表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/94

第88話 踊るクレーン車

 クレーン車という建設機械は誰でも知っていると思われます。

 いろいろタイプはあります。路上移動の運転席と、クレーンの操縦席が分かれているタイプ。いっしょのタイプ。あるいは大きさ、ブームの長さなど、いろいろ差があります。

 とはいえ、基本はいっしょ。伸び縮みするクレーンがあり、倒れないように、左右前後、四カ所からアウトリガーという足を出して地面につくのはどれもいっしょです。


 フィリピンにもありました。今の日本にあるような最新式のものではありませんでしたが……。

 それでも鉄骨建方などのときには活躍する機械です。


 私の現場にも新たに小さいやつが一大入ってきました。

 建方に使うメインの機械ではなく、どちらかというと、加工する際に材料を振ったりするためのサブ機です。


 エンジニアのひとりが、私に言ってきました。

「クレーン車がイマイチ調子悪いんですが、どう思います?」


 そんなの俺に言われてもなあ、と思いつつ、見に行きました。

 ちなみに私は機械屋ではないので、クレーン車の調子が悪くてもできることはありません。


 エンジニアがなにやらクレーンのオペレーターに指示を出しました。

 クレーン車が資材を釣りながら旋回します。

「ん?」

 

 クレーン車が踊ってやがる。


 ええ、ステップを踏みやがるんですよ。アウトリガーが。

 早い話が、アウトリガーが浮いている。


「馬鹿、すぐ止めろ」


 俺をクレーンを倒した男として新聞に載せるつもりかっ!


 まあ、現実にはここでクレーンがひっくり返ったところで、私が新聞ネタになることはないでしょうが、オペが死んだら寝覚めが悪い。


「やっぱりだめですかね?」

「いいわけねえだろ!」


 吊り荷の重さに対して、クレーン車が軽すぎです。

 こんなことやってたら、いつか必ず転倒します。


 あのさあ、逆に聞きたいけど、どう考えたら、これでもいいかもしれないって思えるんだ?



 足場でも思ったけど、フィリピンの安全意識はまだまだだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ