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愛梨の場合。
……とはいえ、このままでは全く話が進まないな。
そう思ったボクは、とりあえずは、と話を別方向へと向かわせることにした。
「――じ、じゃあさ、甲呀? 甲呀のことはいったん〝保留〟にしておいて、他のみんなの意見も聞いておこうよ。それから色々考えよ?」
「……相分かった。――では泰介、そう言うお前の意見から先に聞こう。〝変態〟部の部長としての考えを聞かせてくれ」
「いや、だからボクはノープランなんだけど……」
……まぁ、いいか。何でもいいから適当に考えつくことを言っておこう。
じゃあ……ボクは愛梨さんのことを指差して話した。
「例えば愛梨さんの〝露出癖〟について、なんだけど……それって、ただ単に〝我慢〟を覚えればいいだけなんじゃ……?」
「――そ、そんな! それじゃあ〝ストレス〟が溜まっちゃうじゃないですか! ストレスは身体によくないんですよ!!」
「え……いや、でも、そうしないと治らないんじゃ……」
「ムリです! 違う病気になっちゃいます!」
「……」
――この部活はこんな人ばっかりなのかッッ!!!!!
愛梨さんが傷つくといけないから口には出さなかったけれど……とにかく心の中でボクはそう叫んだ。




