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第36話 社内旅行はどこに行く? 海だ!

 日本でも行う社内旅行。年に一回、支店とか営業所単位で行う、あの社内旅行です。

 日本にいるときは、1回か2回しかいったことのない社内旅行ですが、こっちではほぼ強制参加。

 日本人と現地スタッフが合同で、バスに乗り込みます。

 バスの中ではなにやら映画の上映。小さいモニターでとうぜん字幕はなし。

 もっともこっちももはや、字幕なしで映画を見るのは慣れている。相変わらず、ハリウッド映画のヒアリングはさっぱりちんぷんかんぷんですが、例によって話の流れを推理する、ストーリー作成能力養成ギブス的鑑賞法でノープロブレム。

 ローカルスタッフたちも盛り上がってます。(悔しいことに、彼らはハリウッド映画の内容が耳でわかるらしい)


 で、そうこうして向かっている先はどこかというと、……海!


 どこの海? 知らん!


 到着したところ、ダイビングスタッフはいないので、ダイビングリゾートではありません。

 とりあえず、ビーチはある。

 で、フィリピン人は意外と海で泳ぎません。沖縄県民が海で泳がないのと似ているかもしれない。


 私は泳ぎました。元水泳部の血が騒ぎ、バタフライなどもやってみる。

 受けてました。


 ビーチに戻ると、オプションでスノーケリングツアーがあることが判明。

 といっても、小型のバンカーボートですぐ近くにいって、その辺でスノーケリングするだけですけど。


 日本人たちみんな「行ってみるか」とかいいつつ、うだうだ。

 Oさんが私にいってきました。

「南野さん、行きましょう。どうせあいつら、ぐだぐだいってるだけで、結局行きませんから」(断言)


 Oさんは正しかった。けっきょく、彼らはどこにも行きませんでした。


 で、私とOさんはふたりで沖に出て、スノーケリング三昧。

 ダイビングスポットじゃないだけあって、水の透明度もいまいちだし、珊瑚の状態もあまりよくはありませんでしたが、まあいいじゃないですか。海に来たら、潜るのが私の主義だ。


 そういえば、このとき、我らがすごい男、Sさんはいませんでした。

 たぶん、骨折中のできごとだったんでしょう。


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