表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/92

15.

 豆太郎、異世界の地上初体験の日。

 当の本人はまったく気にしていないのだが、それにかなり動揺している人がいた。

 人、というか魔人だが。


 ソーハは寝床の周りを歩き回っていた。

 ぴたりと止まって、腕組みをしたまま指で肘を叩く。そしてまたうろうろ、ぴたり、うろうろ。

 いつになく忙しない彼の挙動。

 レンティルはもちろんその理由を察している。


「もやしの世話もあるから、もうすぐ豆太郎さんも帰ってくるでしょうね」


 レンティルの言葉に、ソーハはばっと振り向いた。


「べ、別に気にしてない! 全然気にしてない。だいたいっ、人間はダンジョンの外に住むのが普通なんだ。今までがおかしかったんだ」


 ソーハはどかっと地面に座り込んだ。

 地面を見つめてぽつりとこぼす。


「……そのまま帰ってこなくたって、不思議じゃない。俺は気にしない、全然」

「……」


 2人の間に微妙な沈黙が落ちたところで。


『ただいまー』


 水晶玉の向こうから、能天気な声が響いてきた。


「…………」

『おーい、ソーハ~。いないな。ただいまー。土産あるぞお』


 あたりを見回しながら1人で話している豆太郎。


「ソーハ様。ただいまとか言ってますよ」


 ソーハは先ほどまでの自分がすごく馬鹿馬鹿しく思えた。


「……はあ」


 ため息をひとつついて、豆太郎の元へと赴く。別にお土産を取りにいくわけではない。


 魔人のダンジョンを家扱いするあの男に、説教をしにいくのだ。

短いですが、区切りがいいので今日はここまでです。

明日から第2部2章となります。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ