第32話 桃矢の旅立ち!さよなら、まんご!だまんごー。
年末の同人即売会『マン・セレ 2020冬』が終わった後は、すぐに年越しだ。
高村家では、大晦日の前日にお餅をつくのが毎年恒例の行事だ。
おばあちゃんの家に行き、臼と杵で昔ながらの『餅つき』をするのである。
「まんごちゃん、あのイベントはどうだったんだい?」
まんごのおばあちゃんの高村すももが聞く。話題にしているのは、先日の同人即売会『マン・セレ 2020冬』のことである。
「うん。楽しかったよ。ちゃんと、完売もしたんだよ!」
まんごは、笑顔で頷く。
計30部という少ない部数ではあったが、即売会初参加で完売させたのだ。
「ほぉ。それはめでたいのぉ〜」
すももは、自分のことのように嬉しそうに笑う。
同人即売会のことは良く理解していなかったが、まんごが書いた本が売れたことは、喜ぶことなのだろうとは理解していた。
「そいじゃ、始めようかね〜」
すももは、蒸したもち米を臼にあけてゆく。
白くふっくらと炊き上がったもち米が、臼の中に広がる。そして、臼が見えなくなるほどの湯気が、辺りを包んだ。
「はい! お母さん、僕は準備万端ですよ!」
甜瓜は、そう言いながら、臼の中に広がった白いもち米を杵で潰してゆく。
「じゃあ、そろそろ行きますか〜!」
甜瓜は、もち米を潰し終わり、餅をつき始める。
杵を持ち、臼に向かってそれを振り下ろす。
ペチン
「ソイヤッ」
綾子は、臼の横に腰掛け、合いの手をリズムよく入れ、餅に水を加えてゆく。
「パパ〜、ガンバって〜」
まんごは、甜瓜を応援するだけだ。
甜瓜は、張り切って、餅をつき続ける。
ペチン
ペチング
「セイヤッ」
ペチン
ペチン
ペチング
「いいわよぉ〜、あなたぁ〜」
ペチン
ペチング
「もっと〜」
ペチン
ペチング
「もっと〜、ついてぇえぇ〜」
ペチング
ペチング
餅つきの軽快な音が響く。
粒々のお米が残っていた白い塊は、次第に粒感を失い、もっちりとした白い餅へと姿を変えてゆく。
「桃矢、お前もやってみるか?」
「うん。面白そうだから、やってみる」
桃矢は、甜瓜から、杵を受け取る。
「よぉ〜し!」
桃矢は、杵を構えて、餅をついた。
ペチン
ペチン
ペチング
リズムのある餅つきの音が、響き渡る。
平和な年末のことであった。
――――――――――――――
アッーー! という間に年が明け、2021年になった。
(作者注:時代設定を完全に間違えました。 ……と言うことで、本作品は近未来の話になります!)
年が明けてからは、特に大きな出来事もなく平和な日々が続いた。
1月の初旬に、高村桃矢と甜瓜はタイ王国に向かって旅立つ。そこで性転換のための手術を受けるのだ。
高村家の4人は、4人揃って成田空港に来ていた。桃矢と甜瓜を見送るためだ。
「出発まで、まだまだ時間があるなぁ〜」
4人は、余裕を持ち過ぎて空港に到着したのだ。
甜瓜たちが搭乗する飛行機の飛行機会社は、オール・ニホン・エア・ライン(ANAL)だ。
(作者注:この企業名は架空のものであり、実在しません。また、特定の企業等を誹謗中傷する意図はございません)
「アッーー! パパ、これ!行き先のところに、インカ・マンコ・カパック……って書いてあるよ」
桃矢は、航空券に間違いを発見した。
タイ王国に行くはずが、手違いで、航空券が間違っていたのだ!
成田から『スワンナプーム国際空港』に行く予定のはずが、成田から、『インカ・マンコ・カパック国際空港』行きになっている。
「アッーー! ちゃ〜、うっかり!」
甜瓜は頭をポリポリと掻いた。
「パパ! しっかりしてよ!」
「ごめんよ、桃矢。でも、まだ時間はあるから、大丈夫だよ!」
高村家の4人は、サービスカウンターに、4人揃って移動した。
――――――――――――――
「それじゃあ、行ってくるね〜」
「行ってきま〜す」
桃矢と甜瓜は2人揃って大きなキャリーケースを引きながら、保安検査所に向かう。
無事に『スワンナプーム国際空港』行きの航空券を手に入れた2人は、準備万端である。
「行ってらっしゃい。2人とも、気をつけてね!」
「パパ、お兄ちゃん、ガンバってきてね!」
まんごと綾子は、桃矢と甜瓜を見送った。
出発の時刻までは2時間以上あるが、2人は、国際便の搭乗手続きのために、余裕を持って保安検査所に向かったのだ。
「アッーー! ママ! 飛行機の時間、もうそろそろだねっ!」
喫茶店で、『アイスティー』を飲んでいたまんごが言う。
綾子とまんごは、飛行機を見送るまでの時間つぶしのために、空港内の喫茶店でお茶をしていたのだ。
2人は急いで、展望デッキに向かった。
2人が展望デッキに着くと、桃矢と甜瓜が乗っているであろう飛行機が、ちょうど搭乗を終え、動き始めたところだった。
その飛行機は『ANAL』のジャンボ機だ。飛行機の尾翼に『ANAL』のロゴが、何かを主張している。
「アッーー! ママ、あの飛行機だよ!」
まんごは、飛行機を指差す。
「アッーー! ら、そうね〜、あれねぇ〜」
綾子は、まんごの指差す方に、視線を向ける。『ANAL』のジャンボ機が、滑走路に向けて進行中だ!
「さようなら、お兄ちゃん! パパ! ガンバってきてね〜!」
まんごは、大きな声で叫んだ。
キーーン
と、甲高い飛行機の音が、まんごの声をかき消してゆく。
「お兄ちゃ〜〜〜ん!!」
飛行機の音に負けないように、まんごは、さらに大きな声で叫んだ!
「さよなら! まんご!」
飛行機から、そう聞こえた気がした。まんごは、飛行機に向かって大きく、大きく手を振った。
まんごと綾子は、西の空に飛んでゆく飛行機を見送る。
冬の冷たく乾いた空に、一筋の飛行機雲が伸びていた。
魔法少女マンゴ☆スチン 完
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私、高村まんご。小学3年生。
『マンゴスチン・ハート』に出会って、魔法少女になっちゃったんだ。ついに同人即売会デビューも果たしたし、魔法少女兼同人作家って、胸を張って名乗れるね!
まぁ、ぽっちの都合上、胸は張らないけどねっ!
えっ?
私に空港の名前の文句言われても仕方ないわよっ!
買い間違いは誰にだってあるわよ!
え? なんであんな空港と間違えるのか? って?
いやいや!
逆にこっちが聞きたいわよっ!
なんであんな空港があるのか? って!!
え?
珍しく普通の飲み物飲んでたって?
しかたないよ、だって……、あの喫茶店には『アイスティー』しかなかったんだ!
うん。そういうこと。
え? 睡眠薬?
そんなもん入ってるわけないでしょ?
さて、お兄ちゃんが旅立ったことだし。
いい区切りってことで、この『魔法少女マンゴ☆スチン』は完結だよっ。
今まで読んでくれてありがとう。
驚いた?
さて、
ということで、引き続き、新番組『魔法少女マンゴ☆スチン A’s』が始まるよっ!
『A’s』は『アンドロギュヌス』の略のことだからね。ちゃんと『魔法少女マンゴ☆スチン アンドロギュヌス』って呼んでねっ!
間違っても『A’s』を『エース』って呼んだらダメだからね!
いやぁ、危ないね。
タイトルを何にしようか悩んでたんだよねー。
『魔法少女マンゴ☆スチン』にするか、それとも、『魔法少女リリカルまんご』にするか、ね。
でも、良かった、『魔法少女マンゴ☆スチン』にしておいて。
もし『魔法少女リリカルまんご』にしてたら、今頃、『魔法少女リリカルまんご A’s』になってるところだよ……。
これはさすがに……、ねぇ?
え?
今でもけっこう?
いや!
頭に『魔法少女』ってつく作品なんかありふれてるからね。たぶん、そこは問題ないよっ。
怖いのは、『リリカル』という部分だよ……。これは、ほぼ限定されちゃうからね。
だから、私は、使わない! キリッ!
ということで、新番組です!
あっ、もちろん、この作品のタイトルが変わるだけだからねっ!
注意してね!
えっ? 完結設定?
するわけないじゃん?
まだまだ回収してない伏線だらけだからねぇ〜。
もうちょっとだけ続くのよっ! (某K仙人風に)
ブクマは剥がさないでねっ!!
それと、ポインコもよろしこっ!!
ビュッ、とした響きのやつも、好きだなぁ〜〜。
私はみんなのポインコを糧に生きているんだからねっ!
ポインコしゅきぃぃぃ〜〜〜〜
コ、コホン。
さぁ、次回は、一旦、『魔法少女マンゴ☆スチン 無印』の人物まとめでもしておこうかなぁ〜。設定をまとめておかないと、忘れるからねぇ〜。
もちろん『無印』ってのは、『無印』のことだからね〜。わかるよね?
じゃあ、これからも、よろしくね〜!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




