表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/94

第22話 すごい男はいきなりバトルする!

 あたらしい現場はまだ始まらず、Sさんはマカティの事務所で準備をしていましたが、ある日、支店長といっしょにM籐さんの現場(つまりまだ私がいる現場)にやってきました。

 なんでも発注者の会社の偉い人(日本人)が近々現場を視察に来るそうです。

「おう、ちゃんと準備しとけよ」

 支店長はそういいのこすと、自分はさっさと帰っていきました。


 M籐さんはあきらかにめんどくさそうでした。

 しか~し、対照的にSさんは燃えた。


「M籐さん、あれやっときましょう」

「これも準備しときましょう」

「あれも、これも……」


「いや、Sさん、いいから、こっちでぜんぶやるから」

「え、でも……」

「いや、いいから。っていうか、そんな特別なことする必要ないから。いつもどおり、ありのまま見せればいいんだから」


「いや、俺はそうは思わないな」


 おお、なにやら、不穏な空気が……。


「そのために俺をわざわざここに連れてきたんでしょう?」


 ざわざわざわっ。

 聞きようによっては、あんたが無能だから支店長が俺に頼んだと言わんばかり。


「あ~っ、そうですか? そうですよね。じゃあ、よろしくお願いしますっ」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴ!

 M籐さん、反撃きたぁあああ! じゃあ、有能なあんたがやってください。お手並み拝見します。ってところですかっ?


 っていうか、いきなりバトルはじめんなよっ!


「ようし、南野やるぞっ」

 すでに、手下扱い。とほほ。


 Sさん、はりきってなにやらやったんですが、なにをやったかまるっきり覚えてません。

 覚えてませんが、なんかすばらしいことをやったんでしょう、きっと。あれだけ大見得切ったんだから。

 そうに決まってます。


 ちなみにこの直後、新しい現場が始まり、M籐さんの下についていた有象無象どもは、二手に分かれました。

 ちなみに私はSさんの現場だった。


 ……やっぱりな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ