第47話 今何時(タガログ語)? そうねだいたいね(英語)
フィリピン生活が長くなってくると、なんとなくたたずまいなどが現地に溶け込んで、フィリピン人と見分けがつかなくなるということはあるのでしょうか?
ある日曜日、ダイビングに行くわけでもなく、寮の近くのショッピングモールをうろついておりました。
すると近くにいたフィリピン人の若者が、私にこう語りかけてきました。
「アノ オラス ナ?」
タガログ語です。なぜ私にタガログ語で話しかけてくる?
私がフィリピン人に見えるのか?
しかも不幸なことに私はその言葉の意味がわかってしまった。
まあ、たまたま知っていた程度のことなんですが、ようはその若者はこう言いたかった。
「今何時ですか?」
私は時計を持っていました。言葉がわからないふりをして、「は? なんですかぁ?」とやるのはかえってめんどくさかった。
「今、●●時だよ」
もちろん英語です。それをタガログ語でいうのはさすがに無理でした。
その若者、ちょっと変な顔をしました。
きっとこう思ったんでしょう。
「なんでわざわざ英語で答えるんだろう?」
私が言葉を理解してしまったが為に、ますます、私をフィリピン人だと思ったことでしょう。
なのにわざわざ英語で答えるなんて、なんてすかした野郎だ。
私が日本人観光客だなどという可能性はつゆほどにも感じなかったに違いない。(まあ、観光客じゃないけど)
日本で、時間を聞くのに、わざわざ外国人に日本語で話しかける奴はいない。
まあ、それはいいでしょう。
問題はなぜ私のことをフィリピン人だと思ったかです。
ぜったいにフィリピン人っぽい外見はしてないつもりなんだがなあ。




