第53話 なぜフィリピーナは「でしょでしょ」いうのか?
日本でフィリピンスナックに行ったことのある人は、そこのホステスさんたちが「~でしょう?」とやたら使うのを経験したことがないでしょうか?
私はある。
はっきりいって日本語としては不自然なものです。しかし、なぜかひとりが使うだけではなく、けっこうこういう言い方をするフィリピーナは多い。
疑問には思っていましたが、日本にいるときはわかりませんでした。
しかし現地に行ってみて、フィリピン人と話してみて思いました。
謎はすべて解けた!
タガログ語には、「ディバ?」という言葉があります(綴りは知らん)。
これはなにかというと、英語でいう付加疑問。
「isn't it?」とか「aren't you?」といったものと同じです。ただし英語の場合、be動詞と主語を選ぶ必要があります。
タガログ語ではぜんぶ「ディバ?」でオッケーだ!(たぶん)
楽です。英語みたいに、主語に合わせて、be動詞を変える必要がありません。
だから私はけっこう英語の後に「ディバ?」をつけて疑問文にしたりします。
まあ、フィリピンでしか使えない語法です。
こうして魔法の言葉を「ディバ、ディバ」と多用するに至って、逆もまた真ではないか? と考えました。
つまり日本に来たフィリピーナたちが、楽に会話するために、「ディバ?」に匹敵する言葉はないのだろうかと、探したに違いありません。
そこで見つけたのが「でしょ?」。
おお、これは楽だ。画期的だ。とつい多用してしまう。それが口コミであちこちに広まったに違いない。
だから彼女たちは「でしょでしょ」いう。
けっして涼宮ハルヒのファンだからではない。
……たぶん。




