第34話 これがフィリピン工法だ!(足場編)
さて日本とフィリピンの工法を比較した場合、やはり目につくのは足場です。
足場というものは工事の最中にこそ必要ですが、終わってしまえばばらしてしまうもの。
手を抜いても工事が終わってしまえばわからないという反面、安全面に直結するやっかいなものです。
ちなみに日本の足場は、いろいろ工法がありますが、総じて……、
1.頑丈である。
2.手すり、開口部養生など安全面に十分考慮してある。
3.見た目もきれい。
といった特徴があります。
部材はネットなど以外はすべて鋼製。(一部木製足場板などを使う場合もありますが)
躯体にはアンカーを打って壁つなぎをとり、多少の地震が来ても崩壊しない頑丈さ。
そして人が下に落ちない、ものを落としても下まで落ちないを前提にしています。
これに慣れていると、フィリピンに来たとき、
「え、こんなんでいいの?」
と思います。
え、あれか? 中国で使っているという噂の竹足場か?
残念、竹はあれでけっこう丈夫な部材です。
(コンクリートの中に鉄筋代わりに入れても、それなりの強度は出るらしい)
フィリピンで使っているのは木です。それこそそこらの建材で使うような角材(あまり太くない)。
空手の有段者が思いきり蹴飛ばせば折れそうな木です。
だ、だいじょうぶかぁ、これ?
とりあえず、だいじょうぶなようです。上を歩いていて、ぼきっと折れて人が落ちたりはしませんでした。
もちろん、足場のそとがわに落下防止用のシートを張ったりはしませんが、そこからものを落として、下の人にあたったという話も聞きません。
まあ、これは二階建てくらいの工場で、敷地もだだっ広いところでの工事ですから、この程度の足場でもいいのかもしれません。
街中の高層ビルとかマンションはさすがにちがうよなあ。
……きっと。
(街中歩いてて、見たかもしれませんが、どんな足場を使っていたか、まったく記憶にありません)
ちなみに私はフィリピンでは一度も足場の上には乗りませんでした(断言)。




