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第45話 これがフィリピン工法だ!(コンクリート打ち編)

 これまでフィリピンの施工の仕方をいくつか紹介してきましたが、その特徴は現場合わせ。

 現場で溶接する。現場で加工する。足場に至っては、現場で木を適当に切って組み立てる。

 ある意味、余分な手間がかかりますが、厳密な寸法あわせなどを事前にしなくても、ある程度は、ごまかせちゃう。

 そういうやり方が性に合ってるんでしょうね、彼らには。


 それではコンクリートはどうするのか?


 やっぱり現場で練っちゃうんだな、これが。


 もちろん、一気に大量に打つ場合は、プラントから生コン車で運びますが、こまめにちょこちょこ打つ場合は、もう現場練りです。

 ドラム缶くらいの大きさのミキサーに、砂と砕石(砂利)とセメント、それに水を入れてがらがらかき回します。


 もちろん間違いじゃありません。砂と砕石とセメントを水で混ぜたものこそがコンクリートです(ちなみに砕石を抜いたものはモルタルという)。

 工場では強度や流動性を調整するために特別な薬剤を混ぜたりもしますが、基本はそれだけ。


 じゃあ、べつにいいじゃんと思われるかもしれませんが、現場練りってやつは、品質をコントロールできない。

 具体的に言えば、強度です。

 流動性は水入れれば、出てきますが、コンクリートってやつあ、水入れれば強度が下がるわけです。

 プラントはその辺をコンピューターで管理しますが、現場打ちでそんなことできるわけがない。


 フィリピン工法で、これはありだな、と思うこともありますが、コンクリート打ちに関しては、日本の方がいいな。


 ちなみに中にはとうぜん鉄筋を入れますが、日本の鉄筋になれてると、こっちのは細いし、本数も少ない。


 こんなんでだいじょうぶなんか? って感じです。


 日本ほど地震のないフィリピンでは、その辺がアバウトなんだろうなあ。


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