おまけ #3
このおまけは、三話までを全て読み終わった後に読んでいただくことを強くお勧めいたします!
また、3-4改と見比べながら読んでいただくと、より楽しんでいただけるかな? と思います!
おまけ #3,入部を断られ続けた〝変態〟。しかしそんな〝変態〟に手を差――。
――以上略。
『――え~、ということで、我々茶道部は〝万年部員不足〟に悩まされておりまして、もし今年、誰も入部されない場合は、残念ながら〝廃部〟となってしまいますので、少しでも興味がある人がいたら、ぜひ一度茶道部の部室、旧館の方の家庭科室まできてください。……あ、でも〝変態〟だけは〝お断り〟させてください。それ以外の人なら大歓迎です。えーと、それから休みは――』
「………………………………」
……〝廃部〟…寸前でも……ダメ、なのか………………。
――それからまるっと二時間。〝勧誘〟式であるのにも関わらず、ボクは全ての部活動から入部を〝お断り〟され続けた。
たった一つの部活を除いて――!!
『――え~、では最後に、一年生の皆さんにもう一つだけ、部活を紹介したいと思います』
……え?
突然そう切り出したのは、あの、なぜか一人だけバニーガールの格好をした、司会のおねーさんだった。
司会のおねーさんはそれから、もう全ての部活のデモンストレーションは終わったはずなのに、いったい何の? と当然のようにざわめき始めた場内に『はーい! お静かにー!』と先んじて牽制球を放ち、それを静めた。
そして、咳払いを一つ……司会のおねーさんは自分の姿が見えやすいようにと、自分の足元に用意していた踏み台を置き、その上に乗って声高らかに言い放った。
『――はいっ! では紹介しますね! 皆さんこんにちは! ナニを隠そう、実を言いますと紹介したいのは他でもなく、このわたくしが部長を務めます、〝女装〟部という部活でございます!』
ええっ!?
全員が驚きの声を上げた。そりゃそうだ。確かに一人だけバニーガールの格好をしていたことには疑問があったものの、今までただの司会のおねーさんだと思っていた人が、実は、ちゃんとした部活の部長さんだったのだ……か……ら…………
……。
……。
……。
……その時だ。
すく、と……特に理由があったわけではなかったけれど、ボクは何となく立ち上がり、司会の〝オネーさん〟の方を見てみると……なぜか、司会のオネーさんもボクの方を真剣に見つめていた。
そして、
『――ようこそ〝マイ・シスター〟。わたくしのかわいい妹……〝入部〟を歓迎するわ……!!』
「部長ッッ……!!!」
――ボク……がんばります……! 絶対に、部長の役に立ってみせます……ッッ!!
――そう、固く心に誓ったボクの……いや、ボク〝たち〟の長い週末は、暗闇の中を昇って行く月と共に、新たな〝目覚め〟を迎えるのであった。




