第33話 すごい男、めげずに潜る
さて、ダイビングで(というか、その前に)足を骨折したSさん。もうダイビングに行くことはこりごりなんでしょうか?
ははは、まさか。あのすごい男がその程度のことでめげるはずがないじゃありませんか。(やっぱりただ者じゃないな、この人)
「南野、O、こんどの休みに行くぞ」
足が治るやいなや、私とOさんとともにふたたびセブ最南端のリゾートへ。
足治ったばっかりなんだから、やめとけ、なんてとめるやつはもはや誰もいない。
今回はちょっと足を伸ばして少し遠い島まで遠征。
ちょっとだけ北上したところにあるスミロン島です。
まあ、島といっても一周するのにたいした時間のかからない小島ですが、一応、リゾート施設もあります。もっともうちらは外から船で行くのでその施設は使いません。
バンカーボートでゆったりと30分くらいすると到着します。
今回入るポイントは「バラクーダポイント」。その名の通り、バラクーダが出現するポイントです。
バラクーダとはなんぞやという人に説明すると、ようはでかいカマス。全長1メートルから1.5メートルくらいあります。
ボートからエントリーすると、潮に乗って流していきます。
20分ほどしたでしょうか、ガイドの指さす方を見ると、バラクーダが。
でけえ。しかも編隊だ! 20匹くらいいる。
水中カメラマンの血が騒ぐ南野。カメラ抱えてダッシュ。
バラクーダの群れと平行して泳ぎ、シャッター切りまくり。
ちなみにこのときの写真はけっこうお気に入りです。
上がった後は当然その話題に。
「すごかったですね」
「おお、あれはすごかった」
とくに私は触れるくらいまで近づいたので、感激もひとしおです。
ちなみにバラクーダ。一説によるとかなり凶暴な魚とか。
サメより恐ろしいという人もいるとか。
し、知ったことかぁあああ!
まあ、だいじょうぶでしょう。ダイバーがバラクーダに襲われたなんて話、聞いたことがありません。
というか、ダイバーというのは、サメが出ると聞けば、わざわざ金と時間を費やしてそこに行くという奇特な人たちなのですから……。




