第66話 まんごvs柘榴30%!だまんごー。
「私は大丈夫だから……、さやかちゃんは、先生と一緒に先に帰っていて」
高村まんごは、そう言い残し、不知火柘榴の後ろに付いて、病室を後にした。彼女は、かっこよく言ったつもりだが、額に書かれた『穴』の漢字が、全てを台無しにしている。
病室に一人取り残された堀江沙耶香は、無言で頷き、まんごの背中を見送った。
病室の中のベッドには不知火玄武が眠っている。正確には一人ではなかったが、沙耶香は、静かな病室に一人ぼっちになってしまったのだ。
――――――――――――――
「さぁ、稽古の時間だ……。ちゃんと果物型変身装置は持ってるんだろ? 変身くらいは待ってやる!」
不知火柘榴とまんごは、病院の屋上で対峙した。夕暮れ時であり、空は赤みがかっていた。
この時間帯は、屋上に出るものはいなく、そこには彼女たち2人だけだった。
「待ってって言っても、待ってくれないんでしょ? 話を聞いてって言っても、話を聞いてくれないんでしょ? あなたたち兄弟は、そういうのなんでしょ? わかってる……。でも、私は逃げないよ。今度は、私の相棒と、ちゃんと戦うから。もう、失うのはごめんだから……。」
まんごは、右手に、自身の果物型変身装置である『マンゴスチン・ハート・アンドロギュヌス』を、ギュッと握りしめる。
「ごちゃごちゃと言ってないで、早く変身しな?」
柘榴も、そう言いながら、右手に果物型変身装置を握る。彼女の果物型変身装置は、『ザクロ・レイ』だ。
「こっちが変身しないと、やる気にならないのか? じゃあ、いくよ?」
柘榴は、右手で、『ザクロ・レイ』を、自身の胸の前にかざす。
「ザクザクザクツーザクスリー!
燃え上がれ宇宙を駆ける星の子!
刻を超えろ! 愛を込めろ!
星空に響け! 静寂な歌声!
不知火柘榴! いっきま〜〜〜す!
ザクロ・レイ! カジュー! サンジュッパーセントー!」
キューイーン
ピカーーーーーン
柘榴が持つザクロ・レイが、赤く光り輝く。
ザクロ・レイから放たれた赤い光が、柘榴を包み込んでゆく。
柘榴が着ていた緑色のカーディガンとデニムジーンズが消えた。
そして、その下に履いていた真っ白なおパンツまでもが……、消える。
でも、目の前には、まんごしかいないので、全く問題ないっ!
赤い光は線状になり、柘榴の体にぐるぐると巻きつく。
薄く赤いウエットスーツが柘榴の全身を包み込んだ。
右肩に四角い肩パーツ、左肩にはトゲトゲした肩パーツが現れる。
そして、最後に。頭に薄い赤色のツノが現れた。
構えた両腕に抱かれるように銃が現れ、その先端にザクロ・レイがくっついた。
「魔法少女フルプリザクロっ! この姿で会うのは、今回で2回目かな? あんたたちが弟をあんなことにした犯人だって知ってたら……。あの時、あんたたちを助けなかったかもね……。」
魔法少女フルプリザクロに変身した柘榴は、目にうっすらと涙を浮かべながらも、まんごに鋭い視線を向ける。彼女はちゃんと覚えていた。以前に、まんごたちを巨大なダンゴムシから助けたことを。 (作者注:第12話参照)
「そう……。だけど……。ほんと、ちょっとは落ち着いてほしいもんだよ……。仕方ないよね……。マンゴスチン・ハート、行くよっ……。」
まんごは、『マンゴスチン・ハート・アンドロギュヌス』を握りしめた右手を、大きく空に伸ばす。
「マンマンマンゴスゴスゴスチーン!
赤黒の衣に包まれし、清らかなる純白!
溢れる甘き果汁をその身に浴びて!
果物の女王の誇りを胸に刻む!
高村まんご! 妾は汝と共に歩まん!
マンゴスチン・ハート・アンドロギュヌス! カジュー! ヒャクパーセントー!」
キューイーン
ピカーーーーーン
まんごが持つマンゴスチン・ハート・アンドロギュヌスが、赤く光り輝いた。
マンゴスチン・ハート・アンドロギュヌスから放たれた赤い光はまんごを包む。
まんごが着ていた赤い長袖シャツと白い半袖シャツ、そして、紫色のスカートが消えた。そして、下に履いていた薄ピンク色のかぼちゃおパンツまでもが……、パッと消える。
しかし、額に書かれた『穴』の漢字は消えないっ!
赤い光が線状になり、まんごの体にぐるぐると巻きついてゆく。
赤いレオタードがまんごの全身を包み、赤黒いミニスカートが腰に現れた。
長袖の赤いジャケットを羽織り、帽子が頭にかぶさる。
杖のような長い棒が右手の先に現れ、その先端にマンゴスチン・ハート・アンドロギュヌスがくっついた。
「魔法少女『フルプリマンゴスチン』、変身完了! こっちも、準備はいいよっ!」
赤い光が消えてなくなると、そこには、魔法少女『フルプリマンゴスチン』になった高村まんごが立っていた。
「じゃあ、さっそく稽古を始めようか……。流石に、ここだと病院に迷惑がかかるから、あっちの山の方にでも行こうか?」
「うん。わかった……。」
柘榴の言葉に、まんごは頷く。
そして、二人の魔法少女は、病院の屋上から、近所の山に向けて飛び立った。
――――――――――――――
「ここらへんでいいだろう。さぁ、かかってきな? 私の方が年上だからな、一応、手加減はしてやるよ。一応な……。」
柘榴は、両手で、銃型の魔法の杖を構え、先端をまんごの方に向ける。
2人は、山の上を飛んでいた。魔法少女同士の戦いは空で行われるのだ……。
「わかったよ。じゃあ! いくよっ! てぇい〜!」
まんごは、両手で杖を大きく振り上げた。そして、柘榴目掛けて、飛んでゆく。
カキーン!
まんごは杖を力一杯振り下ろしたが、柘榴は、それを難なく銃型の杖で受け止めた。
「おい。そんな攻撃が当たると思っているのか? 私はこれでも武道の心得があるんだ。素人相手に手加減してやってるんだ。もっと真面目に当てにこいよ。さぁ!」
柘榴は、まんごの杖をサッと弾き返し、後ろに下がって、距離を取った。そして、まんごをさらに挑発してゆく。
まんごは、呪文を詠唱しようと、杖を体の前に構え直す。
「よし、じゃあ……、ちょっと大人しくしてもらうよっ!
元来荷物を縛るもの! 流行りは肉……。」
「はっ! ボディがっ、甘いぜっ!」
ズッッボシ!
柘榴の右手が、まんごのお腹に食い込む。呪文の詠唱のために、両手で杖を構えたところを狙われたのだ。まんごのような、後方からの範囲攻撃を得意とする魔法少女にとって、接近戦は不利である。そう、このように呪文詠唱中は完全に無防備となるのだ。
「くっ……、はっ……。」
まんごは目を閉じ、痛みに耐える。それでも、杖を握る手を弱めず、すぐ目の前の柘榴を叩こうと、杖を振り下ろす。
「お前は、バカか? そんな長い詠唱呪文が、人間相手に通用すると思っているのか?虫とは違うんだよ! 虫とはっ! 私は、虫みたいに、無視しない、ってかっ? はっはっはぁ〜〜!!」
まんごの杖をサッと避けた柘榴は、余裕の笑いを上げながら、手持ちの銃型の杖で、まんごの持つ杖を叩いた。
「くぅ……。」
危うく杖を落としそうになったまんごだが、なんとか耐える。
「って! 笑えよっ!」
柘榴は、杖を落とさないように踏ん張るまんごに、追い討ちをかける。銃型の杖の先端で、まんごの顎を下から突いた。その先端にはザクロ・レイがくっついているので、それで顎を突き上げる形だ。
「カッ……。」
まんごは、声にならない声を出す。舌を噛むことはなかったが、上と下の歯が、ガチンとぶつかりあった。
「私が、ちゃんと稽古をつけてあげよう。そう……。呪文は、こうやって撃つんだよ……。」
痛みを耐えながら、泣きそうな目をうっすらと開けるまんごに向かって、柘榴は悠々と呪文詠唱を始めた。
「フィンネル ディン ドロム!
君が夢見し理想郷! その夢はまた夢の中に!
オヤスミ・ザクロ!」
ディディディ〜〜ン
柘榴が構えた銃型の杖の先端から、薄い赤色のドーナツ型の光が、複数。まんごに向かって飛んでゆく。
「えっ……、無理……、避けれない……あっ……。でも、だめっ……。」
そのドーナツ型の光に当たったまんごは、突然の睡魔に襲われた。
必死に睡魔と戦いながらも、まんごは、ゆっくりと高度を落としていった。空から落下するわけにはいかず、できるだけ地面に近い方に逃げようと判断したのだ。
しかし、高度を下げてゆくまんごを易々と逃すような柘榴ではなかった。
「とどめだっ!
デニムジーンズの綻びが、開く新たなマイソロジー!
赤き流星は、黒い稲妻と呼応する!
ザクロ・マシンガン!」
ババババババッ!
薄赤色の小さな光の球が、複数。 まんご目掛けて放たれた。
(あっ……。防がないと……。でも……。)
なんとか無事に地上に降り立った。立膝で踞った体勢で、なんとか顔だけを上に向けた。まんごには、うっすらと開けた目でも、光の球が迫っていることがわかった。
だが、眠気のために、うまく体に力が入らない。杖を持った右手に力を入れ、構えようとしたが……。
(だめかも……。)
まんごは目を閉じ、意識を失った……。
ドンっ!!
次回へ続く
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やっほ〜。宮村まんごだよー。まんごーおぱいの高校2年生よっ。アイドル声優目指して活躍中だよん〜。
いやぁ、まんごちゃん、またやばいことになってるねー。
うん。
主人公の宿命だね。
やられて立ち上がって、やられて立ち上がってを繰り返すんだよね。ひと昔に流行った、王道パティーンですな。
まぁ、まんごちゃんがまたしてもおねんねしてるからね。前回に引き続き、私が次回予告のナレーションをしてるわけだよ。
次回予告ばっかりで、いつになったら私の活躍が本編で見れるのかって?
もうすぐだよ!
ちゃんとナレーションの仕事として本編に登場する予定だからねぇ〜。
うん。 ちょ〜楽しみ〜〜。
みんな、全裸待機だねっ!
あっ、たぶん大丈夫。あと一月くらいで登場すると思うし。ちょっと暖かくなってきたからね〜。
だから、だいじょうヴイ!
安心してパンツ脱いでねっ!
まぁ、あれだよ……。柘榴ちゃんはねー。なんというかねー。
ギッリギリだねっ!
変身の呪文もだけど、眠らすやつとかー。マシンガンとかー。もぅ、ギリギリすぎてなんも言えね〜。こっわ〜。こんなことばっかりしてるから、怖くて公募に応募できないんだよっ!!
……ってことで、あんまし深く語るのは、やめとこっか。
で、次回ね。うん。まんごちゃんねー。ピンチだけどねー。
どうせ大丈夫なんでしょ?
って思ってる読者諸君!!
まぁね〜。主人公だし〜。次回予告のタイトルでネタバレしちゃってるからね。ははは。でも、一体全体、どうやって助かるんだろうね〜〜??
気になるね〜。続きが待てないねっ!
よしっ!
全裸待機!
こういう時は全裸待機に限るね。
てか、今ちょっと思ったんだけどさ……。
よしっ!
全裸待機!
って、なんか、語呂よくない? 流行らないかなぁ〜。
まぁいいや、これくらいにしとこっか。
それじゃあ、次回もよろしくねっ! シーユーアゲイン!!
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン Tropical Fruits
『第67話 九死に一生を得るスペシャルだまんごー』
だよ!
絶対に読んでね!
マンゴー! カジュー! ハンドレッドパーセントー!




