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「「「!!?」」」
「そ、それは本当ですか、太郎くん!?」
思わず私が叫ぶと、太郎くんは……しかし、普段よりも鋭い目つきになって答えた。
「……ああ。確かに〝一つ〟だけだが、存在する……だがな、アイリサン。その方法は、お前のこれからの〝人生〟を、全て〝変える覚悟〟がなければできないことなんだ。――アイリサン。お前に問うぞ。お前に……」
その、〝覚悟〟はあるか……?
「〝人生を変える〟……〝覚悟〟…………!!」
「なっ!? お、おい、愛梨っっ!? 太郎っ!! テメーてきとうなこと言ってんじゃねーぞ! そんなの、できるわけが……!!」
「〝できる〟。……ただし、ともう一度言うが、アイリサンにその〝覚悟〟があった場合においてのみだ。――はっきり言おう。俺は、泰介のことを〝助けてほしい〟と思っている。だが、それは鏡。お前もそう願う相手が違うとはいえ、同じはずだ……お前はアイリサンがまた、以前と同じ笑顔を取り戻し、以前と同じく、普通に学校に通えるようになる……そうなるよう、願っているのだろう?」
「あ、当たり前だ! それ以外にこの状況……何を望むって言うんだよ!」
「ならば、俺はもう何も言うまい……師匠は言わずもがな、泰介の味方だからな……状況的に言えば二対一。俺の意見でアイリサンが考えを変えるのは望ましくない。――だから、どうするのか? その答えは全て、アイリサン〝自身〟に決めてもらいたいと思う。アイリサンが〝望む考え〟に、俺は殉じることとしよう」
「私が……〝望む考え〟……!!」
「ッッ!! ――おい愛梨! はっきり言うぞ! そこまでする必要はねぇ! 今回のことはあいつが自分でミスしたからこうなったってだけだ! お前がそれに責任を感じる必要なんてねーんだよ!!」
「そんなのダメェッッッ!! ――お願い、愛梨ちゃんっっ!!! たいちゃんは……たいちゃんは! 愛梨ちゃんのことを〝助けよう〟としてこうなったんだよ!? そうじゃなきゃ最初から〝本当のこと〟を言ってたはずでしょっ!? それなのにたいちゃんは愛梨ちゃんのことを庇った……お願い、愛梨ちゃん!! お姉ちゃんにはもう、愛梨ちゃんにお願いすることしかできないの! お願いだから、たいちゃんのことを……〝助けて〟……っっ!!!」
「桜花……お姉さん……私、私……どうすれば……!!」
「――愛梨!!」
「――愛梨ちゃん!!」
「――決めろ、アイリサン……!!」
私……私は……ッッ!!




