5-20改
ミッション【3】
ボタンが外れて〝桃ブラ〟が見えてしまっている女子生徒を〝何とかしろ〟!
――そして、数分後。
「――お待たせ、みんな!!」
「「「…………!!」」」
再び〝決戦〟の地に戻ってきたボク……みんなは、そんなボクの〝姿〟を見て、驚愕した。
そのボクの姿とは……!!
〝女装〟ッッ!!!!!
ちなみにこの女子生徒用の制服は、お姉ちゃんの着替えをちょっと借りてきたのだけど……とりあえず、勘違いされる前に言っておこう! ボクは何もこの姿になるのが好きで、このような格好をしているわけではない。
……そう! 全てはあの〝桃ブラ〟を救うため……ボクはそのために、〝犠牲〟となることを選択したのだ!!
――ふっ、若干、ではあるけれど、〝変態〟行為をなくそうというこの部活の〝趣旨〟を無視しているような気もするけれど……しかしこれは〝人助け〟だ! つまりこの〝女装〟は、断じて〝変態〟行為には当たらないのだ!!
「泰介……お前…………ッッ!!」
ぐっ! ――ボクは、ボクの名を呟いた甲呀に向かって親指を天に向かって伸ばし、言い放った。
「行ってくるよ、甲呀!!」
ダッ! ――向かうのはもちろん、〝桃ブラ〟だ!
ボクは先ほどとは打って変わって、〝何の迷い〟もなく、すぐに〝桃ブラ〟に向かって話しかけた。
「――ヘイッ! そこのお嬢さん! ボクの姿を見て〝何か気づかない〟かい!?」
「……え? アタシ???」
と、今度はすぐに〝桃ブラ〟はボクの声に気がつき、こちらを向いた。
――瞬間、
「ひっ!! 〝変態〟っ――」
「おおっと!! 待ったーァァッッッ!!!!!」
バオッ!! そのセリフを予想していたボクはすぐに手の平を前に突き出し、〝桃ブラ〟の言葉を遮った。――その上で、言う。
「ボクのことは〝変態〟と呼んでもらっても一向に構わないよ! だけどその前に〝ここ〟を見て! ……〝何か気づくこと〟があるんじゃない!?」
「こ! こここ、〝ここ〟こ!!?」
〝桃ブラ〟は気がそれほど強い方ではないのか、おっかなびっくりではあったけれど、ボクが空いていた方の手で指差した場所を見た。
刹那!!
「あっ……!!!!??」
作戦どおり、〝気づいた〟のだ。〝それ〟に!!!
ふっふっふっ! 読者のみんなはボクの〝天才性〟についてこれないだろうから、一応説明してあげるけど、〝それ〟とはズバリ、ボクが身に着けていた、
〝ブラジャー〟に――である!
――ふっ! どういうことかって? それは……ボクは何も、ただ〝女装〟をしてきたわけではないのだ!
〝同一の服装〟!!
――つまりは目の前にいる〝桃ブラ〟と同じように、ボクは〝同じ箇所〟、〝同じボタン〟をわざと外し、その中の〝ブラジャー〟を見せつけることによって、〝桃ブラ〟に今自分がどのような状態に陥っているのか? それを説明したのだ!!
わはは! これぞボクの天才性が生んだ超・作戦! 〝同一服自気づく法〟だ!!
――〝触る〟でもなく、撮った写真を〝見せる〟わけでもない!
見せたのは、〝ボクの姿〟!!
これならば、ボクが〝変態〟と言われて殴られることは絶対に有り得ないだろう!! まさに、完璧と言える作戦である!!




