第56話 熊!だまんごー。
「モウスグ セカイジュ ニ ツク」
まんごたちは湖のほとりから、草原に入って行った。
そして、草原に入ったところで、まんごたちのパーティーの先頭を歩いていたコアラが声を出した。
「あっ! ほんとだっ!」
高村まんごが、草原の真ん中に立っている大きな木を見つけ、声を上げながらそれを指差す。
その大きな木は、ダンジョンの中から見たときの世界樹だ。こちらからの見かけは桃の世界樹のプーモちゃんのダンジョンの中からの見かけにそっくりである。
「でもっ……、ちょっと待って! 何かいるよっ……。」
宮村まんごは、世界樹の前に何かを見つけた。
「熊……ですわね。」
ドリア・ヌ・ロドリゲスは、思わず呟いた。
そう、その世界樹の前には『熊』がいたのだ。
ごく普通の『熊』である。
体長は2メートルほどあり、黒みがかった茶色の毛に覆われている。いわゆる、『ヒグマ』である。
草原を歩いていたまんごたちは、世界樹の前にいた『熊』に気がつき、足を止めた。
「そうだねっ……。熊……だね……。」
「熊……、だよね……。」
高村まんご、ドリア、そして、宮村まんごの3人は、お互いに目を合わせる。
「どうしようか……? とりあえず、あの熊をなんとかしないと世界樹に辿りつけなさそうだよね……。」
宮村まんごは、顔に引きつった笑いを浮かべながらも、ふぅ〜と息を吐く。
「あっ! そうですわっ! 熊と言えば、死んだふりでございますわねっ!」
ドリアが自信満々にポンッと手を叩いた。
「じゃあ……。ドリアちゃん。見本見せてよ……。」
宮村まんごは、ドリアの冗談にマジレスを返す。小学3年生のボケにも容赦のない高校2年生である。
「わっ……。わかったでございますわ。わたくしが見本を見せて差し上げるでございますわ」
「ド……、ドリアちゃん……。気をつけてね……。」
高村まんごも、空気を読んだ。そう、ドリアの心配をしつつも、彼女を止めることはしない。
「は……い。でございますわっ……!」
ドリアは、一呼吸ためらいながらも、力強く頷くと、世界樹の方に向かって歩き始めた。すると、熊も、ドリアの存在に気がついたのか、彼女が近付いてくるのをじっと見つめていた。
「うわ〜あっ! やられたっ! でございますわ〜」
ドリアは、自分が限界と感じる近さまで熊に近づき、そして、急に胸のあたりを押さえ、その場に倒れた。もちろん、彼女の演技である。
彼女は、仰向けに寝そべり、白目を剥いて上を向いていた。
「おいおいおい……。死んだね……、ドリアちゃん……。」
「死んじゃったねぇ……、ドリアちゃん……。」
ドリアの死に様を、宮村まんごと高村まんごは、後ろからじっと見守っていた。
「あっ……。熊が……、近付いてくるね……。」
「そうだね……。やばい……ね……。」
急に倒れたドリアが気になったのか、熊は彼女に向かってゆっくりと近づき始めた。
そして、熊がドリアに近づいてくる様子を、高村まんごと宮村まんごは、固唾を呑んで見守った。
「やばいねぇ……。このままだと、ドリアちゃんが本当に死体になちゃうよ……。」
宮村まんごは、息を殺しながらも、ゆっくり息を吐く。
「ひゃ……。ええっ。ちょっと、まんごさん! そうなる前に早くドリアちゃんを助けないとっ……。」
高村まんごは焦りながら、宮村まんごに言う。
そうこうしている間にも、熊は、ドリアのすぐそばに来て、死んだふりをしている彼女の周りを歩いている。
そして、熊は、ドリアのグレーのプリーツスカートがヒラヒラしていることに興味を惹かれたのか、熊は、スカートに手を伸ばそうとした。
その時だった。
「あっ……! それはっ! だめぇ〜〜っ!!」
高村まんごは、大声で叫んでしまった。
そう、彼女は叫ばずにはいられなかったのだ。なぜなら、ドリアのスカートの下は、ノーおぱんつであったからだ。
そう、いくら悪意のない偶然とはいえ、熊がドリアのスカートをめくってしまえば、大事故になるのだ。
「あっ……。」
叫んでしまった高村まんごの元に、宮村まんごとコアラと熊の視線が一気に集まる。
熊と目が合ってしまった高村まんごは、口を大きく開けて呆然としながらも、次に取るべき行動をどうするべきかを必死で考えていた。
まんごは、考えていた。選択肢を間違えれば……、待っているのは……死だと。
「まんごちゃん!」
宮村まんごも、顔をこわばらせる。彼女は、念のために魔法少女『フルプリマンゴー』に変身していた。しかし、いくら魔法少女とはいえ、熊は怖いのだ。
宮村まんごは、レイピア型の魔法の杖を自身の前に構えつつ、高村まんごの横に並ぶ。
熊は前足をあげて立ち上がり、高村まんごと宮村まんご、そしてコアラの姿を見回した。
「オマエタチ ナニヲ シテイルノダ」
そして、その熊は、普通に日本語を話した。
「ひゃ……え……。」
高村まんごは思わず、声にならない声を出す。
「な……、なんだよ。喋れるの?」
宮村まんごも、大きく肩を落とし、安堵の声を出した。急に手の力を抜いたため、体の前で構えていた魔法の杖が、ザクッと地面を引っ掻いた。
「こっ……、殺されるかと思ったでございますわ〜」
熊の足元で死んだふりをしていたドリアは、すぐに起き上がり、涙を流しながら、高村まんごに抱きついた。
「大丈夫? ドリアちゃん! 怖かったよね〜。怖かったよね〜。よ〜しよし〜」
高村まんごは、恐怖のあまり泣きじゃくるドリアの頭を優しく撫でる。金色のさらっとした長髪の上を、まんごの手が、優しく往復した。
「ワタシハ マンゴスチン ノ セカイジュ マモル セイレイ」
熊の役目はマンゴスチンの世界樹を守ることであった。コアラと同じ精霊である。
「あの〜。私の果物型変身装置の『マンゴスチン・ハート』が食べられちゃったの。だから、これをなんとかしてもらうために、マンゴスチンの世界樹さんに会いたいんだ」
ドリアを慰めながらも、高村まんごは、ここに来た理由を熊に向かって説明した。
「ソウカ ナラ トオルト イイ」
熊は、大きな頭を動かし、ウンと頷いた。話のわかる熊である。
「わぁ、ありがとうございます!」
高村まんごは、お礼を忘れない。
そうして、まんごたちは、熊に案内されるまま、世界樹の元へと向かった。
――――――――――――――
「コノ アナ ハイルト スグ」
まんごたちは、熊に連れられて、世界樹の麓まできた。そこで、熊は大きな穴を指した。世界樹の幹に人が通れるほどの大きな穴が空いているのだ。
「こっちからだと、普通の大きな木なんだね。喋ったりもしないようだし。プーモちゃんの穴から、こっちの世界に来た時と同じような感じなんだね。じゃあ、行こうか〜」
宮村まんごが先頭に立ち、大きな穴を覗き込んだ。奥に続く道がある。きっとここを通れば、現実世界のマンゴスチンの世界樹の麓までたどり着けるのであろう。
「はいっ!」
「はい! でございますわ!」
まんごたちは、順番に大きな穴の中に入ってゆく。
「デモッ! コアラ ハ トオサナイ!」
まんごたち3人が穴に入り、彼女たちの後ろに続いてコアラが穴に入ろうとした時に、突然、熊は手を大きく広げ、コアラの前に立ちはだかった。
「ナゼ コアラ トオサナイ?」
コアラは、熊に何かを主張するように、大きく首を傾げた。
「コアラ ウ○コ タベル! ダカラ コアラ ハ トオサナイ!」
熊は、答える。熊は毅然とした態度で、コアラの行く手を阻んでいる。
「ナラバ シカタナイ! コアラ ルスバン スル! コアラ ウ○コ タベナガラ ルスバン スル!」
コアラは答えた。
コアラは、ウ○コを食べることを否定もしないし、先に進みたいとも思わないようだ。留守番することを選んだ。
「わかったわ……。じゃあ、私たちだけで行ってくるわねっ!」
2人 (?)のやりとりを見ていた宮村まんごは、コアラの硬い決意を感じ取り、彼女にここに留守番してもらうことにした。
「すぐ戻ってくるからねっ! じゃあねっ〜!」
「すぐに戻ってくるでございますわぁ〜!」
高村まんごとドリアは、コアラに向かって手を振る。
こうして、まんごたちは、コアラを残して、世界樹の幹にある大きな穴の中に入って行った。
ドドン!
次回に続く!
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私、高村まんご。小学3年生。
マンゴスチン・ハートに出会って魔法少女になったんだ。
あんなことやこんなことをされちゃったマンゴスチン・ハートを助けるために、ダンジョンを進んで、ついにここまでやって来たんだ。
そう! ついに、マンゴスチンの世界樹までやって来たんだお〜〜。
お〜〜!
って、また変な奴が出て来たわね。
まぁ、変かと聞かれると、別に変ではないよねぇ〜。ただの熊だからね。
タイトルにもある通りね。熊よ。
それにしても、茶番ねぇ……。
まさか、コアラさんが通れないなんてね〜。
まぁ、コアラさんは戦闘力の面で規格外だからね、うん。戦闘力のせいだと言うことにしておこうよね。ねっ! コアラさんの名誉のためにも。
とりあえず、留守番してるようだし。うん。
うん?
うん。そりゃね。食べるでしょ。だってコアラだよ!
決まってるじゃん!
いや、キマリきってるね!
はいー。
さぁ、やっとマンゴスチンの世界樹にたどり着いたね〜。
これからどういう展開になってゆくのかなぁ〜? 楽しみだねぇ〜。
あっ、そういえば、昔、偉い人が言ってたんだよ、
『な○はちゃんが好きです。そして、フ○ィトちゃんも好きです。でも、は○てちゃんはも〜〜っと好きです! (注:個人の感想です)』
ってね!
何のことかわからないよね。私も全くわからないよっ!
大丈夫って? 何が?
個人の感想ですって注意書きしてあるでしょ!
ただの感想だから!
大丈夫よっ! ここからのストーリーや本編には一切関係ないから!
登場人物にも、一切関係ありません!!!
……まぁ、そういうことだから、次回は新キャラ登場だねっ!
新しいフルーツプリンセスだったりするのかなぁ〜?
何の果物かな〜?
もちろん、パパイアではないからね(笑)。
むしろ、パパイアを予定していたとしても、変えないといけない恐れすらあるからね〜。予定していたのなら、なるべく早く書かないといけないよね。うん。
でも、ほんと大丈夫。パパイアを登場させる予定は今の所は、ないからねぇ〜。
ってことで、どんな子が出てくるのかなぁ〜?
うっわぁー。楽しみだなぁー。
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン A’s
『第57話 新たなる風!疾風迅雷!チェリモちゃん!だまんごー』
だよっ!
絶対に読んでねっ!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




