第80話 合否の理由? 勘だよ、勘!
今まで面接受けたことはあっても、したことのない私。初面接は日本人じゃなかった。
ということで、自分の現場に抱えるフィリピン人スタッフを面接することになった私。(ちなみにマカティ事務所でリトに会ったときは面接試験ではなく、もう決まったあとの面談です)
はっきり言います。私に面接官のノウハウなどない。自分が面接受けたのだって、もう何年も前の話です。
しかも英語でのやりとり。
ははは。どう判断しろっちゅうねん?
困惑する私の前に、一人目が現れた。
プロジェクト・コントロール。主に予算や工程を管理したり、書類を作ったりする役職。
やってきたのはまだ若い男で、穏やかそうな顔つきをしてます。
履歴書を見ましたが、さっぱりわかりません。
出身校。なんか書いてありますが、どの程度の学校かすら知らん。
志望動機? そんなものは聞かん? どうせ仕事がないからが理由だろうし。
「ええっと、経験はどれくらい?」
「2年です」(忘れたけど、たいだいそんなもん)
「パソコンは使える?」
「使えます」
マジか? うちのプロジェクトコントロールはつい半年前にやっと覚えたっていうのに。
「見積もりとかはできる?」
「もちろんです」
う~ん? うそをついてるようには見えないけど、こいつらはちょっとできるだけのことでも、スペシャリストのような顔をすっからな。
でもまあ、いいんじゃね? 採用!
次、現場内経理担当の女性。まだ若いが結婚している。
「現場の経理やったことある?」
「あります」
「パソコンは?」
「使えます」
「結婚してるけど、子供は?」
「いません」
めんどくせえ。もうこいつでいいんじゃね? 採用!
ゆるゆるザル面接ですみません。
就職氷河期に何社も面接で落ちた人、すみません。
いいのかよ、そんな適当でって?
だって、勘で、こいつ使えなさそうだから落とすって、勇気いるよねっ!
そんなこんなで全員採用。もっともその場でいったわけじゃなくて、後日連絡だけどね。




