スネイクとドリアの気まぐれお料理教室〜ピーマンに、肉を詰めるでございますわ〜。
「どうも〜、ご無沙汰しておりますですわっ! わたくしが最後に本編に登場してから随分と経っているでございますわ。もぅ〜〜〜、我慢できな〜〜いでございますっ!」
ドリア・ヌ・ロドリゲスは、撮影用の特設キッチンにいる。テレビでよく見るあのキッチンだ。
「今回は特別編ということで、わたくしが、スネイクと一緒に、『シェフの気まぐれお料理教室』を開催するでございますわっ!」
「そうでございます。今日はしっかりと料理を作っていきますぞ〜。」
ドリアの横にいるのは、スネイク・ド・ファルシアだ。ロドリゲス家の執事であり、ロドリゲス家の家事全般とドリアの世話を任されている。
「そうですわ、スネイク。今日は、このピーマンを使った料理を作るでございますわっ!」
ドリアは、右手にピーマンを握りしめている。小学3年生の女児の手にピッタリと収まるほどのピーマンだ。
「そうでございます。今日は『ピーマンの肉詰め』を作ってまいりますぞ!」
スネイクも、ドリアの横でウンウンと頷く。
「あら……スネイク……? 今なんとおっしゃいました? このピーマンに肉を詰めると……? そうおっしゃいましたね?」
「そうでございます! ドリアお嬢様! ピーマンに肉を詰めるのでございます!!」
「どっひゃああああ〜〜でございますわっ! あろうことかピーマンに肉を詰めるなど……。そんなことをやっても大丈夫なのでございましょうか?」
「大丈夫でございます! 野菜のピーマンに肉を詰めるだけでございます。ドリアお嬢様。ちゃんとした料理でございますぞ。全くやましくもやらしくもございませぬぞ!」
スネイクは、拳を握りしめ、力説した。
「そ、そうでございますか……? では、スネイク! 『ピーマン』と10回言ってみるでございますわ!」
ざわ……。
ざわ……。
ざわ……。
会場がざわつき始めたが、そんなのは御構い無しに、スネイクはドリアの言葉に頷いた。
「ドリアお嬢様! そんなもの何も問題ありませぬぞ。野菜の名前を連呼しただけで、何が起こりましょうか? では、参ります……。ピーマン ピーマン ピーマン ピーマン ピーマン ピーマン ピーマン ピーマン ピーマン ピーマン!」
スネイクはちゃんと10回、『ピーマン』と言った。
「いい感じでございますわね、スネイク。その覚悟、しかと受け取ったでございますわっ! では、早速調理を始めるでございますわ〜!」
ドリアの言葉に、スネイクはコクリと大きく頷き、右手に包丁を握りしめる。
「では、まずはピーマンを半分に切ってゆきます」
スネイクは、優しい手つきで、ピーマンを手に取る。スネイクのがっしりとした手中に、小さめのピーマンが握られた。
そして、まな板の上に置かれたピーマンは、人差し指と親指で支えられた。
「それでは、ドリアお嬢様。まずは私が手本をお見せいたします!」
スネイクは、まな板の上のピーマンに包丁を入れ、それを真っ二つにした。ピーマンの中には、空間があった。何かを包み込めるようなそんな優しい空間だ。
そして、真っ二つになったピーマンの内側に指が入れられ、ゴツゴツした表面が、指先によってなぞられる。スネイクは、人差し指と中指を揃え、ピーマンの内側を執拗にほじくり返した。
「あんっ……。スネイク……。そんなことしたら……種子が……。飛び散るでございますわっ……。」
ドリアは悲鳴を上げる。
その悲鳴もお構いなしに、スネイクは、ピーマンの内側を執拗にグリグリとなぞった。
ボトッ
ペチャ ぽちょ
まな板の上に、種子が飛び散った。
「ふぅ、これで種子は無くなりました。それでは、もう一手間かけた下処理をいたします……。」
スネイクは、右手にフォークを握る。
「ちょっと……。スネイクっ! 何をっ……? 何をするつもりでございますかっ……?」
ドリアは、スネイクの行動がよく理解できずに驚いた。
「安心してください、ドリアお嬢様! このフォークで、ピーマンに穴を開けるのでございます」
「あっ……穴を……? ピーマンに穴をっ……? なんてことでございますか……。スネイク、一体、何のためにそんなことを……?」
ドリアは、小刻みに頭を振る。ピーマンに穴を開けるなんて、想像しただけでも恐ろしいのだ。
「この穴を開けておくことで、肉がピーマンから離れなくなるのでございます」
怯える顔をしたドリアに、スネイクは笑顔を向ける。
「……そ、そうでございますか。ピーマンに穴を開けると、肉が離れなくなるのでございますか。それは意味深でございますわ〜!」
ドリアは、なんだか嬉しそうだ。
「では、参りますぞっ!」
スネイクは、フォークを握り直し、まな板の上に置かれたピーマン目掛けて、フォークを振り下ろす。
パンっ
パンっ
パンっ
ピーマンにフォークが貫通し、まな板との間で乾いた音が鳴った。
「これくらいで大丈夫でございましょうか」
スネイクとドリアの目の前には、下処理がされ終わったピーマンがあった。
穴を開けられ、少ししなったピーマン。種子を抜かれ、ゴツゴツした内壁を露わにされたピーマン。もぅ、お肉を受け入れる準備は万端だ。
「それでは、わたくしも……。ピーマンを……。」
ドリアも、スネイクに見せてもらった通りに、ピーマンの下処理を始めた。
――――――――――――――
ピーマンの下処理が終わった。
まな板の上には、半分になったピーマンが、ゴツゴツした内壁を上に向け、お肉が挿れられるのを待っている。その数、10個。ピーマン10個。
「それでは、ドリアお嬢様。ピーマンの中に詰める『ミンチ』を用意していきますぞ」
スネイクは、机の上に『ミンチ』を用意した。
「あら、スネイク? 『ミンチ』でございますか。そんなものをピーマンに詰めて大丈夫なのでございますか? そもそも、どうして人はピーマンに肉を詰めようなどと思ったのでございましょうか?」
「それは、人の性でございます。人という生き物は、穴があったら何かを挿れないと気が済まない生き物なのでございます……。でも、安心してください、ドリアお嬢様。ミンチならピーマンに詰めても大丈夫でございます! さて、まずはこれを、練っていきます」
ボールの中に出されたミンチは、スネイクの手によって、練られてゆく。
ニチャ
ネッチャ
クチュ
と、音を立てながら、ミンチはアッーーと言う間に練られた。
ピンク色でしっとりとした潤いを帯びたミンチの塊は、ボールの中に鎮座している。
「では、これを……。今、詰めてゆきます」
スネイクは、ミンチの塊から、小さな肉塊を摘みあげ、それをピーマンの中に挿れてゆく。
ニュッ
ミンチはピーマンのゴツゴツした内壁に擦られて音を立てた。
スネイクは、指先で丁寧にピーマンに肉を詰めてゆく。時折、親指を使いながらも、丁寧に丁寧に、隙間が埋められる。ピーマンの内側がピンク色で覆われてゆく。そのねっとりと油の乗った表面を上にして、ピーマンはまな板の上に置かれた。
ゴツゴツした内壁を露わにして、心の隙間を埋めて欲しそうにおねだりしていたピーマンは、ピンクの肉によって、十二分に埋められたのだ。
ミンチが詰められたピーマンは、満足そうな表情で、まな板の上に横たわっている。そのピンク色でしっとりとした表面を上に向けて……。
「これで、1つ目が完成でございます。これは、あとは焼くだけでございますね」
1つ目のピーマンに肉を詰め終えたスネイクは、ドリアに笑顔で語りかけた。
「さすがスネイク! 惚れ惚れするほどの手際の良さでございましたわ。ピーマンも喜んでいるようでございますわ〜!」
「ありがたいお言葉にございまする。ドリアお嬢様。では、お嬢様も……。」
スネイクの言葉に、コクリと頷き、ドリアはピーマンに手を伸ばした。
――――――――――――――
スネイクとドリアは、合計10個の『ピーマンの肉詰め』を完成させた。いや、まだ火は通っていないので完成ではないが、焼く前の準備ができたのだ。
10個のピーマンは、しっとりとした表面をピンク色に火照らせ、上を向いて焼かれるのを待っている。『早く火を通して〜!』、『熱いのっ、熱いのを早くっ!』と言わんばかりに、まな板の上で待ち構えていた。
「では、ドリアお嬢様。これらを焼いていきますぞ〜!」
スネイクは、コンロに火を入れた。すぐにフライパンは熱くなり、表面に存分に塗られたサラダ油によって、テカテカと黒光りする。
そうして、10個のピーマンの肉詰めは、スネイクとドリアの手によって、フライパンの上に並べられ。焼かれた。
――――――――――――――
焼き終わったピーマンの肉詰めは、ホカホカと湯気を上げていた。そう、激しい運動の後に体のいたる所から汗を発しているマッチョのように。ピンク色のミンチは色を変え、黒い焦げを少し纏いながらも、いい感じに焼かれていた。ピーマンも、表面を油でギットリ、それでいてテカテカとさせていた。
それらのピーマンの肉詰めは、すぐに皿に移された。そして、近くのテーブルに運ばれる。
「ドリアお嬢様! 完成でございます! これには、お好みで、何をかけてもいいでございます」
ドリアが先に椅子に座り、彼女の前にピーマンの肉詰めの乗った皿が、コトリと置かれた。
「そうでございますか……。では、わたくしは、マヨネーズにするでございます」
「なるほど。ドリアお嬢様、お目が高い。では、私はケチャップにいたします」
ドリアは、テーブルの上のマヨネーズに手を伸ばした。同時に、スネイクもケチャップに手を伸ばす。
どぴゅ
びゅりゅり
にゅぴゅっ ぴゅ どっぴゅっ!
ドリアとスネイクは、それぞれの取り皿に取られたピーマンの肉詰めに、思いのままにマヨネーズとケチャップをぶっかけた。
「では、いただきますでございますわ〜!」
熱々のピーマンの肉詰めからは、肉汁が滲み出している。その表面にぶっかけられた白いマヨネーズと肉汁が、ドリアの箸の先で、混ぜ合わされる。ドロッとしたマヨネーズに絡まった肉汁は、テカリを失わないまま、白濁した液体へと姿を変えていった。
パクッ
ドリアは、大きく口を開いた。白濁したマヨネーズを纏ったピーマンの肉詰めは、ドリアの口の中に入ってゆく。
白濁した液体は、ドリアのピンク色の唇に当たる。進行方向を変えた液体は、ドロリと唇の横から垂れる。まるでヨーグルトの蓋についたあの白い液体のように。
「はうっわぁ〜。美味しいでございますわ〜!」
ドリアはピーマンの肉詰めに舌鼓を打つ。
「それは良かったでございます。がんばって作った甲斐がありますぞ〜!」
ドリアの笑顔に、スネイクも嬉しそうだ。
こうして、ドリアとスネイクは、10個のピーマンの肉詰めを、アッーーという間に平らげてしまった。
「素晴らしいピーマンの肉詰めでございましたわ〜。わたくし、すっ〜〜ごく満足でございますわ! では、みなさま。ご機嫌麗しゅう〜。」
ドリアは、満面の笑みで手を振った。
お料理教室 完
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私、高村まんご。小学3年生。
さぁて、今回は、スネイクさんとドリアちゃんのお料理教室だったね。前回が人気だったから、待望の第2回目だよ!
もぅ〜。やりたい放題すぎるよね。この2人……。
うん。まぁ……。特別編だし。本編じゃないから〜。大丈夫!
というか、ピーマンにウインナソーセージを詰めた料理もあるらしいね。うん。とんでもないものもあるんだね。
世界は広いね〜〜。
まぁ〜、これも、気が向いたらスネイクさんが作るかもね。ははは。
さぁて、この間、2月が始まったくらいだったよね〜。
ということで、時間もちょっと進み、2月の真ん中と言えば、このイベント!
毎年この日に、リア充とリア充撲滅委員会の抗争が勃発するんだよねぇ〜。
え? あぁ、まぁ、この作品に出てる方々は、あんましリア充じゃないからねー。うん。そんなラブラブな展開にはならないとは思うんだけどね〜。
だから、どっちかというと撲滅委員会側だよね……。でも、爆破とかはしないよ〜。ははは。
あっ、さやかちゃんはね……。どうすんのかなぁ〜?
誰かさんに、あげるのかなぁ〜?
まぁ、どうなるかは、遥さんの気分次第だね(笑。
ということで、次回はチョコを食べるから!
え? うん。
わかってるよ! もちろん、小さい『ょ』は、伏字にしないとね〜。
次回は、まんごちゃんが、チ○コを食べます!!!!
どんっ!!!
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン Tropical FruitS
『第78話 バレンタインにはチョコをあげるんだまんごー』
だよっ!
絶対に読んでねっ!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




