなのか? それを説明すると……丸められた身体。その〝墜落地点〟にあったのは、〝桃ブラ〟の〝膝〟……。
そう! 彼女はボクの股間を蹴り上げた後、蹴り慣れていなかったせいか一瞬その脚を引くのが遅れてしまい、結果予期せず生まれてしまったのは、ボクの〝全体重〟が乗せられた、あごへの〝膝蹴り〟――なんてことだ!
何たる〝偶然〟!!
何たる〝不運〟!!
〝運命〟は、そうまでしてこのボクを世界から抹消させたいとでもいうのかッッ!!!!!
――ボクは……ボクの身体は、〝何もできなかった〟…………。
落下途中にあったボクの身体は、〝桃ブラ〟の予期せぬ膝蹴りによって再び宙に舞い戻り、上下に与えられた〝激痛〟を、ただ、ただ……延々と脳へと刻み――
――そこに、だった。
「○×△□☆@ーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
……まだ、終わらないのか…………。




