第20話 凶悪な刺客!まんごのくちびるを奪うのは、天使か?それとも、悪魔か?だまんごー。
ブチュ〜〜
沙耶香の唇が、まんごの唇に触れた。
抵抗することを諦めたまんごは、その唇を沙耶香にも奪われてしまった。
緊張と初めてのためか、沙耶香は加減ができない。沙耶香は、自分の唇をまんごの唇に思い切り押し付ける。
「んん〜、ん、ん〜」
まんごは、鼻まで押さえつけられ、息苦しくなってしまったのだ。
「んぅ、は〜っ」
「ぷは〜っ! 満足ねっ!」
沙耶香は満足げに、舌でペロリと唇を舐める。
「もぅ〜沙耶香ちゃんったらぁ……。」
まんごは、顔を赤くしながらも、服の袖で唇を拭った。
袖口が、唾液で少し濡れる……。
「どう? まんごちゃん、元気出たでしょ?」
「ははは。確かにね。元気にはなったよ。ありがとうね、沙耶香ちゃん!」
まんごは沙耶香に笑顔を向けた。
――――――――――――――
その日の夕方。
まんごは家に帰ってきた後、ボケーっと漫画を読んでいた。兄の桃矢も、まんごの横で揃って漫画を読んでいた。桃矢にとってはいつものことだ。
まんごは、色々とあって疲れていたので、夕食まで、特に何をすることもなく、漫画で時間を潰していた。
「ご飯よ〜」
まんごの母の綾子がテーブルに料理を並べながら、まんごたちを呼ぶ。
「「は〜い」」
まんごと桃矢は、返事をし、漫画を片付けてすぐに子供部屋を出る。
まんごの父の甜瓜は、リビングにいて、すでにテーブルに座っていた。
「あぁ……、今日はカリフラワーがのってる……。」
まんごは、自分の前の皿を見て、呟いた。
メインの『鮭のムニエル』のお皿にはミニトマトとカリフラワーが添えてある。
ゆでたての白いカリフラワーからは、ほのかに白い湯気が出ており、人肌ほどの暖かさをしているようだった。
横に並んだミニトマトの赤さが、カリフラワーの白さを際立たせている。
「そうよ、今日という今日は残さずに食べないとダメよ!」
まんごの独り言を耳にした綾子は、まんごに向かって言う。
「うん……。」
まんごはそれに頷くだけだった。
「「「「いただきま〜す」」」」
4人は、テーブルに座り、ご飯を食べ始めた。
「う〜ん、ママの作る鮭のムニエルは美味しいよなぁ!」
甜瓜は鮭のムニエルをおかずに、ご飯をパクパクと食べている。
「だよね、パパ! ママの作る料理はどれも美味しいよ!」
「そうだよ!」
「あら、みんな嬉しいこと言ってくれるわねぇ。ちゃんと残さず食べるのよ〜」
桃矢もまんごも、鮭のムニエルをおかずに、ご飯をパクパクと食べた。
家族で和気藹々と会話を楽しみながら、まんごは、鮭のムニエルを美味しく食し、ご飯も食べ終わった。
そして、まんごは、真っ赤にぷっくらと膨らんだミニトマトを食べた。
あと皿の端に残っているのは、カリフラワーだけだった。
「やっぱり、最後に残っちゃったかぁ〜」
まんごは、ため息をつく。
「まんご! ちゃんと食べないとダメよ!」
綾子は言う。
「そうだぞ、でも、あと一口じゃないか。やればできるよ、頑張れ、まんご!」
甜瓜も、まんごを応援する。
「うん、ガンバる!」
まんごは、箸でカリフラワーを持ち上げる。
つぼみの部分に箸を引っ掛けるのだ。
時間を置いたカリフラワーは、冷めて、少し硬くなっていた。
まんごは、舌を尖らせ、カリフラワーのつぼみの先に舌で触れる。
「えぇぇ〜、苦い〜」
まんごは、舌先に感じたカリフラワーの味に、しかめ面をする。
「まんご! もう少しだ、頑張れ! 一気に行った方が楽だぞ!」
桃矢も、まんごの横で応援をする。
桃矢は、ずいぶん前に野菜の好き嫌いはおおよそ克服したのだ。
ちゃんと自分の皿の上のカリフラワーは食べ終わっている。
「うん。ガンバるよ、お兄ちゃん!」
まんごは、意を決して、思いっきり口を開けた。
まんごの小さいお口に、程よい大きさのカリフラワーが、すっぽりとはまる。
しかし、カリフラワーのつぼみの部分が口の中に入っただけだ。茎の部分は、まんごのお口に入りきっていない。
まんごの薄桃色の唇から、カリフラワーの白い茎がひょっこりと顔を出しているのだ。
「なるほど……、
小さめの お口で包む カリの花
か……。」
桃矢は小さく呟いた。
これは、隣で必死に苦手な野菜を克服しようとしているまんごを少しでも楽しませてあげようという桃矢の優しさだ。
「んほ、あぁぁん、ん〜はん (ちょっと! お兄ちゃん。 うわぁ、にがい!)」
まんごはお口の中に広がるカリフラワーの匂いに、思わず悲鳴をあげる。
しかし、お口の中いっぱいにカリフラワーを頬張って、うまく話せなくなったまんごが発するのは、意味不明な言葉だ。
「おっ、まんご、いいぞ。そのまま噛んじゃえ! 噛めばこっちのもんだ!」
桃矢は、まんごの頑張りを必死で見守る。
ググッ
まんごは、カリフラワーにゆっくりと歯を立てる。
まんごの歯が、カリフラワーに突き刺さる。
すると、カリフラワーから、青臭く苦い汁が滲み出た。
「ん、んあぁぁ、ん〜 (うわぁ〜、すごく苦い!)」
白く苦い汁は、まんごの舌の上を流れ、まんごの舌の上の苦味受容体を次々に刺激してゆく。
「くっ……。」
苦味に耐えながらも、まんごは、カリフラワーに歯を立て続ける。
まんごが咀嚼を続けると、茹でたカリフラワーは、次第にほろほろと小さくなってゆく。
次第に粉々になったカリフラワーは、まんごのお口の中で、唾液と混ざり、白く苦い汁へと姿を変えてゆく。
「まんご! いいぞ、その調子だ、その調子でゴックンするんだ!」
桃矢は、両手で拳を握り、まんごを応援する。
ゴックン!
カリフラワーの白く苦い汁をまんごは、思い切ってゴックンと飲み込んだ。
まんごは、無事にカリフラワーを食べきったのだ。
「ふぅ〜、ごちそうさま〜」
まんごは、目にうっすらと涙を浮かべながらも、肩を下ろした。
「おっ、頑張ったなぁ〜まんご。感心だなぁ〜」
甜瓜はすごく嬉しそうだ。
「偉いぞ、まんご!」
桃矢は、まんごの頭を撫でる。
「まんご、よくできたわね。これで、カリフラワーを食べられるようになったわね。今度から、じゃんじゃん出して行くわよっ!」
綾子が笑顔で拍手をする。
「えぇ〜! ちょっと、ママ! ダメだよぉ〜」
まんごは大きく首を振る。
頑張れば食べられるようになったものの、できれば食べたくはないのだ。
「うふふ、冗談よ。でも、たまには出すわよ」
「うん……。わかった」
まんごは、カリフラワーの味には満足はしていないが、やりきったことには対して達成感を感じていた。
笑顔を浮かべながら、箸を置いた。
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私、高村まんご。小学3年生。
マンゴスチン・ハートに出会って、魔法少女『フルプリマンゴスチン』に変身できるようになっちゃったの。
でも、今回も魔法少女には変身しなかったねっ!
遊んでばかりだよ……。
あっ、そうそう、前回はごめんねっ!
ちょっと違う人に変わってもらってたんだ。
私は、ナレーションする元気がなかったからねぇ〜。
え?
誰に代わってもらったかって?
レジェンド、って言えばわかるかなぁ?
まぁ、勝手に脳内変換して読んでみてねっ!
そうなのよ、
みんなには秘密にしてたんだけどね……。
私、『カリフラワー』が嫌いなのよ。
因縁の対決! まんごちゃん対カリフラワーよ。
まぁ、食卓に並ぶ度に対決する羽目になるんだけどねぇ……。
あの味と青臭さが嫌なのよね〜。
でも、ブロッコリーはどちらかと言うと好きにゃ。
にゃ?
ブロッコリー好きにゃ!
こ、こほん。
と、取り乱しちゃった。
な、なんでも無いよっ……。
まぁ、いいや、とりあえず今回は、家族に応援されて小学生が苦手な野菜を克服すると言う、心温まるいい話だったねっ。
うん。
いい話よねっ! 健全よねっ!
でも、よくよく考えたら、カリフラワー食べただけの回だったね……。
え? フレンチドレッシング?
次の時には、かけるかもね〜。
なんだかんだで、沙耶香ちゃんに唇を奪われて、そしてカリフラワーにも唇を奪われるのよ。
まぁ、マンゴスチンシリーズでよく見る光景ね。
さて、次回は、
この間、ドリアちゃんと一緒に買ったシールをお披露目する時が来たのよ!
うわぁ〜楽しみ!
沙耶香ちゃんとシール遊びだよ。
たまには食べ物以外のものでも遊ばないとねっ!
食べ物以外にも範囲を広げたいしねっ!
え? ネタ切れ?
いや、まだ全然大丈夫だからねっ!
ネタはあるよ、ネタはね!
まぁ、あれよ、使いにくい危ないネタはね、ほんと危険なのよ……。
だからね、使いやすいものから使っていくのよ。
そういうものよっ。
じゃあ、次回も張り切っていくよぉ〜!
次回!
魔法少女 マンゴ☆スチン
『第21話 こすっ!こすっ!クンカ!クンカ!魅惑の香りが出るシールだまんごー』
だよっ!
絶対に読んでねっ!
マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!




