表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【R15版】妹よ、俺をオカズに致すなよ! 〜変態兄妹の特殊性癖女子攻略作戦〜  作者: カグラ
第5章 逆バニー戦士ミミ子ヲタク【黒峰咲夜】 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/74

第39話.ダーカーザン闇鍋

「お嬢様、夕食までまだ暫く時間が御座いますので、皆様とゲームなどしてお待ち下さい」

「わかったわ」


「和哉殿は、申し訳御座いませんが、少しこの部屋の片付けをお手伝い頂けますか?」

「わかりました」


「じゃあ、女性陣は、娯楽室でゲームをしましょ」

「咲夜さん、どんなゲームがあるの?」

「限定ジャンケン,地下チンチロ,Eカード,鉄骨渡りとか、何でもできるわよ」


ダーツとかビリヤードじゃないんだ···

内容の偏りが酷いな。

てか、それ本当に娯楽室か?






そんな(かしま)しい女性陣がシアタールームを跡にし、俺と爺やさんだけが残った。


「爺やさん、俺は何を手伝えばいいんですか?」


「和哉殿、すみません。手伝いというのは、2人きりになる為の方便で御座います」


「え?」


「改めて、和哉殿に感謝を伝えたく···この度は、咲夜様の”願い”を叶えて頂き、ありがとう御座いました」

深々と頭を下げる爺やさん。


「あと、楓ちゃんに巡り合わせて頂き、本当にありがとう御座います」

三つ指をついて、土下座する爺やさん。


「か、顔を上げてください、爺やさん」

いい歳した男のそんな姿、見てられないので···


「俺たちは、目的の抗体が手に入りましたし、何より、俺自身結構楽しかったので。きっと、円香や春子だって···」

緑川は知らんけど。


「そう言って頂けますか···そんな和哉殿に、この爺やから1つお礼の品が御座います」






そう言って”男”の顔になった爺やさんに先導され、あるモノの前へ。


先程咲夜が使用していた、アヒルデザインの”おまる”だ。


「和哉殿、コレを」

爺やさんが手渡してきたのは、調理などで使用する700ccまで入るサイズの計量カップだった。

爺やさんの手にも、同じモノが握られている。


「和哉殿、ここは男同士、(いさぎよ)くきっちり2等分といきましょう」


咲夜、お前のお抱えのこの”紳士”は、かなり話しのわかる御仁のようだ。






爺やさんと”男の友情”を深めた後、娯楽室へ向かうと、美少女4人が姦しくゲームに興じていた。


「円カン、(へび)でいてくれてありがとう······!」


「夢だよ····これ····夢に決まってるよ······!」


「円香、ところがどっこい···夢じゃないわ···!現実よ···!これが現実···!」


「ノーカウントッ···!ノーカウントッ···!ノーカン!ノーカン!」


「青山さん、胸を張りなさいっ···!手痛く負けた時こそ···胸をっ···!」


何のゲームやってんだ、こいつら···






「皆様方、闇鍋の準備ができました」

爺やさんの案内で、和室へと通される。


室内には、5人で入っても十分に余裕のあるサイズのコタツと、卓上にはそれに見合った大型の土鍋が用意されていた。


「やっぱ、鍋といったらコタツでしょ!」


ナイスだ咲夜。

お前のお陰で、冬を待たずして”コタツの中覗きプレイ”が楽しめそうだ。






みんながコタツに脚を入れたのを確認する。


では、失礼して···

俺は、コタツの中に顔を突っ込んだ。


「グエッ!」

パンツビューが目に飛び込んでくるかと思いきや、俺の顔面に物理的に飛び込んできたのは、緑川の25.0cmの足裏だった。


「堂々と覗こうとしてんじゃないわよ、ヘンタイ!」

「いててて、容赦ねーな」


「でも、良かったんじゃない、お兄ちゃん」

「まぁ、緑川の足裏を味わえたからプラマイゼロというか、むしろかなりプラスだとは思うが···」


「そうじゃなくて、今”コタツの中覗きプレイ”を消費しちゃったら、冬の時期にネタ切れして苦労するかもしれないじゃん」


なんだ、そんな事を心配してたのか。


案ずるな、円香。

ネタのストックなら腐る程あるから安心してくれ。


お兄ちゃんが恐れているのは、ただ1つ。

”BANされないか”

俺はそれだけが不安だよ。






「みんな、準備は良い?電気消すわよ」


「おう、いいぞ」

心の準備はできていないが···


プツン。

部屋が闇に包まれる。


「さぁ、みんな、食材を入れて!」

ポチャン。ボトボト。ドポンッ。ヌチャッ。


頼むぞ、お前ら、せめて”食材”を入れてくれよ···


「ちょっと!青山君!あなた今、私の胸触ったでしょ!」

暗闇の中で、緑川が声をあげる。


「え?いや、俺は何もしてないが···」


「いけませぬな、和哉殿。闇に乗じて楓ちゃんにお触りとは···」


くそっ、スケベジジイが。

俺に罪を擦り付けるつもりか。


ピカッ。

咲夜が、前触れなく電気を点けた。 


緑川の隣に、暗視スコープを装備した爺やさんが立っていた。


「···まぁ、和哉殿も年頃の童貞ゆえ、致し方ないかと···」


「いや、流石に無理があるよ」






緑川がスケベジジイをボコボコにして縛りあげたところで、丁度鍋が煮立って食べ頃となった。


「じゃあ、ここからは俺が仕切らせてもらおう。まず、この中で、我こそは”マトモな食材を入れている”という自信のある者は挙手してくれ」


「はい」「はい」「はい」

円香,春子,咲夜が揃って手を挙げる。


意外にも、緑川は手を下ろしたままだった。


「緑川、お前、何を入れたんだ?」

「いや、私、鍋に食材を入れてないの」


「なんで?」

「···青山君、特別に、あなたにだけ食べて欲しいものを持ってきたの···だから、あなたの取り皿に直接入れさせて欲しいのだけど···」


珍しくモジモジと上目遣いの緑川の仕草に、ドキッと胸が高鳴る。


「あ、あぁ、わかった、じゃあこの器に入れてくれ」


「ぬぅ〜、和哉殿、抜け駆けですぞ〜、羨ましいぃ〜!」

うるせぇジジイだ、黙ってろ。


緑川は、自前のタッパーから、”食材”を取り出して器へ入れた。


···何、この草?

野菜?山菜?


「これは何だ?」

「言わなきゃ、ダメ?」

「ダメだ」


「···アジサイの葉,スイセン,チョウセンアサガオ,トリカブト」

「おい待て、それ、全部毒あるやつだろ」

「ちっ、知ってたか···」


こいつ、俺が知らなかったらそのまま食わせる気だったのか···


「嫌がらせするにしても、せめて無害なモノにしてくれ」

「無害なら良いの?」

「あ、ああ」

「じゃあ、コレ、あげるね♡」


ボトボトボトボト。

器に投入されたのは、十数本のチョークだった。


「いやいや、緑川、チョークが無害なわけないだろ」

「···お兄ちゃん、今検索してみたけど、チョークは体内に入っても大丈夫なんだって」

「マジかよ···」


「青山君、私のチョーク、残さず食べてね♡」


「爺やさん」

「なんで御座いましょう、和哉殿」


「”楓ちゃんの”チョーク、欲しい?」

「”楓ちゃんの”チョーク···欲ちい♡」


とりあえず、チョークを全部まとめて、爺やさんの口の中にぶち込んでおいた。

 

これでこのジジイも静かになるし、一石二鳥だ。






「じゃあ、次は···」

「はい」「はい」「はい」

とりあえず、円香、お前は最後確定だ。


「咲夜、いってみようか」

「あたしは、ちゃんとした食材を入れてるから安心して♡」

「言ってみろ」


「タガメ,サソリ,カブトガニ,タランチュラ,臭豆腐,シュールストレミング,ホビロン,なんかよく分からん国のよく分からんイモムシ」


「世界中のゲテモノ詰め合わせじゃねーか!」

最後のイモムシとか、もうヤケクソだろ。


「パパに頼んで、産地から直接買いつけたの」


黒峰グループのコネクションの無駄遣いが過ぎる。


「ホビロンとか、いったいどんな料理なんだ···」

「あ〜、画像検索はしない方がいいかも」


そんな食材を採用してんじゃねーよ。





「次は春子、お前だ」 

「ご指名、ありがとうございます」


好きで選んでるわけではない、消去法だ。


「私が入れたのは···」

···ごくりっ。


「きゅうり,ズッキーニ,ナス,ゴーヤ,バナナ,フランクフルト,魚肉ソーセージです」


なんだ、普通の食材じゃないか。

心配して損したぜ。


ホッと胸を撫で下ろす。

コイツにもまだ、大和撫子の片鱗が微粒子レベルで存在していたようだ。


···ん?

待てよ、この面子(めんつ)は···


「な、なぁ、春子。ソレって、お前の”使用済み”だったりするのか?」

「···はい///」


ポッと頬を赤らめる春子と、対照的に青ざめる俺。

マジでコイツ、トチ狂ってやがる···


「···ちなみに、どれが1番好みだったんだ?」


「ゴーヤですね///太さと固さに加え、あのイボイボがとても良かったです///」


「そ、そうか、まぁ、程々にしておけよ···」


今日から、”大和撫子”の対義語は、”桃瀬春子”だ。






「円香、最後はお前だ!」

「よっしゃー!待ってましたー!」


「言え、お前がこの鍋の中に入れたもの全部、白状しろ!」


「ん~とね、お兄ちゃんが昨日履いてた未洗濯のパンツと靴下でしょ。あとは〜、お兄ちゃんの枕カバーと、子供の時に抜けた乳歯と、”へその緒”も入れたよ」


「色々とツッコミたいのは山々だが、これだけは言わせてくれ···母さんが大切に保管していたであろう俺の”へその緒”を、こんなしょうもないギャグの為に消化すんじゃねーよ!」


「でも、お母さんには衛星通信で確認してOK貰ったよ。『和哉が主人公の作品の為ならいいわよ』って言ってたよ」


母さん、愛が軽いのか重いのか、判定が難しいよ···






「そういうお兄ちゃんは、何入れたの?」


「俺か?俺は普通の食材だけど···」

「怪しい···お兄ちゃんも白状しなさい!」


「俺が入れたのは、えのき,練乳,ひじき,アワビ,レモンティーだ」


「「「「···」」」」


どうした4人とも、何もオカシイ事なんてないだろ。


言葉通り、そのまんまの意味だぞ。


えのき,練乳,ひじき,アワビ,レモンティー。

俺はただ、普通に”食材”の話をしているだけなんだが。

ご愛読ありがとうございます。

画面下にある☆で、評価して頂けると嬉しいです。

※☆5じゃなくても構いません。

 ☆1でも、☆2でも、素直な評価を頂けたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ