表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
激情版 魔法少女マンゴ☆スチン Tropical FruitS 〜疾風の革命児〜  作者: 幸田遥
魔法少女マンゴ☆スチン 無印

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/126

第19話 ねぶられた!?まんごちゃんのリコーダーだまんごー。


「あれ? 私のリコーダーが無い!」


 9月の大型連休も明け、授業が始まった。


 今日の授業はリコーダーを使う。しかし、高村まんごはロッカーにしまっておいたはずのリコーダーが無いことに気が付いた。



「え〜、おかしいなぁ〜。あれっ、何これ?」


 そして、まんごはリコーダーの代わりに怪しげな紙切れを見つけたのだ。


 その紙切れには、


『リコーダーが返して欲しければ、一人で体育館の裏に来い』


 と書いてあった。



「ええぇ……、何これぇ……。」


 この紙切れを書いたのが、リコーダーを盗んだ犯人に違いないと思いながら、まんごはため息をついた。



 まんごは、キョロキョロと辺りを見回し、誰にも見られていないことを確認する。



「ふぅ……。」


 そして、その紙切れをそっとポケットにしまった。




――――――――――――――




 まんごは、ひとりで体育館の裏に向かった。



「ねぇ〜、誰かいる? 私のリコーダー返してよぉ〜」


 まんごは、びくびくとしながらも、声を出す。



「ほぉ〜、ちゃんと一人で来たんだ。感心だなぁ。高村まんご!」


 そこに現れたのは、まんごにも見覚えのある少年だった。


 2学期の始業式の日に起きた『不知火(しらぬい)パンチラ事件』の主犯である不知火(しらぬい)玄武(げんぶ)だ。



「あれ? 不知火(しらぬい)くん、久しぶりだねぇ〜。学校に来てたんだ?」



「おっと、高村! 言葉遣いに気をつけろ! こいつがどうなってもいいのか?」


 玄武(げんぶ)は、まんごの言葉に、眉をピクリと動かす。

 学校に来ていたことに触れられて、イラっときたのだ。



「そ、それは……。」


 まんごは、目を大きく見開いた。


 玄武(げんぶ)が手に持っているリコーダーケースには、『高村まんご』と名前が書かれていたのだ。



 まんごのリコーダーだ!




「わかるか? こいつを、こうするんだ……。」


 玄武(げんぶ)は、リコーダーケースからリコーダーを取り出し、それを口元に近づける。



 舌を出し、ペロペロと動かす。


 玄武(げんぶ)の舌先が、まんごのリコーダーの吹き口にゆっくりと近づく。



「あぁっ……、ダメっ! お願い! やめてっ! それだけは……。ねぇ、落ち着いて、不知火(しらぬい)くん。落ち着いてよっ! どうして私にそんな嫌がらせをするの?」


 まんごは必死になって叫ぶ。


 自分の大切なリコーダーが男子の口につくなんて耐えられないのだ。



「俺は、お前らのせいで学校に来れなくなってしまったんだよ! お前らのせいでな!」



「え、えっ? でも、あれは不知火(しらぬい)くんが、みんなのスカートをめくったのが……。」


 まんごは、キョトンとする。

 あれは誰がどう見ても自業自得だろう……。



「うるさい! うるさい! それ以上言うと、こいつを……。」


 玄武(げんぶ)は口を開け、リコーダーをさらに口に近づける。



「うっ……。」


 まんごは、言葉を飲み込んだ。


 今は、リコーダーが大事だ。

 まんごは、小学生ながらも、こういう時には相手を刺激しない方が良いことは知っていた。



「大人しくなったなぁ、わかっているじゃないか。さて、本題だ……。」



「……。」


 まんごは、ゴクリと唾を飲む。



「お前は、魔法少女なんだろ?」



「えっ? 何で知ってるの?」


 まんごは驚く。



 まんごが魔法少女であることは、まだクラスメートの誰にも言ってはいない。


 それを知っているのは、ドリアと兄の桃矢、そして両親だけのはずだった……。



「こないだの写生大会の時に、見ていたんだよ。まさか、お前()魔法少女だったとはなぁ。と言うことは、魔法少女に変身するための変身装置(デバイス)を持っているんだろ? そいつを寄こせ!」


 あの時の少年は、こっそりと写生大会の様子を見に来た玄武(げんぶ)だったのだ。(第14話参照)



「え……、でもぉ……。」


 まんごは、泣きそうな顔で小さく首を振る。


 大切なマンゴスチン・ハートを玄武(げんぶ)に渡せば、何をされるかわからない。

 泣き出したい気持ちをぐっと抑え込み、首を振ったのだ。



「おい? 高村! 今のお前は俺の言うことには逆らえないんだぞ! ほら……。」


 玄武(げんぶ)は、口を大きく開いて舌を出し、リコーダーの吹き口に触れるか触れないかまで、舌を近づける。


 まんごの方を見下し、舌をレロレロと動かしてみせる。



「いやぁ〜! ダメっ! ダメよっ……。お願い。わかった……。わかったからぁ……。」


 まんごは、目にうっすらと涙を浮かべる。



「くぅ……。」


 まんごは、ポケットからマンゴスチン・ハートを取り出した。



「そうだ、高村! それでいい、それをこっちに投げろ!」


 玄武(げんぶ)は、まんごが右手に持っている赤色のマンゴスチンを見て、笑みを浮かべる。


 玄武(げんぶ)は魔法少女が変身するために必要なのは、果物の形をした『果物型変身装置(フルーツデバイス)』であることを知っているのだ。



「で、でも……。」


 まんごは、右手に握りしめたマンゴスチン・ハートをじっと見つめる。


 まんごにとってはリコーダーも大切だが、マンゴスチン・ハートも大切なのだ。



「おい! 高村! 早くしろ! 早くって言ってんだろ!」


 玄武(げんぶ)は声を大きくして叫んだ。




「いっ……、いやよ!」


 まんごは、涙を浮かべながらも言葉を絞り出す。



 そのときだった……、舌に近づき過ぎたリコーダーの吹き口が玄武(げんぶ)の舌先に、ピタリと触れた……。



「いいいいいいいいいゃあぁぁ〜〜〜!」


 まんごは、大きな叫び声をあげる。




 そして、キリッとした目で、玄武(げんぶ)を睨みつけた。その目には涙が滲んでいる。



「ふぅ〜。もぅ、怒ったんだからねっ!」


 まんごは、ゆっくりと玄武(げんぶ)に近づいてゆく。



「おい、動くなよ! ほら! え!ほら!」


 玄武(げんぶ)はまんごに見せつけるように、リコーダー吹き口をペロペロと舐めた。



不知火(しらぬい)くんって……、バカなの? 人質は生きているから価値があるんだよ……。もぅ舌をつけちゃったよねぇ? もぅ取り返しはつかないよっ?」


 まんごは、足を止めることなく、玄武(げんぶ)に近づいてゆく。


 その目は、ジロッと玄武(げんぶ)を睨んでいた。



「ま、待て、高村! なぁ……、うっ」



 ピシッ



 乾いた音とともに、まんごの右手が玄武(げんぶ)の右頬をはたいた。


 ビンタだ。



「痛って〜」


 玄武(げんぶ)は、両手で右頬を押さえる。


 玄武(げんぶ)の手から離れたリコーダーは、彼の足元に落ちた。



「私のリコーダーは返してもらうからね! 不知火(しらぬい)くんって、本当に最低ねっ!」


 まんごは、地面に落ちたリコーダーを拾い上げた。


 まんごは、もう一度、玄武(げんぶ)を侮蔑の眼差しで睨みつけた後、踵を返し、教室に向かった。




――――――――――――――




「あれ、まんごちゃん。どうしたの?」


 水道でリコーダーを洗っていたまんごに、堀江沙耶香(さやか)が声をかける。



「実はね、不知火(しらぬい)くんにリコーダーを盗まれて、先端を舐められちゃったんだ」


 まんごは涙を浮かべながら、沙耶香(さやか)に伝えた。



「え〜、あいつきもいね〜」


 沙耶香(さやか)はまんごに同情しながらも、不知火(しらぬい)玄武(げんぶ)に対して怒りをあらわにする。


 そして、沙耶香(さやか)は、涙を流すまんごに寄り添い、まんごの頭を撫でた。



「まんごちゃん、元気出して……。」



「う、うん。ありがとう、沙耶香(さやか)ちゃん。でも、私のリコーダーが……。」



「リコーダーが……って、ことは間接キスってやつかぁ、まだファーストキスもまだなのにねぇ……。」


 沙耶香(さやか)はさも自分のことのように、大きくため息をついた。



「いや……。そのぉ……。」


 まんごは、キスという単語に反応してしまい、顔を赤めてしまった。


 確かに、玄武(げんぶ)とはリコーダー越しに間接キスだったのかもしれないが、キスが初めてではなかった……。



「ん? あれっ?」


 俯くまんごの下から、見上げるように沙耶香(さやか)が顔を出す。



「ええっ? あれれ? もしかして、まんごちゃん、キスしたことあるの?」


 沙耶香(さやか)はじっとまんごの目を見つめる。


 興味深かそうに、真剣な眼差しで、まんごの目を見つめた。


 まんごの目には涙が滲んでいたが、その視線は泳いでいた。



「いや、いやぁ……。そのぉ〜」


 まんごは、さらに顔を真っ赤にしてしまった。


 もう、この顔の赤さでキスをしてないとしらばっくれるのも無理な話だ。



「ちょっと……、誰とよ?」


 沙耶香(さやか)はまんごに詰め寄る。


 両手を肩に乗せ、俯くまんごの顔を下から覗き込む。



「色々あってねぇ……。」




 そして、まんごは、ドリアのことから、魔法少女のことまで洗いざらい話した。




「……それで、この子がマンゴスチン・ハート。さっき、不知火(しらぬい)くんにこいつを渡せって、脅されたんだ」


 まんごは、沙耶香(さやか)にマンゴスチン・ハートを見せた。



「ふ〜ん、なるほどね。だいたい話の流れはわかったわ。まぁ、私が一番気になったのは、まんごちゃんにキスの経験があることよね。まんごちゃんだけずるいなぁ〜、キスの経験あるの……。」


「えっ……? そこ……?」


 まんごは、たじろぐ。


 他にも気になる点は多々ありそうなものだったが、沙耶香(さやか)はキスについて言及して来るのだ。



「ねぇ、まんごちゃん。私もしたいなぁ〜。私ともしてよ……。」


 沙耶香(さやか)はまんごの目を見つめる。



「えっ?」


 沙耶香(さやか)の突然の誘いにまんごは困惑する。



「何よ? そのドリアちゃんって子とはできて、私とはできないの?」


 沙耶香(さやか)は意地悪な口調でまんごに詰め寄ってゆく。



「いや、そういう意味じゃなくて……。」



「じゃあ、しましょう!」


 沙耶香(さやか)は、まんごの顔に、ゆっくりと顔を近づけてゆく……。





 ドドン!



 次回に続く。




===============================




次回予告!!




 でれって〜ん


   ででで ででで ででで デッ デ〜ん


    MAN〜GO〜〜〜〜!





 卑劣な策にはまり玄武(げんぶ)に純潔を奪われたリコーダー



 悲しみを押し殺し リコーダーを洗うまんごにっ



   さぁ〜らなる試練が待ち受けるっ!




 間接キスを奪われたその先に


   守るべきは

          その真っ赤なくちびる!



 マンゴスチンよりも赤い まんごのくちびるに


  凶悪な


    そして、さらに


           凶悪な刺客が襲いかかるぅ




 守れるのか?


    いやっ



      守らなければ〜  ならないっ!!



 まんごの純潔はぁ!


  ここでっ   守るっ!!!!!




 次回!!!


 魔法少女 マンゴ☆スチン!


 『第20話 凶悪な刺客!まんごのくちびるを奪うのは、天使か?それとも、悪魔か?だまんごー』!!!




「ドリアちゃん……。私……ガンバるからっ……。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
リンク先は『マンゴスチンから生まれたマンゴスチン太郎』です。
i471546
こちらもどうぞ!完結しました!
― 新着の感想 ―
[良い点] 『純潔を奪われたリコーダー』て!( ´艸`)言葉の組み合わせの妙ですね! いや、そういう嫌がらせする男子はいるし、他人に舐められるのはイヤですけども。しかもまんごちゃん、『人質は生きている…
[良い点] まんごちゃんの嫌がり方(笑) いや、リコーダー舐められるのは普通に嫌でしょうね。
[一言]  「男子たる者、好いたる女子のリコーダー吸うべし」という格言(嘘)がある通り、その姿、イ○リー岡○さんを彷彿とさせる玄武君でした(笑)。  栗ご飯豆ご飯、タピオカミルクティーの回も衝撃的で…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ