表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
激情版 魔法少女マンゴ☆スチン Tropical FruitS 〜疾風の革命児〜  作者: 幸田遥
魔法少女マンゴ☆スチン Tropical FruitS

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/126

第八拾弐話 静止した教室の中で。



「ごっ……。ごめんなさい……。僕がっ……。僕がやりましたっ……。」


 『花田福男』は、涙を流しながら、嗚咽混じりの声を出した。彼はすでに涙と鼻水で顔をグシャグシャにしている。



「そうか……。みんなの前で、よく言い出せた。そして、よく謝れた。偉いぞ。花田くん……。」


 岡本隆彦先生が大きく頷く。彼は3年B組の担任の先生である。


 岩下真(いしま)小学校の3年B組の教室。火曜日の放課後であった。学級会で、堀江沙耶香(さやか)のリコーダーがいたずらされた事件の犯人探しが行われていたのだ。



 岡本先生は教壇から降り、花田福男の机の近くに歩み寄った。そして、腰をかがめ、花田福男と視線の高さを揃える。



「じゃあ、花田くん。どうして堀江のリコーダーにいたずらをしたのかを、先生に教えてくれるか?」


 岡本先生は、花田福男の目をじっと見る。彼の目は涙でいっぱいだったが、彼は、鼻をぐすんとすすりながらも、頷く。そして、嗚咽混じりの声で話しはじめた。



「あのぉ……昨日。なんとなく、鼻でリコーダーを吹いてみたくなって……。でも……。鼻の穴は2つあるのに、僕はリコーダーは1本しか持ってなくて……。それで……。隣のロッカーにあった堀江さんのリコーダーを……。借りました……。」



「そうか……。それで……?」


 岡本先生はコクコクと頷きながら、福男の話を真剣な顔をして聞く。



「2本のリコーダーを使って……鼻の穴で、吹いてみました。最初は難しかったけど……。どっちのリコーダーも鼻水でグチョグチョになっちゃったけど……。そのぉ……。コツを掴めたようで……なんとか……。」



「そうか……。吹けたのか?」



「うん!」と、花田福男は、涙と鼻水で顔をグチョグチョにしながらも、嬉しそうに口元を緩める。



「そうか、それはよかった。好奇心は大事だ! 好奇心を失ったら、人間は人間でなくなる。大事にしろ! ただし……、他人に迷惑はかけるな。わかるか? 自分のリコーダーだったらいいんだ。鼻の穴に入れようが、お尻の穴に入れようが。ズボンのチャックからはみ出させて、『ち○こ!』ってやったっていい。好きにしてもいいんだ。だがな、他人のリコーダーはダメだ。わかるだろ?」


 岡本先生は、花田福男の目を見つめる。その表情は真剣である。



「……うん。自分のじゃないから……。その持ち主の子が嫌がるから……。僕の鼻水で、堀江さんのリコーダをドロドロのぐっちゃぐちゃにしちゃったら、堀江さんは嫌がるから……。そして、リコーダーの先端からドロリと垂れてくる鼻水が、僕の手のひらをビッショビショにして……。で、僕も思わず『最低だ……、僕……。』って言っちゃうくらい。僕は最低なことを、堀江さんにしたんだ。と……思います……。」



「そうだ!」と、岡本先生は大きく頷く。そして、真剣な表情で言葉を続ける。



「そう……、君は……、君たちはまだ若いから、間違ってもいいんだ。間違うことは仕方がないんだ。そうやって成長していくから。でも、謝ることができてこそだ。謝れなければ、成長はできない。まぁ、なんだ、堀江の大事なリコーダーだったけどな。ちゃんと謝れば、堀江だって、許してくれるかもしれない。自分のしたことを認めて、ちゃんと謝るんだ!」



「ごっ……。ごめんなさい……。」


 花田福男は、目をつぶりながら謝った。その目から、また大粒の涙が流れる。



「そうだ、よく謝れた! 偉いぞ、花田くん。まぁ、あれだ。2本目のリコーダーは、親に買ってもらうといい。それで練習するんだ。じゃあまた、先生とみんなに、花田くんの鼻リコーダーの演奏を聞かせてくれよな。みんな楽しみにしてるから……。あと、あれだ。先生に謝るんじじゃなくて、ちゃんと堀江に謝るべきだから……。ね?」


 岡本先生は、花田福男に微笑みかける。



「うんっ……。わかりました……。堀江さん! 本当に、本当にごめんなさいっ! みんなも、ごめんなさい!」


 花田福男は、右手で大きく涙を拭って、そして、大きく頷いた。そのまま、堀江沙耶香(さやか)の方に向き、大声で謝罪した。更に、この学級会で放課後みんなを居残りさせてしまった意味も込めて、みんなにも謝ったのだった。



「えっ……、じゃあ。うん……。」


 堀江沙耶香(さやか)は、小さく頷く。目にはじんわりと涙を浮かべていたが、無表情のまま泣くことを我慢していた。



 一方、3年B組の教室の生徒はみな、ほっと肩を撫で下ろしていた。


 その中で、『藤井和雄』は、冷や汗を掻きながら沈黙していた。声を必死に押し殺し、何事もなかったかのように平然を装いながら……。


 そして、彼が、昨日放課後に色々と会話した『古池竜也』の方に目を向けると。竜也は、青ざめた顔で下を向いていたのだった……。




――――――――――――――




「どうして男子って、こう……。馬鹿なのかしら……? こないだは、まんごちゃんのリコーダーもいたずらされたし、今度は私のリコーダーだし。もぅ、やんなっちゃう……。」


「そうだよね……。バカばっか……。」


 沙耶香(さやか)と高村まんごは、みんなが帰った後の教室で、愚痴をこぼしていた。そして、今日は、岡本先生も一緒だ。今回の事件の被害者である沙耶香(さやか)の心のケアも兼ねての居残りだ。小学校の先生も大変なのだ。



「まぁ、そうだけどな。今回は、花田も、悪いことをしようと思ってやったわけでもないし……。ああいう馬鹿げた好奇心も、大事にしてやらないといけないんだ。まぁ、方法に問題があったのは確かだ……。ちょっと大目にみてやってくれないか……?」


 岡本先生は、3年B組の担任の先生として、生徒が非行に走ったり不登校にならないようにと、色々と考えなければならない。教育のために、悪いことをした生徒も、庇うのだ。



「確かにそうなんだけどさぁ……じゃあ、先生! なんか……。私、ちょっと疲れちゃったから。元気になるために……、先生のリコーダー、舐めてもいい?」


 沙耶香(さやか)は、岡本先生に顔を向け、ニヤリと微笑んだ。



「え? 先 生 の リ コ ー ダ ー ?」


 岡本先生は、ポカンと口を開けながら、顔をゆっくりと沙耶香(さやか)の方に向けた。




 バンっ!!!



 次回へ続く!



===============================




 私、高村まんご。小学3年生。


 3年B組! 岡本先生! のクラスで、親友の堀江沙耶香(さやか)ちゃんと一緒に小学校生活をエンジョイ中だよ。


 た〜まに、変な事件も起きたりするけどねっ。まぁ、小学生ってのは、色々あるから大変なんだよ。



 で、今回もね。ひっどいよね〜。



 まぁ、リコーダーがしょっぱかった理由は、まぁ、鼻水のせいだとしてね。



 でもまぁ、花田福男くんはね。ちゃんと謝れたし。感心だよね〜。


 もし謝れなかったら、



 小学3年生のいたいけな女児のリコーダーを、ねっとりドロドロな鼻水で陵辱するなんてっ! 絶対にっ! 許さないっ!!


 とかいうセリフと共に、制裁を受ける羽目になったと思うんだけどね〜。



 ん? あれ? なに?


 こっちの方が見たかったって?


 おいおい〜。まぁ、でも。花田福男くんは、根はいい子なのよ。ただリコーダーを鼻で吹きたいという好奇心に負けただけだから。うん。許してあげて。


 そう、彼はきっと再登場するよね。うん。プロ鼻リコーダー演奏家としてねっ!



 あっ、そうそう。今回の話で、めでたく100話になったのよね。まさかこんなに長く続くとは思ってなかったよね〜。びっくり〜。


 ちょっとした悪ノリで始めたマンゴスチンシリーズが……ねぇ(笑。


 まぁ、まだまだ続くからね〜。これからも、まんごちゃんの活躍に期待してねっ!


 ヨロシコシコッ!!




 さてと。ということで、さやかちゃんとたかさん先生が、な〜んかいい感じかな〜?


 あっちゃ〜。

 そういうことか。そういうことなんかぁ〜。

 もう、やばいね〜。



 生徒と先生の関係なのに?



 まぁ、漫画とか小説だとよくある展開だし。うん。別に、先生だからってね、聖人君子というわけでもないからね。普通の人間だし。可愛い女児が言い寄ってくれば、手も出すよね〜。


 ……おっと。あんまし言いすぎると怒られそうだから、これくらいにしておいて……。



 まぁ、そういうことだからねっ! 次回をお楽しみにっ!



 次回!


 魔法少女 マンゴ☆スチン Tropical FruitS

 『第83話 さやかレコード2〜ねぶられた先生のリコーダー〜』


 だよっ!



 絶対に読んでねっ!


 マンゴスチン! カジュー! ヒャクパーセントー!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
リンク先は『マンゴスチンから生まれたマンゴスチン太郎』です。
i471546
こちらもどうぞ!完結しました!
― 新着の感想 ―
100話おめでとうございます☆彡 生徒が非行に走ったり不登校にならないように頑張る先生は偉いですよね (*´▽`*) ……そして禁断の花園が!? Σ( ̄□ ̄|||)
読ませていただきました。 記念すべき100話到達おめでとうございます〜! まさかのリコーダー戦犯のお話とはっ(笑)。 えっ、第3の男登場〜。 両鼻でリコーダー吹くって、どんな芸だよっ! この子は純…
エピソード100達成おめでとう! 話数がここだけ漢字なのはなんでかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ