表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/94

第69話 フィリピンの雨を舐めんなよ!

 ちょっと前の話にも書きましたが、今度の工場、熱を使うので、屋根が急勾配の上、一番上に熱を逃がす換気口がついています。まあ、はっきりいって、熱がというか空気が逃げるようにつうつうになってます。

 で、そっから雨が入らないのという話ですが、もちろん、空気は横から下に抜けるような構造になっていて、上には屋根がついています。

 だから、雨なんか入りませんよ。


 ……そのはずでした。


 またしても設計者出てこい! の展開ですが、正直これは、私も図面を見てまったく問題ないと思っていました。


 ははは。……フィリピンの雨を舐めんなよ!


 私の常識はしょせん日本国内限定の常識。

 雨期のフィリピンのスコールは、日本じゃ台風に匹敵する大雨。短時間とはいえ、それがほぼ毎日。


 屋根にあたってバウンドした雨が、換気口から中に入って、降り注いで来るではありませんか。


 これ、マジ? うっそ~ん。と叫んでも、自然は容赦しません。


 プロジェクト・インチャージのトトが聞いてきました。

「どうします、南野さん?」

「縦のスレートをかさ上げして、はねた雨が入りにくくするしかないんじゃないか? できる?」

 ちょっとラフスケッチを描いてみる。

「ノープロブレム」


 ほんとか? ほんとにだいじょうぶか?

 結果的にはだいたいそのとおりの施工が完了。

 また、屋根屋によけいな出費をさせてしまった。

 っていうか、あれ払ったのかな?(なぜ俺が知らん? 忘れてるだけ?)


 ただ、それでも完全には雨をシャッタアウトできませんでした。

 もっとも完璧にそれをしようとすると、ふさぐしかない。そうすると当初の目的の熱を逃がすということができなくなってしまいます。


 向こうの工場長に相談したところ、


「まあ、いいんじゃないの、ちょっとくらいなら。霧雨じゃ濡れて参ろう、みたいな」

(すみません、適当ぶっこいてます。まさか、そこまでお気楽じゃなかったですよね)


 でも、暑い中作業している作業員はきっと大喜び。


 ……ほんとか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ