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第32話 エッセイにもヒロインが必要なんじゃないだろうか?

 いきなり「エッセイにもヒロインが必要なんじゃないだろうか?」などと言われれば、あなたはなんと答えるでしょう?


 まあ、それが真理かどうかはともかく、今まで私のエッセイには女っ気がなさ過ぎました。それでもメイドさんが出てきただけ、前作よりはましだ。

 私の書く小説にはたくさん女性キャラが出てくるのに、エッセイにはぜんぜんでてこないのはなぜか?


 私のまわりに女がいないからだっ!


 聞くなよ、そんなこと(しくしく)。


 とはいえ、私の仕事は建築現場の監督。まわりに女がいないことはむしろあたりまえ。なにしろ現場には基本、男しかいないからだ。(ちなみにモテないわけではありません。いや、ほんと)


 ということで、このエッセイに無理矢理若い女性を出そうとすると、どうしてもカラオケ屋の姉ちゃんになってしまいます。


 Sさんの現場に入ってからは、カラオケに行くのも必然的にSさんといっしょが多くなります。

 まあ、この人、遊ぶときは仕事の話を一切しない人なので、そういう点では気楽。

 そして通ってるうちに、だんだんなじみの女の子ができてくるのはとうぜんです。

 私も気の合う子に出会いました。

 当時19歳のG嬢。たぶんちょっと欧州の血が混ざったキュートな子。


 SさんはSさんで、別の子と盛り上がってます。

 で、時間が来ると、G嬢はせまります。

「あたしたち指名で延長してっ!」

「よっしゃ」

「やったぁあ!」

 ふたりはハイタッチ。


 か、かわいいじゃねえか。


 誰だ? 指名料が入るからうれしいんだよ、なんて無粋なことをいう奴は?


 こうして盛り上がった私たちは、ついにカラオケで英語デュエットに挑戦。

 前にどこかの話で書いた気がしますが、「エンドレスラブ」。(あれ、ひょっとしてタイトル違うかも)

「愛と青春の旅立ち」のテーマ曲です。


 なぜかいきなり歌えてしまう南野。

(すみませんねえ、笑えるネタにならなくて)


 これで気をよくした私は、次からは必ずG嬢を指名し、締めには必ずその曲を歌うようになったとさ。


 ※誤解のないようにいっておきますと、この店はエッチなサービスはいっさいありません。


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