番外編 宮村まんごのティータイム3
睦月の終わり。まだ寒波が続く中、久方振りの雪が降る日。
宮村まんごの家にも、沈沈と雪が積もりつつあった。その一室、宮村まんごの部屋もまた、しんと静まり返っている。
コンッ
と乾いた音が静寂を破ったのは、透明な硝子のテーブルに、四角い陶磁器の皿が置かれた時だった。
「ふぅ〜、寒い。昨日まで晴れていたのに、今日は雪か……。」
窓の外は、雪がチラついており、昨日までの晴天は嘘のよう。昨日の料理バトルも過去の事と言わんばかりに、窓外はひっそりとしていた。
部屋の隅に置かれたハロゲンヒーターは、ジーンと小さな音を立てながらも、部屋を微かに温めていた。
「さぁて、熱いうちに食べちゃおっかなぁ〜、この『肉棒』。」
『肉棒』と呼ばれたそれは、ただのウインナーソーセージである。正確に言うなら、ベーコンが巻かれている。そして、一方の端には切り込みがあり、味醂によって、その表面がテカテカに輝いていた。それでも、唯のウインナーである。
白い陶磁器の皿にこんもりと横たわっているウインナー。その数は3本。昨日、宮村まんごが、料理バトルの残り物を貰ってきたものだ。電子レンジで温められたばかりのウインナーは、程よく暖かく、白く仄かな湯気を立てていた。
「いただきますっ!」
彼女は、テーブルの前に座ると、すぐに『肉棒』に手を伸ばす。
人差し指と中指に支えられ、親指の力によって抱え上げられたウインナーは、それ自身の重さにより、ベロンと湾曲する。
下を向いた先端から、じっとりと油が滴った。その油は、欲しいものを我慢する童が、目の横に滲ませる涙のように、じっとりと滲んでいた。まんごは、舌先でそれを丁寧に拭う。
舌先で油と絡み合った涎は、ジュッツと小さな音を立て、口の中にゆっくりと流れてゆく。
「うん……。おいひい……。」
薄紅色の唇は、その『肉棒』の発する湯気と油で、次第に潤いを増してゆく。ウインナーソーセージを受け入れる準備が万端になった唇は、ウインナーの先端を咥え込める程に開かれる。そして、程良く開かれたその隙間に、ウインナーがズッポシと挿入された。
それでも、ツルンと滑らかに、ウインナーは口に滑り込まれてゆく。先端に塗られた味醂もまた潤滑油としての役割を果たしていたのであろうか。
まんごは舌先で、ウインナーの割れ目を探った。その割れ目から滲み出る肉汁は、ウインナーの旨味成分満点の美味しい液体だ。それを存分に味わうべく、彼女は舌先を動かした。
咥えられたウインナーを覆うベーコンは、カリッとした表面に油をジットリと滲ませている。それはまんごの唇に当たり、唇をもっと大きく開けろっ! と催促するかのように、その存在を主張した。
「うん……、じゃあ、もっと……。」
彼女は、口をさらに大きく開ける。そして、指先に力を込めて、ウインナーに巻かれたベーコンをも、口の中に押し込んだ。
口の中に溢れ出るベーコンの肉汁。口の中に溢れ出るウインナーの肉汁。それらを堪能し、まんごは幸せそうに微笑む。
「あぁ〜、しはわせ〜〜」
そして、彼女は唇を窄め、ジュッポとした音とともに、ウインナーを口から引き抜く。おちょぼ口の先端から、ウインナーの先端にかけて、うっすらと透明な糸が掛かった。
味を堪能するためだ。
まんごによって先端を舐られた『肉棒』。つまり、ベーコン巻きウインナーは、依然として逞しくもテカテカと輝いていた。
「美味しいなぁ〜」
そう独り言ちながら、彼女は再び、ウインナーを口に入れる。数回抜き差しした後に、肉汁と油を吸われて僅かに萎みかけたウインナーの先端に、ついに、まんごは歯を立てた。
ホロリ
と崩れ落ちるように、ウインナーの先端は、まんごの舌の上に転がる。
「う〜ん。やっぱりおいしいなぁ〜『肉棒』は〜」
まんごは、『肉棒』、つまりベーコン巻きウインナーを堪能したのだ。
先端を失ったウインナーの、その切り口から、肉汁が滴り落ちる。まだ俺は戦えるぜっ! と言わんばかりに、ウインナーは肉汁を出す。
ドロリッ
と、切り口から溢れ出した肉汁は、迂闊にも、ウインナーから滴り落ちた。ギットリとした油の水滴。いや、油滴は、アッーーーという間にまんごの服の上に落ちた。彼女はそれを目で追うことはできたが、服への到達は防げなかった。
宮村まんごは、豊満に熟した宮○県産マンゴー(特大サイズ)を2つ、服の中に入れたようなオパイを持っている。真っ白なニットのセーターは、その膨らみにより丘陵を作り出していた。そう。そこに、肉汁の油滴は当たるべくして、当たったのだ。
そして、その油的はニットセーターに吸い込まれた。真っ白なニットのセーターは、オパイの膨らみによりパッツンとしていたが、その油を弾くことはなく、ただ汚された。そう、『肉棒』から滴った肉汁によって汚されたのだ。
「あんっ……、ちょっと。汚れちゃったじゃない……。」
まんごは、大急ぎでティシューペーパーを取り、オパイの谷間あたりにできた汚れを拭うべく、それをゴシゴシと擦った。しかし、その黄ばみは、真っ白なセーターから消えることはなかった。
「くぅ〜。私のセーターが、『肉棒』によって汚されてしまったわ……。屈辱……圧倒的、屈辱……。まぁ、後で洗濯だな。うん。さて、2口目も〜。」
まんごは、先ほどと同じように、ウインナーを口に咥え込む。そしてまた、抜く。咥えて、抜く。を数回繰り返した。そして、ウインナーが、肉汁を吸われて萎んでくれば、それに歯を立てる。
これを5回くらいは繰り返したであろうか。瞬く間に、1本の『肉棒』、つまり、ベーコン巻きウインナーは、まんごのお腹の中に消えていった。
「あ〜、1本目が、あっという間になくなっちゃったぁ。やばいなぁ、『肉棒』。美味し過ぎんだろコレ。まぁ、2本目! いただきまぁす!」
まんごは、すぐに2本目の『肉棒』に手を伸ばし、それを掴む。
そして、彼女は、まだ皿の上にあった3本目の『肉棒』を含め、それらを十分に堪能した。
沈沈と雪の降る日曜日の昼のことであった。
次回へ続く。
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どうも〜、ここでの登場は初めてかもしれません。
いつも『魔法少女マン☆ゴスチン』をご愛読いただきありがとうございます!
女子大学院生小説家、時にはエッセイスト。そして、自称ノルウェー語アンバサダーを務める幸田遥です。
本作品は、連載を開始してから5年が経とうとしております。こんなに長く続くなどと誰が予想したでしょうか? 番外編で遊んでいるせいもあり、一向に終わりが見えません。そうなんです。伏線を回収するために違う伏線を敷き……と、している間に、回収しないといけない伏線と設定がどんどんと増えてきているんです(笑。
まぁ、頑張って続きを書きます。書かないと完結できませんからね〜。1話でも書ければ、完結に一歩近づけますから〜。
そう言えば、ノルウェーのコンビニには、ホットドック用のウインナーを焼くためのホットプレート的なヤツがあるんですよ。レジの横で、ウインナーが美味しそうに焼かれているんです。ベーコン巻きウインナーもあります。レジで注文すると、パンに挟んでくれます。
コンビニの暖かい料理は、ホットドックくらいしかないので、割と売れている……と思います。でも、普通のウインナーで、47クローネくらいで、ベーコン巻きにすると57クローネくらいだったと記憶しております。今の相場だと……ね。ホットドック1つで700円くらいですかね? で、ベーコン巻きにすると850円くらいですか……。これは、高い……。
ちなみに、コンビニで売っているアイスとかはも同じような値段ですので、アイスバー700円!! ソフトクリーム800円!! とかです。
いやぁ〜ほんと高い! ノルウェーの物価はほんと高い!!
日本で食べたチ○コモナカジャンボは、あのクオリティであの値段でしょ? 同じお金で、4つ? 5つくらい買えちゃいますかね? あぁ〜、チ○コモナカジャンボが食べたい……。
……おっと! そんなことが言いたかったんじゃないんです。はい。
ベーコン巻きウインナーは、普通に売っているんですよ、こっちでは! ってことが言いたかったんですよー。こっちでは普通なんです。
だからね、まんごさんが食べていても、普通なんです! な〜にも、やましくもやらしくもないですね〜〜〜。
はい。
さて、次回から、やっと桃矢くんとまんごちゃん達の修行が始まります。道場で修行をして、トーナメントでも勝ち上がれるような力をつけていって欲しいものです。
まぁ、このタイトルは……、未完で終わりそうなタイトルですけど、大丈夫です。おそらく、まだまだ終われませんから。安心してくださいっ(笑。
打ち切りがないというのが素人作家による小説の強みでしょうかねぇ〜(笑。
と、いうことで、次回も、伏線を敷いたり、回収したり。ぼちぼちと進んでまいります。
さぁて、次回は、
魔法少女 マンゴ☆スチン Tropical Fruits
『第74話 桃矢たちはようやく登り始めたばかりだからなこの果てしなく遠い修行坂を!だまんごー』
です!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




