5-7改
なずなの場合。
「……さて、詰まってしまったな。……どうしたものか」
……自分で詰めておいて何言ってるの、甲呀?
「――はいっっ!!!」 キュパアッッ!!!
――と、言おうとしたその瞬間だった。
神速を超える超神速でお姉ちゃんは元気に手を挙げた。……たぶん、あれに当たったらそれだけで人が死んでしまうことだろう。
お姉ちゃんはそのまま、堂々言い放つ。
「お姉ちゃんは、たいちゃんをとにかくかわいがることを提案します!!」
「「「「…………」」」」「うふふ、やっぱり仲の良い姉弟だね♪」
……ゆりちゃん先生以外、無言……そのまま無視しよう、とは思ったけれど、さすがにそれはかわいそうだ。仕方なく、ボクはお姉ちゃんを諭すことにした。
「……ねぇ、お姉ちゃん? それさ、例えばお姉ちゃん〝以外〟の人がボクのことをかわいがったりなんかしたら……お姉ちゃん〝マトモ〟でいられるの?」
「……はっ!! ムリだ! 絶対○しちゃう!! ごめんねみんな! 今のなし! 絶対なしだからね!!」
…………。
「……改めて、詰まってしまったな」
「……そうだね」
……一応、詰めてしまったのはボクも同じこと。共犯になってしまったせいで、ボクは何も言うことができなかった。




